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8・27第2回口頭弁論
徳島刑務所の隠ぺい許すな
国は真実を明らかにせよ

8・27報告集会 弁護団発言(要旨)日比谷図書文化館のコンベンションホールはこちらから

 8月27日、星野国賠訴訟の第2回口頭弁論が開かれ、本格的な攻防が始まりました。29日には大坂正明さん救援会が結成され、さらに30日には星野再審連絡会議の全国総会が行われました。安倍政権が労働者民衆の怒りで打倒された情勢の中で、全国運動の論議を深め、新たな飛躍をかちとりましょう。
 8月27日、東京地方裁判所民事第14部(伊藤正晴裁判長)で星野国賠第2回口頭弁論が開かれました。
 この訴訟の原告は星野暁子さん( 妻)、治男さん(兄)、修三さん(弟)です。被告は国(直接の行為者は徳島刑務所と東日本成人矯正医療センター)です。徳島刑務所と医療センターが昨年5月30日に星野文昭さん(享年73)を獄死させたことの真相を解明し、責任を取らせるための裁判です。
 口頭弁論に先立つ8月7日に、被告・国は訴状に反論する「準備書面(1)」を出してきました。その内容は、徳島刑務所、医療センターに責任は一切ないと居直る許しがたいものです。
 星野さんが2018年8月22日に激しい腹痛で倒れて以降、心配する家族・弁護団・救援会は、倒れた原因や食欲不振、体重減少の原因は何かを解明するための精密検査を何度も求めてきました。しかし徳島刑務所は拒否し続けました。年が明けた3月1日、やっと腹部エコー検査を行い、肝臓に巨大な腫瘤(しゅりゅう)があることを発見しました。同時に行った血液検査は、肝細胞がんに関するマーカーが異常な高値を示し、この時点で星野さんが肝臓がんに侵されていることは明白でした。
 しかし徳島刑務所は、その事実を星野さん本人にも家族にも、仮釈放審理を行っていた四国地方更生保護委員会にも伝えませんでした。3月15日には更生保護委員会の井坂巧委員長が星野さんと面接し、25日には仮釈放を許可しないと判断しています。仮釈放審理にあたっては心身の状況を考慮することが義務づけられています。徳島刑務所の行為は極めて不当であり、悪質です。
 弁護団は口頭弁論に先立って、3月1日以降の徳島刑務所の行為にしぼった「求釈明申立書」を提出して、被告・国に回答を求めました。
 徳島刑務所が星野さんにエコー検査の結果を伝えたのは4月17日で、医療センターに移送したのは翌18日でした。訴状ではその点を「エコー検査後約1か月半以上、何らの医療上の措置をとることもなく放置し続けた」と徳島刑務所の違法を弾劾しました。
 被告「準備書面(1)」は、徳島刑務所は「医療センターとの移送協議に係る準備」を行っていたと言い訳をしています。しかし、具体的な行為は何一つ書いていません。4月17日の移送告知までまったく空白なのです。弁護団はこの一点に絞って、第2回口頭弁論の前に「求釈明申立書」を提出しました。被告は、誰が、いつ、何をしたか釈明せよというものです。
 法廷で釈明を求める弁護団に、被告・国はのらりくらりと回答を避けていましたが、弁護団の論理的な追求に、裁判長も答えることを促し、9月25日に回答すると言わざるを得ませんでした。
 被告・国は、星野さんの肝臓に腫瘤を発見しながら、そのことを更生保護委員会に通知しなかったことを認めました。これは重大です。刑務所長は受刑者の心身の状況に変動が生じた場合には更生保護委への通知が義務づけられています。
 2019年3月は、更生保護委員会の井坂巧委員長の面接があり、仮釈放を許可しないと判断した重要な時期です。この重要な時期に報告しなかったのです。
 弁護団は、この点を徳島刑務所の義務違反として追加し、訴訟内容を拡張することを通告しました。
 終了後、日比谷図書文化館のコンベンションホールで報告集会が開催され、弁護団から裁判の内容について詳しい報告を受けました。
 裁判開始前には、裁判所前に駆けつけた仲間が星野暁子さんを先頭に街頭宣伝を行ないました。

星野新聞第106号 掲載