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「生命の問題だ。なぜ委員が出てこない」
角田義一氏が迫力の弾劾

第 11 回 申 し 入 れ
要望書は1362通(累計14235通)を提出しました

 11月14日、星野暁子さんといとこの誉夫さん、再審弁護団、角田義一弁護士(元参議院副議長)ら12人は、四国地方更生保護委員会に対し星野文昭さんを直ちに解放しろと徹底的に迫りました。①星野さんの健康状態を調査し仮釈放審理の中心にすえろ ②不当極まる懲罰を仮釈放拒否の理由にするな ③委員は家族と直接話をしろと詰め寄ると、対応した磯久隆夫調整指導官は「伝えます」と回答せざるをえませんでした。さらに「請願はだれでも認めます」と言明。力関係を転換させる圧倒的な闘いの打ち抜きです。次回12月26日へさらに進もう。

 最初に、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議共同代表の狩野満男さんが、1362人分(累計1万4235人)の「要望書」を提出しました。今回は韓国民主労総や大邱(テグ)の「民衆行動」から届いたもの、高崎経済大学の同窓生有志の会で集められたものが多数含まれています。また、アメリカの救援活動家キャロル・セリグマンさん、ブラジル・コンルータスからの要望書も提出されました。
 前日に星野文昭さんと面会した暁子さんが「文昭は過酷な労働と夏の酷暑で体調を崩し4キロ痩せました。2キロ回復しましたが、まだ食欲がありません。他に持病もあり、安心して検査を受け治療に専念するためには、獄外での自由な生活がどうしても必要です」と訴えました。いとこの誉夫さんも「1日も早く仮釈放された文昭と自由な会話を楽しみ、残された人生を過ごしたい」と請願しました。
 続けて、佐渡教会牧師の荒井眞理さん、新潟教会牧師の神崎典子さん、高知から来られた小西文江さんが「キリスト者として見過ごせない命と人権の問題です」と涙ながらに訴え、札幌で署名活動していた星野さんの母美智江さんとの出会いも語りました。
 さらに、大阪の太田真美弁護士が「星野さんへの懲罰はいじめ。仮釈放審理で不利に働かせないように」と申し入れ、全国水平同盟の佃久子さんが「石川一雄さんも星野さんも権力犯罪」と、星野さんへの募る思いを語りました。
 岩井信弁護士が星野さんへの懲罰の実態を明らかにし「懲罰の回数だけ一人歩きさせ、仮釈放を認めない理由にしないように。きちんと調査すべき」と言い、「星野さんの帰住先は極めてしっかりしており、仮釈放にしない理由は全くない」と訴えました。
 最後に角田義一弁護士が更生保護委員会をすごい迫力で弾劾しました。「星野君の関係書類を全部読んだ。44年の投獄は『残虐な刑罰』であり、憲法上許されない。懲罰は拷問だ。星野君の健康問題を調査し仮釈放審理で中心にすえろ。生命の問題ではないか。なぜ委員が出て来ないのだ。私がどなっていたと委員に伝えろ」と言うと、磯久氏は姿勢を正して「伝えます」と答えた。鈴木達夫弁護士が「星野さんの健康が悪化したらだれが責任とるのか、知らなかったではすまされない。私たちも命がけだ」と言いました。
 最後に香川の救援会が「11月25日に高松市で今年2回目の全国集会を行い、新聞広告も出します。星野解放は労働者民衆の声です」とつきつけました。
 昨年7月から11回に及ぶ申し入れ行動を闘い、ついに星野解放闘争の新たな局面を開きました。次回申し入れは12月26日です。星野さんの仮釈放の決定を求め、団結して闘おう。

 角田義一氏申入書(抜粋)
    獄中44年は憲法違反

 憲法36条は「公務員による拷問および残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」とあります。無実を叫び、再審を求めている者を44年間も不当な拘束を続ける現在の状態こそ、まさに憲法が禁じている残虐な刑罰そのものではないか。星野君は既に72歳を超え、体調不良を訴えている。さらに服役中の些細な出来事についていたずらに懲罰を加え、いじめを行っていることは許されない。しかも、本人に対し改悛の情を求めることは不遜、理不尽であり、絶対に許されるものではない。星野君をこのまま拘禁を続けることは、明らかに憲法違反である。
 今問われているのは、この国が「人間の尊厳」というものをどう考えているのかであります。「更生保護委員会」の決断は、国際社会からも注目されていることを認識されるべきだ。
 星野君の仮釈放の要請は燎原の火の如く燃えさかっている。多くの要請書や絵画展を鑑賞した人々の感想文をお読み頂いたか。「民の声」は「天の声」であると思う。委員各位が明鏡止水の心境で一日も早く仮釈放の決定を下されることを切望する。
 荒井眞理氏請願書(抜粋)
    誠意もって仮釈放審理を

 佐渡の社会には真摯(しんし)に人権問題を理解し、解決しようという社会正義に基づく意思をはっきり見て取ることができます。そして更なる広がりが期待できると同時に星野さんの仮釈放に関する理解もこの流れの中にあります。
 そして元機動隊員のご遺族、ご親族に星野さんの真実の姿を理解して頂きたいと思っています。ご遺族は事件について説明を受けたことがないようですが、最も重要なことは、元機動隊員は星野さんによって意図して殺害されたのではないことを知っていただくことです。それがご遺族の感情への真の救いとなります。最終的にはその事実を星野さんご自身が語り知らせることが最も望まれます。
 私たち佐渡の市民社会は、星野さんご自身と亡くなられた元機動隊員のご遺族の両者のために星野さんの仮釈放を真に願い、すべての問題解決に誠意をもって努める意志と用意があることをお約束いたします。
[請願事項]徳島刑務所に無期刑受刑中の星野文昭さんの仮釈放審理を、誠意をもって進め、一刻も早く仮釈放を実現してください。
 弁護団意見書(抜粋)
    懲罰だけ局所的に見るな

 星野氏は30年を越える受刑生活の中で、6回懲罰を受けています。しかし、いずれも刑務官に対する反抗的態度等が問題にされたものではなく、他の受刑者とトラブルになったものでもなく、刑務所の秩序、運営等に影響を与えたものではありません。粗暴な態度でもありません。これらの懲罰の対象となった行為をみると「改善があったと認められる客観的状況」に反するものではなく、これらから「再犯の恐れ」が見受けられるものでもありません。
 足を拭いたタオルを洗ったり、ゴキブリを踏んだ足を洗ったり、ぜんざいを入れ歯容器で冷ましたりすることは、日常生活の中で、私たちが当然のようにしているささいな行為にすぎません。その行為の内容、性質からしても、意図的に刑務所のルールに反抗的態度
を取ろうとしているものでもありません。
 本年5月の懲罰も、お菓子を夕食後も食べることができると勘違いをして食べていたとして懲罰を受けたものです。仮釈放の審理においては、懲罰だけを局所的に見るのではなく、全体の経緯の中で理解するよう要請します。
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