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1127全国集会 基調報告
今こそ星野文昭さん奪還へ、100万人の運動をつくろう

[1]星野文昭さん奪還の決意
 今秋、韓国において巨大な規模で「パククネ打倒」の闘いが燃え上がり、革命的な情勢が訪れました。世界革命のトビラが開かれました。
 11月12日、ソウル中心部は完全にデモ隊に埋めつくされ、「パククネ打倒」の闘いは深夜まで続きました。民主労総のゼネストを中軸にあらゆる労働者民衆が立ち上がって100万人が闘ったのです。動労千葉訪韓団220人は、民主労総ソウル地方本部と固く団結して闘いました。星野闘争の仲間も共に闘いました。
 機動隊は大統領官邸を守るのに精一杯で、広大な解放区が出現しました。翌日、ソウル地域本部のキムソンハン統一委員長は、「昨日の集会は世界革命の始まりであり中心」と語りました。
 11月30日には、パククネ退陣民衆ゼネストに突入します。鉄道労働者を先頭とする民主労総ゼネストをさらに発展させると共に、「青年学生は同盟休業で、教授は同盟休講で、農民は仕事をやめて農業機械を引っ張って、自営業者は一日閉店して共に進む」という空前の闘いです。懲役5年の判決を受けたハンサンギュン民主労総委員長は、「世の中を変えるのは大統領でも金バッジの政治家でもない。未来が見えない青年であり、我慢できずに街に出てきた市民だ。民衆が団結すれば、できなかったことはない」と獄中から手紙で訴えました。
 ソウル大学、淑明女子大、東国大、延世大、西江大、釜山大、高麗大など全国の大学が次々に「同盟休業(大学生総決起)」に立ち上がっています。全国の農民は、30日の民衆ゼネストに参加するために、トラクターを連ねて続々と上京しています。
 パククネ政権は、この危機を乗り切るために戦争準備を加速させ、安倍政権との間でGSOMIA(軍事機密保護協定)を結びました。戦争と戒厳令によって民主労総を先頭とする闘いを圧殺しようとしているのです。しかし、こんなものを根底から吹き飛ばす闘いが爆発しています。
 世界は今、戦争と革命の情勢です。戦争の切迫と新自由主義が生み出した人間が人間として生きていけない社会に対する怒りが全世界で爆発しています。2017年は、ロシア革命から100年です。革命を圧殺してきたあらゆるクビキをはね除け、全世界の労働者が立ちあがっています。
 これこそ、星野文昭さん奪還情勢です。70年安保・沖縄闘争の先頭に立ち、獄中42年を不屈に闘う星野文昭さんを、これ以上一日たりとも投獄することを許すことができません。全世界に沸き起こる労働者階級の壮大な決起と一体で安倍政権を打倒し、今こそ星野さんを取り戻そう。

[2]100万人との結合を開始した星野闘争
1.100万人との結合
 私たちは星野さんを奪還する救援運動を大きく前進させるために、宣伝・扇動の内容・在り方を変革すること、地域に星野救援会を建設すること、さらに多くの労働者民衆と結合することを目標に、この1年間闘かってきました。
 『星野新聞』の発行や絵画展の開催、徳島刑務所闘争を通して、100万の労働者民衆と結合する新しい奪還運動を開始したと言えます。
 特に11月6日の東京・日比谷での労働者集会と12日のソウル100万デモを共に闘いました。これを通して、世界革命の時代が始まったことを実感し、この中で100万人の奪還運動を作り出して星野さんを取り戻す確信を深めています。

2.『星野新聞』
 今年1月、私たちは『星野新聞』を創刊しました。
 労働組合を中軸に広範な労働者民衆に星野闘争を知らせ、100万人と結びついていくための創刊です。現在21号まで発行され、1カ月2回の発行が完全に定着しました。「絶対に星野文昭さんを取り戻す」という決意を体現するものとして、あらゆる闘いの場や労働組合に持ち込まれています。
 「星野闘争は新聞を持つ運動になった」と評価され、運動が拡大していく強力な武器になっています。新聞の持つ力は絶大です。全国から送られる闘いを記事にするために、日々奮闘しています。
 『星野新聞』は星野さんの新聞であり、皆さんの新聞です。さらに労働者民衆の新聞です。星野さんの現状と闘いを報告し、運動方針を提起しています。全国の救援会のすばらしい闘いをドシドシ報道して、団結を形成してきました。また国家権力の弾圧と闘っている人たちとの共闘を作り出すものです。さらに星野さんの非転向の闘いは、資本や国家権力と闘うすべての労働者民衆に力と勇気を与えるものになっています。
 『星野新聞』を全労働者民衆の中へ、もっともっと拡大するために、地域で創意工夫をこらして、議論して、実践しましょう。そのために、全国救援会の闘いの報告や、意見などを積極的に寄せてください。
 『星野新聞』拡大は財政闘争の前進でもあります。全国総会で提起したとおり、獄中支援、再審闘争、救援運動の財政を、星野新聞の拡大でつくっていきたいと思います。

3.全国で絵画展
 絵画展は、今年1月から12月まで全国82カ所で開催されます。昨年の57カ所をさらに上回る開催数で、全国の仲間たちが全力で取り組んだ結果です。
 星野さんの描く絵には、濁りの無い清らかさと気高さがあります。暁子さんへの愛情にあふれ、同時に労働者民衆への愛と団結を表現しています。新自由主義がもたらした人間社会の荒廃と対極をなす人間的共同性を表現しています。さらに、絵を見れば無実であることが一目でわかります。
 誰でも入れる絵画展は、広範な労働者民衆との出会いの場になっています。全証拠開示・星野さん解放の署名が集まります。『星野新聞』や『愛と革命』が売れます。地域で運動を広げることが可能です。
 7月参議院選挙では、鈴木達夫弁護団長の立候補と一体で、東京都内12カ所で絵画展が開催されました。広島県の三次市では、三江線廃止運動と共闘して開催されました。
 沖縄では、去年・今年と5・15闘争と一体で絵画展が開催され、朝鮮侵略戦争のための基地建設を強行する安倍政権への怒りと一つになりました。42年不屈に闘う星野さんに心から感動し、「この人と共に闘おう」と新たな決起が始まっています。
 多くの絵画展で労働組合を中心にした実行委員会が作られました。このことを通して地域の総決起をつくり出し、どんな運動や団体への訴えも可能になりました。
 各地の絵画展で良いビラが作成され、圧倒的にまかれています(合計50万枚)。
 こうした中、各地の地方紙やテレビ・ラジオで取り上げられるようになったことは重要です。マスコミが無視できない力を持ったといえます。

4.星野救援会の拡大
 『星野新聞』と絵画展を通して、新たな星野救援会が作られました。
 1月5日に「無実の星野文昭さんを取り戻す会・岐阜」、8月7日に「室蘭星野文昭さんを取り戻す会」、8月28日に「星野文昭さんを取り戻す会・静岡」が結成されました。星野救援会は全国33になりました。
 こうした全国的救援会の存在と闘いは巨大であり、東京高裁・高検、徳島刑務所を追い詰めています。100万人の運動をつくっていく基礎的力を形成したといえます。

5.徳島刑務所との闘い
 徳島刑務所闘争は、国家権力との真正面からの闘いであり、奪還闘争そのものです。
 9月4日、全国から430人が集まり、刑務所包囲デモを闘いました。星野暁子さんを先頭に刑務所裏から呼びかけを行い、その声は星野さんに届きました。獄壁を越えた団結をさらに強め、徳島刑務所・国家権力に「星野さんを返せ」と突きつけました。
 星野暁子さん等の呼びかけは獄壁を超えて星野文昭さんに届き、星野さんは「獄壁がなくなったように感じる」と翌日の面会で語りました。
 この闘いと一体の職場での決起が勝ち取られました。職場闘争と星野闘争が一つに闘われるという新たな前進が切り開かれました。
 徳島刑務所は2010年5月以降、友人面会禁止を続けています。
 繰り返し申し入れを行っているのに、居房に冷房も暖房も入れず、ポケットカイロの購入すら拒否しています。
 星野さんが使う絵の具を12色に制限する許しがたい攻撃もかけてきました。
 今年2月19日、70人が徳島に集まって、面会要求と申し入れ、差し入れを行いました。友人面会を勝ち取り、星野さんの健康と権利を守ろう。

6.国際連帯
 この1年、国際連帯においても大きな前進をかちとりました。
 アメリカUTLAのアーリーン・イノウエさんは6・19全国集会で連帯のあいさつをしました。
 韓国・民主労総との連帯も進み、拘束労働者後援会は、9月徳島闘争にメッセージを送り、本集会にもビデオメッセージを送ってくれました。
 トルコのUID・DERは、昨年の11月労働者集会に参加して星野さんを知るやいなや連帯を表明し、感動的な手紙と詩を送ってくれました。

[3]星野闘争を取り巻く情勢
1.新自由主義の破綻
 世界大恐慌の深まりの中で、1980年代以来の新自由主義攻撃は完全に破綻しています。世界の政府は1%の利害を守るものであることがむき出しになり、99%の労働者民衆は人間として生きていけない現実に突き落とされています。
 アメリカのトランプ当選が示すものは、新自由主義とグローバリズムの大崩壊であり、アメリカ帝国主義の没落・衰退です。支配階級自身が混迷し、分裂の危機を深めています。
 日本においてもアベノミクスは無残に破産し、黒田日銀総裁は物価上昇率2%を投げ出しました。人間社会の共同性が破壊され、その果てに引き起こされたのが「津久井やまゆり園事件」であり、電通の女性社員自殺です。新自由主義は、労働者を生かすことも食べさせることもできなくなっているのです。

2.労働者民衆の決起
 世界大恐慌の深まりと戦争情勢の切迫に対して、全世界の労働者民衆の怒りが巨大な規模で爆発しています。
 アメリカでは、「われわれの大統領ではない」とトランプ打倒の闘いが全米に広がっています。イギリス、フランス、ドイツ、イタリアでも、排外主義・愛国主義の高まりと対決して、労働者民衆が決起しています。
 トルコの労働者はエルドアン政権のすさまじい弾圧を突き破って不屈に闘い、アジア、アフリカ、中南米でも、「もうがまんできない」という闘いが沸き上がっています。
 これらの闘いと一つのものとして、11・6東京-11・12ソウルを頂点とする国際共同行動が大高揚しました。

3.安倍政権を倒そう
 トランプの勝利で、安倍政権は危機と凶暴化を一層深めています。TPP(環太平洋経済連携協定)は完全に破産しました。「働き方改革」と称してすべての労働者を非正規にし、労働者民衆に犠牲を押しつけて資本の延命を図っています。
 こんな安倍政権を倒す時が来ました。韓国の闘いが実証したように、闘う労働運動、とりわけ国鉄労働者が立ちあがった時、情勢か一気に動きます。100万人、1000万人が立ちあがる目の前にあります。
 東京都知事・小池に対して、「何が都民ファーストだ」という怒りが沸き上がっています。いよいよ本性を露わにする小池に対して、都労連労働者の怒りが噴出しています。
 大恐慌下、全世界に吹き荒れる新自由主義攻撃と対決する労働者、労働組合のゼネストが全世界的な革命へと爆発的に発展する時代が幕を開けました。

[4]星野闘争の歴史的意義
 星野闘争は、国家権力と真正面から闘い、星野文昭さんを奪い返す闘いと改憲・戦争を打ち破る闘いを一体に推進するものです。
 新自由主義攻撃は、闘う労働組合を破壊し、労働者階級の階級的団結を解体することを核心に据えています。新自由主義による外注化・非正規化は労働過程そのものを破壊し、人間社会の共同性を根底的に崩壊させます。
 動労千葉は国鉄分割・民営化に対して絶対反対を貫き、外注化・非正規化攻撃を打ち破って団結を守り抜いてきました。この地平が韓国民主労総との国際連帯をつくり出し、世界の労働組合と労働者階級に未来を切り開く展望を示しています。
 星野さんが獄中で貫いているものは、労働者階級の団結です。星野さんは階級的労働運動と固く一体で闘っているのです。その根底にあるのは労働者階級への無限の信頼です。
 星野暁子さんは86年に獄中結婚して以来、30年間、一心同体で闘いぬいています。この二人と共に、家族の皆さんも必死で闘っています。
 星野闘争は、100万人と結びつき、100万人の決起を生み出すことができる闘いです。星野闘争は、動労総連合建設を基軸とする階級的労働運動と一つになり、それをさらに大きく押し広げる力を持っています。星野闘争によって全国に拠点をつくり、100万人が決起する運動をつくり出そう。
 今日、沖縄は基地の島であると同時に非正規の島とされています。これを根底的に打ち破るために労働組合の拠点をつくるための闘いが必死で展開されています。星野闘争はこれと一つになり、沖縄を国際連帯の拠点にするための決定的な位置を占めています。

[5]再審闘争
 再審闘争は国家権力と激突し、裁判所、検察庁を追い詰めています。
 10月5日、再審弁護団会議は、新たに着任した合田悦三裁判長らと面談し、三者協議の開催と11人の現場目撃者の供述調書を開示するよう強く申し入れました。
 11月18日には、今年3回目となる署名提出行動を行いました。
 第2次再審請求・異議審の最大の焦点は、11人の民間目撃者の供述調書を始めとする全証拠の開示です。捜査機関が集めた証拠は、検察官の私物ではありません。都合の良い証拠だけを法廷に提出し、無実の証拠を隠すことを絶対に許すことができません。
狭山闘争においては、石川一雄さんの無実を証明する「下山鑑定書」が東京高裁に提出されました。50年目にして開示されたインク瓶によって、石川さん宅から発見されたとされる万年筆が被害者のものではないことが証明されました。

[6]2017年総決起へ
1.100万人の運動をつくろう
 安倍政権が進める戦争と労働法制破壊を打ち破る100万人の決起を実現しよう。
 韓国のゼネストは、階級的に闘う労働組合が中軸に座ることで100万人の決起がかちとられました。その先頭に立ったのは鉄道労働者の無期限ストライキです。
 日本における闘いは、壮大な決起の時を迎えています動労千葉、動労水戸、動労総連合の闘いを全国に広げ、広範な労働者民衆の闘いを組織すれば、必ず安倍政権を倒せます。
 星野闘争はその先頭に立ち、階級的労働運動と固く一体で闘おう。100万人の決起で安倍政権を倒し、星野さんを取り戻そう。
 『星野新聞』と絵画展をさらに拡大して全国に星野救援会をつくり、階級的労働運動と共に前進しよう。

2.100万人の署名
 全証拠開示・再審無罪を求める100万人の署名を今こそ実現しよう。
 第一に、自分の職場、自分の労働組合で100万人の署名を訴えよう。
 第二に、全国の救援会がそれぞれの地域の労働組合に働きかけよう。あらゆる労働組合に突撃し、全国に闘う拠点を建設しよう。
 第三に、市民運動、救援運動などあらゆる運動団体に訴え、1000万人の労働者民衆と結びつこう。
 その力で、徳島刑務所、国家権力と裁判所を圧倒的に攻めぬこう。
 DVD『獄中41年を打ち破ろう』の視聴会を全国で開こう。

3. 無実の星野さんを今すぐ出せ
 星野さんに対するでっち上げ無期懲役、42年もの投獄には、一片の正義もありません。「無実の星野さんを今すぐ出せ」と100万人の労働者民衆が安倍政権に迫り、絶対に星野さんを取り戻そう。
 この闘いに恐怖した権力は、星野さんと共に闘った大坂正明さんに対して「300万円の懸賞金」をつけ、許しがたいキャンペーンを展開しました。9月の全学連大会に対して警視庁公安部がめちゃくちゃな暴行を働きました。しかしこんなものは、闘いの前進に追い詰められた悲鳴でしかありません。
 国家権力の反動を100万人の闘いで打ち破ろう。

5.奥深山幸男さんの生きる権利を守ろう
星野さんと共に闘った奥深山幸男さんは公判途中で発病し、免訴=裁判の打ち切りを求めて闘っています。
 裁判所、検察庁との闘いを強め、奥深山さんの生きる権利を守ろう

6.2・17徳島刑務所闘争へ
 今年2月19日の面会要求と申し入れ闘争の際、「星野さんを取り戻すまで、何回でも徳島刑徳島刑務所に行く」と確認しました。
 来年2月17日、2回目の面会要求と申し入れ闘争を行います。
 全国から徳島に集まり、星野文昭さんと団結しよう。その力で、星野文昭さんを取り戻そう。
2017年の総決起で星野文昭さんを奪還しよう。

        以上
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