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第6回国賠裁判 怒りのデモ
獄死居直る国を許すな



 星野国賠訴訟は重要な攻防過程に入りました。被告・国は星野文昭さん獄死に責任はないと全面的に居直っています。菅政権によるオリンピック強行とコロナ感染拡大に大きな怒りがわき上がっています。2021年全国総会を成功させ、星野さんの意志を継ぐ闘いを全国で発展させましょう。
 6月28日、東京地裁民事第14部において、星野国賠訴訟の第6回口頭弁論が開かれました。新たに村主(すぐり)隆行裁判長が着任し、次回9月9日に、星野暁子さんと弁護団が更新の意見陳述を行うことになりました。

 終了後、日比谷図書文化館で報告集会が開かれ、岩井信、土田元哉、和久田修の各弁護士が当日の訴訟について報告し、参加者は星野文昭さん獄死が国家犯罪であることを改めて確認して、怒りを燃やしました。その後、日比谷公園霞門に移動した50人の参加者は全学連を先頭に法務省弾劾デモを行いました。
 裁判に先立つ裁判所前街宣には首都圏から20人が参加しました。


精密検査拒否弾劾

 被告・国が提出した「準備書面(6)」は、徳島刑務所にも東日本成人矯正医療センターにも星野さん獄死の責任はないと主張する許しがたいものです。
 2018年8月22日、星野さんは激しい腹痛で倒れました。徳島刑務所の医師は「胃けいれん」と言い、1日病舎で休ませただけでした。その後も続く食欲不振と体重減少を心配した家族や弁護団が何回も精密検査を要求したのに、これを拒否したのです。「準備書面(6)」は、「あらゆる急性腹症について、血液検査や腹部エコー検査等を実施しなければならない法的義務が認められるわけではない」と居直っています。
 精密検査を行っていれば、肝臓がんはもっと小さな状態で発見され、はるかに安全に手術を行うことが可能でした。翌年3月1日の腹部エコー検査の時、肝臓がんは11×14㌢という巨大さになっていたのです。

ショック状態否定
 医療センターは、肝臓右葉切除という大手術を受けて出血性ショックに陥った星野さんを放置しました。
 そもそも医療センターにはこれほど巨大な肝臓がん切除手術を行う能力も体制もありません。外部から執刀医を呼んで手術を強行し、執刀医は手術が終わるとさっさと帰ったのです。
 被告・国は、医療センターが「本件手術をするに適切な施設」と言い、「本件手術後の急変に備えて十分な術後管理体制を整えていた」と強弁しています。
 星野さんは6時間の手術中に4300㍉リットルも出血し、血圧が一時40まで下がりました。輸血と昇圧剤でなんとか回復しましたが、手術後は血圧が64まで下がりました。意識の混濁が始まり、「白い馬が何頭も見える」と発語しています。午後7時以降、血圧は一度も90を回復せず、尿量も減って、極めて危険な出血性ショックに陥りました。この段階で適切な救命措置を取れば命は救えたのに、執刀医や主治医を呼び戻さず、星野さんを放置したのです。その正当化のために、出血性ショックに陥っていたことを否定してきました。
 星野さんのお腹の中で再出血している兆候は明白で、ただちに再開腹と止血が必要でした。しかし、それをできる医師が医療センターにはいなかったし、執刀医に電話一本かけませんでした。これらを居直り、「ショック状態にあったと一概に言えるものではない」と言い、再開腹していれば「生存していた高度の蓋然(がいぜん)性が認められるとはいえない」と開き直っています。

全国総会の成功へ 8月29日、2021年全国総会を開催します。
 その前日に大坂正明さんの無罪・釈放をかちとるための集会が行われるので、二つを一体で成功させましょう。
 今年は、1971年11月14日の渋谷闘争から50年になります。星野文昭さん、大坂正明さん、奥深山幸男さんらの闘いを一体でとらえ返し、星野闘争を全国で発展させましょう。
星野新聞第117号 掲載