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2016年11月27日 星野再審全国集会
100万人の大運動をつくろう
星野さん絶対奪還誓う
 星野文昭さんのメッセージ    基 調 報 告


 11月27日、牛込箪笥区民ホールに450人が集まり、今こそ獄中42年を打ち破って星野文昭さんを奪還するために、100万人の運動をつくろうと熱く確認しました。韓国を先頭に全世界で労働者民衆が立ちあがり、星野さん奪還の情勢を迎えています。2017年総決起し、星野さんを取り戻そう
 全国集会の会場は、11・6東京と11・12ソウルを頂点とする国際共同行動の熱気に包まれました。「パククネ打倒」の100万人決起に参加した人たちが、「必ずこの闘いを日本で実現して星野文昭さんを取り戻そう」と語り合う中、開会しました。
 狩野満男さんの開会あいさつから戸村裕実さんの開会あいさつまで熱気がとぎれることなく、その中で基調報告が行われました。星野文昭さんのメッセージと暁子さんの発言は全国から集まった450人の心を一つにしました。
 11・27集会
     平良修さんメッセージ
結集された仲間の皆さん。泣くような思いでのメッセージ参加です。
 星野さん奪還の覚悟を明確に示すために、運動の節目節目で連帯の掛け声が発せられ、熱く共有されてきました。
 本当に大切なことを実現させるには長い時間と並々ならぬ努力が必要です。私たちは解決に長い時間と並々ならぬ献身を必要とする課題を担っているのです。
 2017年絶対奪還の希望に生きましょう。
(写真は、6・19集会)

 この1年間、星野さんを取り戻す闘いは大きな飛躍をかちとってきました。1月に『星野新聞』を創刊しました。この新聞は、「星野さんを絶対に取り戻す」決意を体現するものとして、労働組合を始め様々な運動に持ち込まれ、星野闘争を大きく広げてきました。
 今年の1月から12月までに開催される絵画展は、昨年の57カ所を越えて82カ所になります。
 多くの絵画展で、労働組合を中軸にした実行委員会がつくられ、地域の総決起を実現してきました。誰でも入れる絵画展は、広範な人々との出会いと決起の場になっています。 『星野新聞』と絵画展を通して、岐阜、室蘭、静岡で新たな救援会が結成されました。
 すべての証拠を開示しろと、裁判官、検察官に迫り、再審闘争の前進をかちとってきました。
 9月4日には4回目となる徳島刑務所包囲デモを闘い、「無実の星野さんを今すぐ出せ」と国家権力に突きつけました。
 星野闘争は、100万人の決起を生み出す闘いです。全国に拠点をつくり、100万人が決起する運動をつくり出そう。その力で、今こそ星野さんを取り戻そう。


100万人決起で星野さん奪還へ


 世界は今、戦争と革命の情勢です。戦争の切迫と新自由主義が生み出した人間が人間として生きていけない社会に対して、全世界の労働者が立ちあがっています。
 韓国では毎週、大決起が闘われ、11・30民衆ゼネストに進みました。労働組合が中軸に座ることで、学生、農民、商店主、宗教者などあらゆる民衆が決起しました。全国の大学でストライキが闘われ、高校生も立ちあがったのです。
 日本で100万人の決起を実現することは絶対に可能です。動労千葉、動労水戸、動労総連合の闘いを全国に広げ、広範な労働者民衆の決起を実現していくのです。全証拠開示・再審無罪を求める100万人の署名をやり抜こう。自分の職場、自分の労働組合で署名を訴えよう。全国の救援会が地域の労働組合に働きかけて拠点をつくろう。市民運動、救援運動、宗教者などあらゆる人たちに訴え、100万人と結びつこう。
 来年2月17日、徳島刑務所への面会要求、申し入れ闘争に集まろう。
 星野文昭さんに全国から年賀状を送ろう。


 2・17徳島闘争の訴え


元木美起子さん(徳島)
 9・4德島刑務所行動は、星野さんが「壁が無くなった」というほど感動的にできたと思います。獄中の午睡時間があるから、30分ほどずらしてほしいという配慮もして今回はやりました。獄中の人たちとの団結も出来た、すばらしい闘いになったと思います。
 德島医療福祉労組という、青年たちの小さな組合だけど、国鉄闘争と一体の階級的労働運動で団結をつくる門前闘争もやりました。星野さんの闘いが、德島でも青年の闘いをつくっています。
 2月17日は、とても寒い時期です。山の中腹で、盆地のようなので、朝は雪が降るようなところです。そこで、もう一度、全国に呼びかけて、新たな感動をもって徳島刑務所行動をやりたいと思います。2017年は星野さんを本当に取り戻す闘いとして決起していきましょう。
    主な発言者と要旨
司会
  大畠信子さん(三多摩)
  日下部伸さん(茨城)
開会あいさ
  狩野満男さん
星野文昭さんのメッセージ
  代読と星野暁子さん発言

再審弁護団報告
基調報告

  金山克巳さん(事務局)
ビデオメッセー
  スティーブ・ゼルツァーさん
   韓国拘束労働者後援会
訪韓闘争報
  仙田哲也さん(徳島)
絵画展の報告
  みやぎ、三多摩、大阪
沖縄からの報
  和田邦子さん
今年結成の救援会か
  岐阜(代理発言 愛知・坂野康男さん)
  
    室蘭 栗橋ノリオさん
    静岡 山口武さん
共に闘う決意
    3・11福島行動実行委
    椎名千恵子さん
 家族からの訴え

 
星野修三さん
  札幌に帰って3年になります。絵画展に取り組んで、札幌の他に室蘭でもできるようになりました。これに、昔の知り合いも参加してくれるようになりました。全国でもそうですが、北海道でも、まだまだ文昭のことは知られていません。来年は、絵画展という形で
もっと広げていきたいと考えています。全国での絵画展もよろしくお願いします。
 
渡辺ゆかりさん
 暁子さんと一緒に韓国に行ってきました。本当に感動的でした。ものすごい人がぎゅっと詰まっていて、「あぁ、こうやって変えられるんだ。文昭さんが言っている人間が人間らしく生きられる社会はこうやってつくるんだ」と感じました。
 ものすごいパワーをもらって、私たちにもできるんだと思いました。これからもガンガンやって行きます。
星野誉夫さん
 木曜、金曜日と、暁子さんと一緒に面会してきました。文昭君は非常に元気です。しかし70歳になったので、やはり健康問題が心配です。
 皆さんや暁子さんは、階級的な労働運動の力で釈放をかちとることを目指して闘っておられます。文昭君は、救援運動と労働運動の提携によって運動が拡大しており、再審によって出ることを願っています。しかし、難しい状況です。
 私としては仮釈放の可能性も考えています。受刑開始から30年たつと、更生保護委員会が必ず審理することになっています。面会の時に、家族4人の名前で請願書を出しました。今の情勢の中で合わせて考えていきたいと思っています。


 星野暁子さん発言
 11月21日から25日まで4回面会してきました。
 21日は、12日の韓国の200万人が集まった状況を、写真を見せながら伝えました。
 13日に拘束労働者後援会の事務所を訪ね、事務局長のペミヨンさん、お姉さんのペウニョンさん、運営委員のキムヨンウンさんにお会いしたことを伝えました。暖房も冷房もなく、30年間手を握ることもできない日本の刑務所の実情を伝えると、驚かれました。日本に毎年来ているキムヨンウンさんは「自分の知っている日本と違う。日本の刑務所はまるで戦前のようだ」と言っていたことも伝えました。韓国では、年1回は障壁のないところで家族面会をし、一泊できるそうです。
 拘束労働者後援会の『世界の外へ』という機関紙に星野の特集を組むこと、韓国の政治犯に年賀状を送ることを報告しました。
 9月4日、私たちは徳島刑務所包囲デモに430人で立ちあがりました。私は、「必ず、必ず、必ず、取り戻すからね。あともう一息だから、元気で頑張ろうね」と呼びかけました。翌日の面会で文昭は「聞こえたよ。獄壁はない」と言いました。

2017年に身柄の解放を
 『星野新聞』の月2回発行は、豊かな紙面づくりによって、労働組合を中軸にして、労働者民衆が星野闘争の担い手になり、運動が拡大していく武器になっています。
 絵画展は、去年から今年にかけて139カ所で開催され、2万人を越える人々が参加しています。なぜ獄中でこんなに明るく温かい絵が描けるんですかと驚きと感動を伝えてくれます。
 文昭の絵に「暁子と会話する場所」というのがあります。小さな机に画用紙、パレット、筆などが置かれています。奪われたものを奪い返す闘いを、文昭は必死にやっています。その闘いが絵を通して、みんなに伝わるようになったということだと思います。
 戦争と革命の情勢の中、飛躍した力によって、2017年、身柄の解放をかちとるために勝負をかけるということだと思います。
 星野文昭42年の獄中闘争は、動労千葉、動労水戸の闘い、そしてあらゆる職場での闘いと一体のものとしてあります。団結にすべてをかけて闘う星野と共に闘い、勝利しましょう。
 再審弁護団発言
新証拠を提出し再審へ
全証拠開示させよう




 
許すな非人間的処遇  西村正治
 星野さんの面会・手紙国賠は昨年11月26日の上告以来、1年が過ぎました。何としても最高裁での弁論をこじ開けたいと思います。面会・手紙国賠は、暁子さんとの結婚記念日の面会を拒否した処分、友人ら7人との面会を拒否した処分、暁子さんの手紙を一部抹消した処分の3種の違法処分を争っているものです。
 一審判決は、暁子さんの面会を拒否した処分と布川事件の桜井さんに関する暁子さんの手紙2カ所の抹消処分を違法と断じました。面会拒否については、再審請求人は弁護人と回数を制限されないで面会する利益を保障されると、弁護人との面会を回数制限に入れたことを違法としました。
 これを覆したのが、東京高裁反動奥田判決でした。面会の回数については再審弁護人も面会に関する制限に服するとしたわけです。これを最高裁で何としても引っくり返さねばなりません。
 友人面会の拒否も許しがたい違法な処分です。再審闘争を闘う星野さんにとって、外部との面会交流は極めて重要です。友人面会の実績を奪い返す闘いをさらに強めていかねばなりません。
 01年名古屋刑務所で発生した、刑務官による受刑者へのリンチ殺人事件を契機に旧監獄法が廃止され、06年新処遇法が制定されました。これにより、親族としか面会させない旧監獄法に対して、友人面会を原則認める原理的転換を行ったはずでした。星野さんに対しては、94人の友人面会が勝ち取られました。
 ところが、法務省行刑当局は、このままでは刑務所支配が成り立たないとして、旧制度の運用に戻そうとする大反動の動きを強めてきました。新法の規定を無視して旧監獄法時代の運用を所長裁量で強行してきたのです。10年から友人面会が認められることはほぼ皆無になりました。その時期、星野さんに対する不当極まる懲罰や降格攻撃も頻発しました。
 獄中の仲間は国家によって分断・孤立を強制され、人間的自由を奪われますが、不屈に闘う限り、断じて一人でありません。労働者階級との団結を形成できます。われわれは獄中の仲間と団結し、守り抜き、奪還するために獄中処遇の闘いを重要な一環として積極的
に闘っていかねばなりません。獄中処遇の闘いは、新自由主義との闘いであり、人間性を取り戻す闘いであり、獄内外の団結を形成する闘いです。奪還闘争と一体のものとして闘わなければなりません。
 星野さんの生命と権利と闘いを守り抜くために、德島刑務所、法務省と闘おう。そして、必ず取り戻しましょう。

救援運動が大事   藤田城治
 証拠開示も、三者協議も、裁判所と弁護団の面談もすべて裁判長の裁量です。ですから、運動がすごく大事になってきます。皆さんの「星野さん奪還!」「全証拠を開示せよ」の声に後押しされながら、裁判体と対峙していきたいと思います。

世の中変える闘い   酒井健雄
 これだけの人が毎回会場を埋め尽くしていることに感動しています。皆さんから頂いた力で、裁判所・検察を追い詰めていきたいと思います。星野さんを取り戻す闘いは、世の中を変えることにつながっています。一緒に頑張りましょう。

 主任弁護人 岩井信
 10月27日、星野さんと接見をしてきました。約3時間の内90%を星野さんが語り続けました。
 星野さんは元気ではありますが、これから冬に向かって非常に寒さがこたえる時期を迎えます。星野さんは元々北海道生まれで、自分でも寒さには強くて、夏の方がむしろ苦手だと言っていました。ところが最近では、むしろ冬の寒さの方がきついと言っています。
 9月の包囲デモで、昼寝の時間帯を避けたのは良かったと言っていました。受刑者の人から、昼寝の時間帯はちょっと困るという声を聞いて、今回は時間帯を少しずらしました。非常に好評だったということです。そうした小さいことでも、一緒に住んでいる人達との関係の中ですごく大事なことだと痛感しました。
 今回、包囲デモの呼びかけで、暁子さんの声がちょっとはっきり聞こえなかったとおっしゃっていました。やはり、暁子さんと面と向かって直接話ができる状況、まさに星野さんの解放こそが、私たちの目的だなと改めて感じました。

 第2次再審請求の中では一度証拠開示が実現できました。その結果、星野さんが手に持っていた鉄パイプが真っ白で、とても殴打したと思えない写真が出てきた訳です。これらを前提に、11人の目撃者の供述調書を開示せよというのが、今一大攻防戦になっています。
 9月5日、異議審の井上弘通裁判長が合田悦三裁判長に代わりました。そこで私たちは、新しい裁判長になったのだから、私たちの主張は何か、何が重要なのか、直接説明させてほしいと申し入れました。そして、10月5日、裁判長はじめ3人の裁判官と会いました。そこで、現場目撃者11人の供述調書の開示の重要性を訴えました。合田裁判長は、「真剣に考えます」と、少なくともそう言っていました。
 今年の5月に盗聴の拡大とか、改悪刑事訴訟法が成立しましたが、その時、再審については無辜(むこ)の救済を目的とする制度であるから、証拠開示を全面的に見直さなければいけないなど付帯決議が出されていました。この点、合田裁判長は「昨今そういったいろんな動きがあることは承知しています」と言っていました。
 松橋(まつばせ)事件における再審決定が出された後で、この事件では供述調書が開示されていました。何故私たちの裁判で出さないのかということを訴えました。
 最終的には、証拠開示を検察官に対して勧告させたい。今後も頑張っていきます。どうぞ、よろしくお願いします。

沖縄闘争の正義性
         弁護団長 鈴木達夫

 参院選挙では、絶大なご支援を頂きありがとうございました。
 今日、朝鮮・中国に対する侵略基地のために、沖縄の民意が一切踏みにじられています。この現実の中で、1971年の、星野さんや当時の反戦派労働者の命がけの闘いへの圧倒的な共感があります。星野さんの闘いが勝利していく基軸は沖縄闘争の正義にあると実感しました。
 権力は皆さんの闘いに追い詰められています。全国に33の救う会が結成され、年に2回、数百人の集会をやっている。それを彼らは知っています。しかも、冤罪であることが完全に明らかになってきた。国家権力に正義はない。この中で、権力中枢の判断としてまさにどうするかということに、現段階は至っていると思っています。
 無実・無罪の決定的な証拠は現場にある。また、検察庁の倉庫にある。これは真実です。弁護団は光の問題で、近々新証拠を突きつける段階に達しています。11人の供述証拠の開示と同時に、ここでも徹底的に敵を追い詰め、勝利の2017年を迎えていきたい。皆さんの真剣さ、熱意と一体に、勝利の日まで闘い続けます。


来年 星野さん解放   和久田修

 德島刑務所包囲デモは、第1回から毎回参加していますが、デモの度に獄壁が無くなっていく実感をずっと持ってきました。星野さん自身が「獄壁が無いようだ」と言い切るまで、今年の包囲闘争は熱く闘い取られてきたと思います。
 再審弁護団としては、目撃者11人の供述調書の開示を勝ちとって、来年こそ、この壇上に星野さんを迎える決意です。
 デモの後の大きな、きれいな虹こそが星野さんとわれわれを結ぶ架け橋だと思いました。頑張っていきたいと思います。