9月4日、430人のデモ隊が徳島刑務所を包囲して「今すぐ星野文昭さんを返せ」と迫りました。翌日の面会で星野さんは「カベがなくなったようだ」と語りました。徳島闘争は、『星野新聞』で勝負すれば獄壁を打ち破って星野さんを取り戻せるという確信を生みました。
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「文昭! 聞こえますか! みんなで会いに来ましたよ」
星野暁子さんの呼びかけが、徳島刑務所に響きわたりました。
「必ず、必ず、必ず、取り戻すからね。
文昭、もう一息だから、元気でがんばろうね」
全国から集まった430人の心も一つです。「この塀の向こうに星野文昭さんが生きている。私たちの声や歌を聞いている。全国の闘いで獄壁をぶち破って絶対に取り戻そう」と決意し、何人もが涙を流しながら、刑務所包囲デモをやり抜きました。 岩手、神奈川、みやぎ、大阪、広島の星野救援会が発言に立ち、和久田修弁護士が再審闘争の報告を行いました。連帯のあいさつを、動労千葉、全国水平同盟、全学連、革共同が行い、カンパ・アピール、行動提起の後、デモに出発です。 |
狩野満男さんの司会で戸村裕実さんが開会のあいさつに立ち、「徳島刑務所の獄壁をぶち破り、星野さんとつながろう」と訴えました。
星野暁子さんが、2日前の面会で聞き取った星野文昭さんのメッセージを紹介し、「徳島刑務所に今日のデモで怒りの声をあげていきましょう」と訴えました。
岩手、神奈川、みやぎ、大阪、広島の星野救援会が発言に立ち、和久田修弁護士が再審闘争の報告を行いました。連帯のあいさつを、動労千葉、全国水平同盟、全学連、革共同が行い、カンパ・アピール、行動提起の後、デモに出発です。
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「獄壁を破って必ず取り戻す」
2梯団に分かれたデモ隊が、台風12号の接近をはねのけて徳島刑務所に迫っていくと、正門前に星野文昭さんと韓国民主労総のハンサンギュン委員長のパネルが掲げられました。その前で、星野さんに届けと全員が「ソリダリティ」を歌いました。
刑務所裏のみかん畑から、暁子さん、戸村裕実さん、外岡弘さん(動労水戸)、吾郷春代さん(大阪)、日野亮さん(えひめ)、原祥吾さん(徳島)、広島の自治体労働者らが、星野さんへの呼びかけを行いました。この声が星野さんに届いたことが、翌日の面会で確認されました。星野さんが語った通り「カベがなくなったようだ」という状態をつくり出しました。
星野さん解放を実現できる情勢
9月徳島闘争は、韓国の民主労総や日本の動労千葉等4組合が呼びかけている11月の国際的な共同行動勝利への号砲となりました。
1980年代以来の新自由主義は人間社会の基本的なあり方を破壊し、人間が人間として生きていけない現実を生み出しています。怒りや苦しみが、全世界に満ちています。それが絵画展を通して星野さんの闘いと出会い、『星野新聞』で拡大しています。
これこそ、星野さん解放を実現する情勢の到来です。全世界の労働者民衆が団結して、戦争と労働法制改悪を打ち破る闘いと一つになって、星野さん解放を実現しよう。
虹が見えたよ
いわて救う会 岡田幸助
私にとって2回目の徳島訪問。昨年は所用があって刑務所の正門前で引き返した。今年は最後の行動まで参加できた。台風襲来でどうなるかと心配したが、台風は九州の方向にそれ、雨が降ったり止んだり、時には晴れ間が見えた。コンクリート製の壁は高く威圧感があったが、老朽化が激しく、補修されたひび割れが目立った。この壁の内側に文昭さんがいるのだと実感した。「文昭さん迎えに来ましたよ」この声は文昭さんの耳に届いたと思う。「友人面会を認めろ」、「エアコンを入れろ」、「軍隊式行進をやめろ」、「裸体検査をやめろ」、「濡れたタオルで体を拭かせろ」、「面会時に花を見させろ」と刑務所側への抗議の声も大きく響いた。刑務所を一回りして、道路に出た時、きれいな虹が街の方から刑務所へ向かってかかっていた。帰り道、隣の人から「虹にどんな意味がありますか」と聞かれた。私はとっさに「ノアの方舟」の話を思い出し「神様が人間と約束されたしるし」と答えた。そうだ神様が文昭さんの解放を約束されたのだと確信した。
翌日の差し入れ行動のあと、入り口で暁子さんを始め19人が係長を取り囲み待遇改善の申し入れ書を提出した。返事は頑なに「所長の裁量ですから私は答えられません」の一点張り、文書で返事をくれるように言っても、だめ。所長の心にどのようにしたら届くのであろう、誰となら会うのだろうかと考えた。受刑者は人間だ。人間の尊厳を守ってもらいたい。
9・4徳島刑務所包囲デモを頂点とする3日間の闘いは、労働者民衆の力で獄中42年を打ち破り、星野さん奪還の道を開く闘いとして行われました。その中で獄壁を超える強固な団結をつくり出して、「この闘いで絶対に星野さんを取り戻せる」という確信が生み出されました。
徹底的に『星野新聞』で勝負しよう。新しい段階に飛躍した星野闘争で、今こそ星野文昭さんを取り戻そう。 |
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面会と差し入れで団結
共同代表 狩野満男
9月5日、19人が参加して「面会、差し入れ、申し入れ行動」を闘いました。昨年に続いて、暁子さん、修三さん、ゆかりさんそろっての面会を勝ち取りました。
面会を終えた3人の晴れ晴れとした笑顔を、拍手と歓声で迎え、その場で、早速の報告です。何よりうれしいのは、激励の呼びかけのほとんどが聞こえ、通じたことで
す。修三さん、ゆかりさんの北海道での活動や、室蘭の会結成についての
会話など、充実した面会の様子が伝わりました。
面会中、全国の仲間は画集、切手など思い思いの差し入れ品を手に刑務所内外を堂々と行き交い、皆で輪になって星野さんへの思いを語り合いました。
申し入れ行動では、門前に本田庶務課長を引き出し、19人総ぐるみで5項目の申し入れを突きつけました。庶務課長の「書面の受け取りのみ」とする許しがたい対応に全員の怒りが爆発。刑務所との力関係を塗り替える場となりました。
申 し 入 れ 書
2016年9月5日
徳島刑務所長 宮本裕康 殿
星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議
星野文昭家族 星野暁子
星野修三
渡辺ゆかり
連絡先
東京都港区新橋2-8-16 石田ビル4階
星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議
電話03-3591-8224
私たちは、貴刑務所において無期懲役受刑中の星野文昭さんを支援する者ならびに家族です。
本日、星野文昭さんの健康と人権について、以下の申し入れを行います。
(1)友人面会を認めてください
貴刑務所は2010年5月以降、友人面会禁止状態を続けています。これまでの申し入れに対して、「申請があればその都度可否を検討する」と答えていますが、これはウソです。星野文昭さんに関しては、友人面会禁止という方針があらかじめ決まっており、「検討する」ふりをしているだけです。
友人と会い、会話をするのは人間として当然の権利です。これを奪うことは、絶対に許されません。
ただちにこれまでの方針を改め、友人面会を認めてください。
(2)居房にエアコンを入れてください
真夏日が続く季節にエアコン無しの生活を強いるのは、事実上の拷問です。ただちに受刑者の健康と生命を守るために、居房にエアコンを設置してください。現に、大阪刑務所の拘置支所ではエアコンを入れています。
コンクリートで閉ざされた部屋で上の窓を開けることも認めないのも拷問に等しい行為です。ただちに窓を開けることを認め、また濡れたタオルで体をふくことを認めてください。
冬季に向かって、寒さ対策を真剣に準備してください。
ポケットカイロの購入を絶対に許可してください。
(3)健康維持に必要な措置を取ってください
星野文昭さんは、鯖アレルギーを抱えています。先日、夕食に出された鯖を一切れ丸ごと食べたところ、全身に発疹が出て苦しみました。
また、糖尿病に関しても危惧を抱いています。定期検診を行い、所外の病院を含めて、最高の医療を保障するよう求めます。
(4)受刑者を人間として扱い、人権を保障してください
行刑改革会議の提言を受け、一度は廃止された「軍隊式行進」が公然と復活しています。また、受刑者の尊厳を損なうとして廃止が強く求められている「裸体検身」がいまだに行われています。
これらをただちに廃止してください。
面会室をアクリル板で遮断することをやめてください。看守の立会いを廃止してください。夫婦面会を貴刑務所においても実施してください。
貴刑務所は何かにつけて「所長の裁量」と言いますが、これらは、所長の裁量で明日からでも実施できます。
(5)面談拒否を撤回してください
今年6月9日、貴刑務所は突如、面談による申し入れ受け取りを拒否してきました。その理由はまたしても「所長の裁量」です。これは、貴刑務所の非人間的なあり方を集中的に示しています。
「所長の裁量」をもって、ただちに撤回してください。
以上、強く申し入れます。 |
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