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4・4国賠第1回学習会 藤田城治弁護士が講演
熱い討議で訴訟の内容を深める
逃げ回る国を求釈明で追及


藤田城治弁護士の講演を熱心に聞く参加者(4月4日 渋谷勤労福祉会館)
 4月4日、渋谷勤労福祉会館(東京都)に40人が集まり、藤田城治弁護士が講演する星野国賠第1回学習会が開催されました。
 冒頭、狩野満男共同代表は「星野国賠に勝利する全国運動の一環としてこの学習会を企画しました。2カ月に1回ぐらいのペースで開催し、運動を拡大していきたい。また、絵画展等で初めて出会う人たちに、いかに理不尽な形で星野さんは獄死させられたのか話せるように、学習会を通して私たち自身が力をつけていきたい」と挨拶しました。
 講演の後の質疑応答では9人の参加者から、「血圧が急激に下がった時に、星野さんを近くの大きな病院に送ることは出来なかったのか」「法廷で被告席に座っている人たちはどういう資格、身分か」等々、想いのこもった質問が相次ぎました。学習会に参加された「星野国賠に勝利する全国運動」呼びかけ人の金元重さんは、「簡にして要を得た講演と、それにも増して、次から次へと出てくるすごい質問に、星野さんの無念を晴らすためにこの国賠に必ず勝つという鬼気迫るような雰囲気を感じた」と述べられました。
 第5回口頭弁論期日(裁判)が4月22日に迫りました。弁護団は国のごまかしを徹底的に批判する原告第3準備書面を提出します。是非、傍聴闘争・法務省弾劾デモにご参加下さい。


 藤田弁護士の講演の要旨

 民事の裁判は刑事の法廷と違って序盤戦はお互いの主張と証拠をぶつけあう段階が比較的長く続きます。その書面上のやり取りが、恐らく年内一杯は続くのかなと思います。お互いの言い分が出尽くしたところで、証人尋問が行われます。証人尋問には星野暁子さんにも出てもらうことになりますが、後は東日本成人矯正医療センター側の主治医とか、刑務所側の関係者が証人になると思います。これらは恐らく来年になると思います。
 裁判は、原告側で主張する回、次は被告側で主張する回という形で、1回1回キャッチボールみたいに進んでいくのが普通ですが、星野国賠に関しては、被告側主張の第2回法廷で、私たち原告側も求釈明の申し立てをしました。そして第4回でも、被告準備書面(3)が出された同じ期日に、原告第2準備書面(求釈明)を出しました。
 国は私たちの主張に反論しますが、言及してしかるべきところを答えないので、一体どうなっているんだと質問を出している訳です。要するに国側は逃げています。つまり、星野さんの巨大ながんを見逃したという厳然たる事実は動かしようがない訳です。だから、肝心な事実を隠して、ごまかして、しょうがなかったんだということを、結構繰り返しています。そこでわれわれは求釈明を出して答えさせるという形で進んでいるのが、星野国賠の特徴かなと思います。

一般と同じ医療を
 今回の訴訟は、大きくは徳島刑務所と医療センターの2つの責任を問うている訳ですが、全体としては医療過誤の問題をやっています。行うべき医療は施されていたのかどうか、ここがポイントになってきます。
 この問題に関して国の主張は、刑事施設だから出来ることには限界がある、刑事施設の中で出来ることをやっていれば良いんだ。一般の水準より下がるのはしょうがないんだと、はっきりとは言いませんが、言っていることはそれに等しい訳です。それに対してわれわれの主張は非常にシンプルです。「被収容者の健康を保持するため社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講じるものとする」という法律(刑事収容施設法第56条)があります。これを守れ、社会一般と同じ医療を提供せよということです。
 今は事実経過を争っていますが、ゆくゆくは法律上の問題点としてここが大きく争点になってくるところです。だから、「一般の病院と同じことをやりなさい」と、口酸っぱく言っていかねばなりません。
 国が逃げに走り出したというのは、良いところを追い詰めているということかと思いますので、そこは逃がさず、国の責任を追及していきたいと思います。

星野新聞第114号 掲載