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星野解放へみなぎる熱意
議員もかけつけ院内集会
無期の終身刑化許すな

糸数慶子参議院議員 大島九州男参議院議員  古畑恒雄弁護士講演
星野文昭さんが集会に寄せたメッセージ 星野暁子さんの院内集会発言(要旨)

星野文昭さんの仮釈放を求める闘いがぎりぎりの局面を迎える中、参議院議員会館で開かれた「無期刑の終身刑化を考える院内集会」に170人が集まった。古畑恒雄弁護士の講演や国会議員の発言を受けて、会場には星野さん解放の熱意があふれた。国連の人権理事会への告発と外国特派員協会での記者会見、ほらぐちともこさん当選に向けた杉並絵画展と一体で闘って全国で要望書を集め、今こそ星野文昭さんをとり戻そう。

 3月19日午後、参議院議員会館において、「無期刑の終身刑化を考える院内集会」が開かれました。主催は、星野・全国再審連絡会議と救援連絡センターです。座りきれないほど会場を埋めた170人の参加者は、今こそ「奇跡」を起こして星野文昭さんを取り戻そうという熱い思いにあふれました。
 集会冒頭、共同代表の狩野満男さんが主催者あいさつに立ち、「2月と3月に更生保護委員による星野さんへの面接が行われ、仮釈放審理は最終段階に入りました。無期懲役の終身刑化に終止符を打ち、星野さん解放をかちとろう」と訴えました。救援連絡センターの山中幸男事務局長は、「私も70年闘争を闘いました。44年の拘束など許されないことです。星野さんを一日も早く取り戻すための集会にしよう」と呼びかけました。
 再審弁護団の藤田城治弁護士が仮釈放をめぐる状況について、「諸外国と比べても日本の現状は劣悪です。また、審理の過程があまりにも不透明です。これを打ち破るために、家族や救援会の皆さんと一緒に、更生保護委員会に13回に上る申し入れを行って来ました」と報告しました。

 
運用による無期の終身刑化許せない

 古畑恒雄弁護士が「無期懲役の終身刑化を考える」というテーマで1時間近く講演し、会場からの質問にも答えました。
 古畑弁護士は、法務省保護局総務課長と保護局長を約4年間務め、刑事施設出所者の社会復帰のために「寄り添い弁護士」を提唱し活動してきた豊富な経験に踏まえて、日本における厳罰化の状況や無期懲役の終身刑化を弾劾しました。古畑講演はこちらから
 講演の途中で、委員会の休憩時間に駆けつけた大島九州男参議院議員があいさつを行いました。会議室を手配した大島議員の「部屋が狭すぎて申し訳ない」という発言で会場に和やかな空気が流れました。
 講演を受けて参加者から質問が出されました。ジャーナリストで通訳の女性が「星野さんの件は故新崎盛暉さんから知らされたが、何故日本では検察官の権限がこんなに強いのか」、三多摩の仲間が「どうして保護委員が申し入れに出てこないのか」などと質問しました。
 糸数慶子参議院議員が「星野さんは沖縄のために闘って長期の獄にあることから何としても解放するために力を尽くす」と熱い思いを述べ、駆け寄った暁子さんと固く握手しました。
 星野文昭さんのメッセージ紹介の後、星野暁子さんといとこの誉夫さんが家族からの訴えを行いました。暁子さんは、「無期懲役の終身刑化を変えていくためにはマル特無期をなくし仮釈放の権利性をはっきりさせる制度が必要」と訴え、さらに自らが無期囚の星野さんと結婚した思い、手も握ることができない残酷な現実を乗り越えて二人の愛を育ててきたことを語りました。最後に、「文昭は昨年夏の猛暑で倒れて以降、まったく回復していません。無期懲役32年、獄中44年を打ち破って解放するためにご協力をお願いします」と訴え、参加者全員が拍手を送りました。
 共同代表の戸村裕実さんが閉会のあいさつを行い、「無期の終身刑化を阻止する闘いが星野さんの44年の闘いに応えるものであり、古畑弁護士の話しでも、この間の闘いが更生保護委員会を変えさせる可能性を持っていると励まされました」と感謝を述べました。
 星野さんの仮釈放を何としても勝ち取ろうと固く誓って閉会しました。
一緒に最後まで闘います
糸数慶子参議院議員
 
 実はこの集会と同じ時間に、辺野古の新基地を許さないという県民投票の結果を受けて、玉城デニー知事が安倍首相にお会いしています。県知事選以上に取った40万票以上の辺野古新基地反対という意思を無視して、今月の25日からまた新たな土砂投入工事が始まるということで、防衛省、外務省、内閣府と省庁交渉をしておりましたが、ジュゴンが昨日、今帰仁(なきじん)村という所で死んだ状態で浮き上がってきたことにも一切答えられない、そんな政府です。
 死刑制度に関して、法務大臣が変わるたびに質問していますが、まったく無視したような答弁が返ってきます。終身刑の制度も変えていきたいと、イギリスとかに行ってまいりました。
 星野さんに対して、本当に一日も早く仮放免されるべきだという思いを持ち、まったく罪のない方を40年以上も拘束するというこの国に対する怒りをもって、皆さんお集まりだと思うんですが、私も毎回、委員会で皆さんと同じ思いをもって質問に立っています。
 星野さんは、沖縄のことを一生懸命やっていただいてこういう状況でございます。沖縄の問題もまさに差別をされて、人権を無視されている状況に改めて怒りを覚えます。皆さんと一緒に最後まで闘うことを申し上げて、ごあいさつとさせていただきます。


 思いを全力で届けます
大島九州男参議院議員
私は部落解放同盟・松本治一郎先生のお孫さんである松本龍先生と国会で仕事させていただいておりましたので、石川一雄さんの問題、冤罪や死刑問題、いろんな人権問題に取り組んでまいりました。
 今回も星野さんのお話をいただき、私どもでできることは一生懸命させていただくという思いです。皆さんの思いをしっかりと届けさせていただくべく頑張りますので、よろしくお願いします。


  
星野文昭さんが集会に寄せたメッセージ
 無実なのに無期31年、獄中44年がこの世の中で許されないことはもちろんですが、無期刑の終身刑化が何の確かな根拠もなく行われ、本来なら仮釈放の対象になる者がほとんど獄死を強いられていることがこの世の中でまかり通っていることも許されるものではないと思います。
 今回の古畑恒雄弁護士をお呼びしての院内集会が、無期受刑者と世の中に新たな光をあてるものになることを心から願っています。

  星野暁子さんの院内集会発言(要旨)
早く解放して医者に診せたい
 古畑先生のお話をお聞きしながら、無期刑の終身刑化を変えていくには、マル特無期をなくし、仮釈放の権利性がはっきりと示される制度に変えていくことが必要だと思いました。
 星野文昭の仮釈放は、3月14日に2度目の更生保護委員会の委員による面接がありました。やれることは全部やって、奇跡をおこして仮釈放を勝ち取りたい。
 文昭は無実の政治囚です。私は33年前に文昭と獄中結婚しました。裁判で「全ての人間が人間らしく生きられなければ、自分も人間らしく生きることはできない。そんな社会のために自分の生を貫きたい」と話したことに強く引かれました。好きになったのです。文通し面会に行くようになり、両親を説得し2年後に籍を入れました。
 愛しあいながら指1本触れられないというのは辛いです。ヘルペスになった文昭は、自分の傷ついた体の全部を見せてくれました。感動しました。それから私たちは愛のためにやれることは全部やりました。
 文昭は昨年夏に異常な暑さで「胃ケイレン」で倒れて以来、食欲不振が続き、体重が激減し、回復していません。1日も早く文昭を解放して、信頼できる医者に診せたいと思います。よろしくお願いします。


   星野新聞第74号 掲載
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