星野文昭さんのメッセージ |
2011年全国総会への星野文昭さんのメッセージ 2011年6月24日 多忙のなか、皆さんの全国からの総会参加、ありがとうございます。暁子、家族共に、心から感謝しています。今回の総会は、全国の取組の広がりの力とついに獲得した無実の物証・一郎丸写真によって、皆さんと共に、再審無罪・釈放を実感できるなかで迎えることができました。 この一年、一つにつながった一人一人の熱意によって、労組オルグ、街宣・詩画展、学習会・例会等の諸活動によって署名・会員の拡大をかちとり、5・28北部の会結成をかちとり、労働者、農民、市民、人民、沖縄、三里塚、ヒロシマ・フクシマなどの闘いの場に星野の旗がひるがえり、一つの大きな力になり、そのなかで証拠開示によって一郎丸写真という無実を証明する決定的物証をかちとって、再審無罪・釈放の展望を大きく開いています。この地平に確信を深め、さらに取り組みを強め、再審無罪・釈放を、未来を大きく開く全体の運動の前進と一つに、必ずかちとりましょう。 大地震・原発事故への怒りが燃え広がっている 今年の総会は、3・11大震災・原発大事故によって情勢が大きく変わるなかで迎えました。大地震・大津波は天災でも、それによる大きな被害は、資本・国家による地方・安全切り捨てによるものですし、救援を後回しにした治安優先が被害をさらに拡大しました。そして福島第一原発の大事故は、資本・国家がその危険を百も承知しながら、その利益のために「安全・クリーン・安価」のデマによってまともな大地震・大津波対策も、大事故対策もせずに原発推進を強行したことによって引き起こされ、大地震・大津波・メルトダウン・水素爆発という最悪の事態によって、大気・海・地下に既にチェルノブイリの7分の1の放射性物質を放出し止まることを知りません。このことによって被災地はじめ労働者、農漁民、人民の生活を根こそぎ破壊しています。 それは、資本・国家による犯罪以外の何ものでもありません。それを許した私たちの責任を感じずにいられません。にもかかわらず資本・国家は「復興」「挙国一致」をかかげ、その責任をとらないばかりか、消費税・大衆増税による「復興事業」の利権を食い物にし、震災恐慌・解雇を強制しつつ、経産省を先頭に原発を推進して、今日の大恐慌下で労働者人民に犠牲を集中して資本・国家の延命をはかる新自由主義を、連合・体制派の屈服で一層全面化しようとしています。 このことへの根底的怒りが、福島・宮城、東北から全国へ反失業・反原発-被災救援、新自由主義粉砕の闘いとして燃え広がっています。 そして、動労千葉・階級的労働運動、三里塚・労農連帯はじめ私たちの闘いが、その怒りと闘いと一層結びつき解き放つことを防ごうとする資本・国家の弾圧が、関生、三里塚弾圧です。しかし、こんな姑息な弾圧など打ち破って、怒り・闘いは爆発するし、それを押し止めることは出来ません。 星野無期を覆す闘いの広がり そして、そのことと一つに、70年と今日の闘いを圧殺しようとする星野無期を覆す闘いが、今日、23の救う会として広がり、労働者人民のなかに、星野のように、どんな弾圧にも屈せず、自らと全ての労働者人民の解放のためにどこまでも闘おう!という闘いとして広がり、闘われています。 そして、そのことを力に、ついに、証拠開示によって、殴っていなかったという無実を示す物証・一郎丸写真を獲得し、殴っていた等の供述は虚偽であり、供述は誘導・強制されたものという公判証言こそ真実であることを明らかにすることで、再審無罪・釈放をかちとる地平を大きく開いています。 一郎丸写真は、当日、阻止線を突破し、先頭に立って再結集するため中村巡査殴打現場を横に見て十字路に至り、そこを離れて直後の東急本店前を右に折れる私の姿を鮮明に写しています。そこに、白い紙の巻かれた棒(鉄パイプ)が鮮明に写っています。重要なのは、その鉄パイプに巻かれた白い紙に、長い時間持ち巻いている先の方が緩み膨らんでより破れやすくなっているその紙に、殴れば残る破れ破損といった痕跡が全くないことが一目瞭然だということです。これを鑑定などによって、動かし難い裁判上の物証とすることについては弁護団から話されると思いますが、私が一貫して主張している通り殴っていないこと・無実を示す物証を私たちはついに手にしたということです。 このことによって、私が殴っていたところを見たという供述は全く信用できず、逆に、目撃していなかったにもかかわらず、目撃していたように誘導・強制されたと具体的に詳しく証言した彼らの公判証言こそが信用でき、したがって検察調書の特信性は無いということが明白になりました。確定判決が根拠とした証拠価値が全く逆になり、有罪とする根拠が全く無くなり、無罪とする以外になくなった、ということです。 速やかに再審を開始し、釈放せよ 加えて、この殴っていなかったことを示す一郎丸写真によって、先の最高裁決定における証拠評価も全く違ったものになります。 決定は、当日の私の服装を最終的に私たちの主張通り、薄青であったことを認めました。しかし、Krの「きつね色の人物が殴っているのを見た。当日、星野が同様の服を着ていたので、それは星野だった。」という供述について、Krは、後姿や声でもその人物が星野だったと供述しているので、そのことから星野の当日の服の色がきつね色だったという記憶が誤っていたのであって、後姿や声についての供述によって、殴っていたのは星野であるということまでは動かないとしています。 しかし、一郎丸写真によって、この星野が殴っていたという供述全体が、否定されました。そもそも、Krが供述・公判証言で一貫して主張していることは、「きつね色の人物が殴っているのを見た」ということです。そして、その人物が誰かという詰問のなかで「当日、星野が同じ服を着ていたので、その人物は星野だ」と供述した。その人物の後姿を見、声を聞いているだけで顔を見たわけではなく断定しがたがったが、それが星野だと供述したというものでした。そして、公判廷で、自分が殴っているのを見たきつね色の人物が星野で、星野が殴っていたと断定できることではないけど、自分が目撃した人物について、知っている名前を当てはめる形で供述したと述べています。 一郎丸写真という、私が殴っていなかった物証の出現によって、真実は明らかになりました。Krが目撃したのは、きつね色の人物が殴っていたということ以外のなにものでもなく、最高裁決定が認めたように、当日の私の服が薄青である以上、そのKrが殴打しているのを目撃した人物は私ではない。その殴っている人物の顔さえ見ていず、後姿、声というそもそも曖昧な事象でそれが星野だったという供述も、その殴っていた人物がきつね色であって、当日の私の薄青と違い、当日の私が手にもっていた鉄パイプに殴った痕跡が無い以上、その後姿、声も私のものではありえない。このことによって、それらのKr供述は、Krが公判証言で述べているように、誘導され強いられたものと言うべきものだったのです。したがって、確定判決が拠り所とした検察調書の特信性も無いのです。 このように、私が殴った痕跡が全く無い一郎丸写真によって、他の新証拠、鑑定書と共に、新旧証拠を総合的に評価すれば、私が殴った、火炎ビン投てき命令をしたという供述に信用性はなく、逆にそれらの供述が誘導、強制されたものと具体的に詳述している公判証言に信用性があり、したがって検察調書の特信性も無い。確定判決に根拠が無い以上、速やかに再審開始を決定し、無罪とし、釈放せよ、ということです。 このことをあらゆる場に持ち込み、闘う労働者人民はじめあらゆる労働者人民の声とし、今こそそれを力にこのことを認めなければ、裁判所が裁判所として成り立たない所に追い込み、一日も早い再審決定・無罪と即時釈放を勝ちとりましょう。 今、こうした大きな前進を妨げる形で降類、それによる面会数減、そして友人面会制限、弁護人面会制限、暁子の手紙の一部削除などの獄中弾圧があるなど、獄中ゆえの様々な困難もありますが、皆さんと共に、そして何より暁子と一体に心を通わせ闘うということを日々深め、豊かにすることによって、それらの困難をのりこえることも糧に、今は人生の中で最高の状態を生きている、一歩一歩高め充実させ生きているという実感をもって日々を過ごしています。 弾圧に屈せず、労働者人民の力で世の中を変えよう 70年闘争がスターリン主義のクビキをのりこえ、圧倒的な青年労働者・学生が、職場・学園の闘い、反戦・沖縄・三里塚・諸闘争に立ち上がり、労働者自己解放闘争を通して人間の全面的解放をかちとることをめざして闘い、71年11・14基地付き沖縄返還に反対し、権力の総力をあげた大弾圧をうち破って、沖縄と首都一体に総決起しました。この闘いの発展に体制を揺るがされた権力は、闘いの圧殺のための大弾圧を行い、星野無期はそのようなものであると同時に、70年闘争を引き継ぎ、大恐慌・大失業・戦争、そして大震災と原発事故によって労働者人民を最早、まともに生きさせることができなくなった資本主義を労働者・人民の団結した力で倒し、人間の全面的解放をかちとる闘いを圧殺しようとするものです。だから権力は、無実を百も承知で無期を強い、36年投獄を強いているのです。しかしこんなことがいつまでも通用するはずはないのです。私と暁子が皆さんと一つに、この弾圧に屈せず、労働者人民の力で今こそ世の中を変えよう、その力で無罪・釈放をかちとろうと身をもって呼びかけていることをも力に、いかなる弾圧をも粉砕して労働者・人民の解放をかちとる闘いに立ち上がり、情勢を根底から変革することによって、無実の者には無罪・釈放ということを裁判所がそうしないと裁判所として成り立たない所まで追い込んで、再審無罪・即時釈放を必ずかちとりましょう。 星野無期によって権力は、獄壁で分断し、私たちを屈服させ腐らせ、全てを奪おうとしました。しかし、分断を打ち破って、共にこの無期を覆す闘い、労働者・人民の解放をかちとる闘いに不屈に立ちあがり、自らの労働者人民の力を信じ一つに闘うことによって本物の人間的魂、人間的つながり、団結を獲得し、自らと全ての労働者・人民の解放をかちとる力を養うことができています。 労働者人民、仲間へのどんな攻撃も許さない、その攻撃への怒りと闘いを共有し、自らと仲間、労働者人民全体のものとして共に闘うこと、そうすることで私たちは人間としての魂、人間的なつながり・共同性、階級的団結を取り戻す、これこそ、この社会を変え、解放をかちとる宝、力です(攻撃に屈することで、バラバラにされ全てを奪われるのです。1047名闘争への4・9合意、体制内派とはそういうものです)。 誰もが人間らしく生きられる社会を実現しよう ここで獲得しているものは、動労千葉はじめ私たちの闘いが手にしているものであり、被災地の闘い、反失業・反原発の闘いにストレートに貫かれているものであり、労働者人民に一切の犠牲を強いて資本が利潤をむさぼる新自由主義の末に、大恐慌・大失業・戦争を激化させ、大震災・原発事故による巨大な被害を生んでいる資本主義・帝国主義への労働者人民の広汎な怒りと闘いを共有し、これらを共に闘うことを通して、闘う労働者、労働組合として団結し、闘う労働者人民として団結して資本主義・帝国主義を倒し、労働者人民が社会の主人公となって、誰もが人間らしく生きられる社会を実現するために共に闘いましょう。 国鉄分割・民営化を突破口に、闘う労組・団結を圧殺して、民営化・分社化・外注化による全員解雇・選別雇用などで、リストラ解雇、賃下げ、非正規化、労働強化・安全切り捨て、社会保障解体によって資本の利潤をむさぼり資本主義・帝国主義の延命を図った新自由主義は、金融資本を始めとした過剰資本によって金融恐慌・大恐慌を引き起しました。唯一の恐慌対策としての財政投入は米をはじめ財政危機・債務デフォルト・通貨危機と共に過剰資本・過剰資金を激化させ、資本・国家間の生き残りをかけた市場・領土・資源・勢力圏をめぐる争闘戦を激化し、大失業・賃下げ・労働強化・安全切り捨て・大増税などの新自由主義攻撃を一層激化させ、侵略・戦争を激化しています。 共に全力で闘い、未来を開こう このことへの怒りが日本では自民党政権を倒し、エジプト・中東革命となり、全世界の労働者人民の決起となっています。自民に代わった民主政権は、資本主義・帝国主義の大恐慌・大失業・戦争情勢下で、資本救済の新自由主義、安保・沖縄基地強化、原発・インフラ輸出、民営化・首切り・非正規化、賃下げ・安全切り捨て、大増税の道を進み、そして大震災・原発事故による巨大被害を、今日、日々、労働者人民に強制しています。 地方切り捨て、災害対策切り捨てによって大震災の被害は巨大化し、家族・友人・隣人を奪われ、職場も住居も農地も船・港も奪われ、治安第一の被災地切り捨て、震災解雇さえ強いられています。そして原発事故によって既に大量の死の灰の放出によって、住む場所も、働く場所も、安全も根本から奪われています。このことで最も許せないのは、核の完全制御が不可能であるにもかかわらず、核分裂の熱線と放射線で大量殺戮する核兵器製造を本当の目的としていることです。そして、事故・被曝なしに運転できず、地震・津波、人為的ミスによる大事故、放射能大量放出・大量被曝が避けられないのを百も承知で、資本・国家ぐるみで、金と暴力・「安全・クリーン・安価」のデマで原発を推進し、今回の大事故を起こし、地震・津波・メルトダウン・水素爆発による炉・配管・機器破損によって、大気・海・地下への放射性物質の大量放出に歯止めがかからない状態にあることです。 資本主義・帝国主義の延命をかけた核・原子力政策の結果であり、新自由主義によって労組を破壊し、安全を無視し、資本の利潤追求―戦争を推進した結果です。それは大震災の被害も同じです。そして最も許せないことは、復旧・復興・挙国一致をかかげてこうした道を繰り返そうとしていることです。 最早、核・原子力・原発が労働者人民・人類にとって相いれないものになっているだけではなく、資本主義・帝国主義そのものがその新自由主義とともに、労働者人民・人類にとって相いれないものになっているということ以外のなにものでもありません。 このことへの労働者人民の怒りと結合し、反失業・反原発闘争を、資本主義・帝国主義・新自由主義と対決し、労働者の解放・人民の解放をかちとる国鉄闘争・階級的労働運動と一体にかちとり、あらゆる分断、国境をこえた労働者人民の団結した力で資本・権力を打倒し、全てを奪い返し、労働者人民が社会の主人公として全てを解き放ち、誰もが人間らしく生きられる社会を実現するために闘いましょう。 被災地の闘い、動労千葉の闘い、エジプトの闘い、すべての闘いが示すように、生産を担い社会を動かしている労働者の団結した力、決起が、全ての人民の決起を呼び、大恐慌・大失業・戦争―大震災・原発事故によって労働者人民をまともに生きられなくしている資本主義・帝国主義を倒し、彼らに代わって、誰もが人間らしく喜びをもって生きられる本物の人間社会を実現できるのです。仲間・階級への攻撃と闘わず未来を閉ざす体制内指導部に代わり、仲間・階級への一切の攻撃と闘うことを通して、あらゆる分断ををのりこえ、自らと仲間・階級の力を信じ心を通わせ共に力を合わせて未来を開く人間的魂・つながり・団結を深め強め勝利していく階級的労働運動、私たちの闘いで、職場に闘う労組を、学園に闘う自治会を、地域、全国、全世界に闘う組織・拠点をつくり、資本主義・帝国主義を終わらせ、本物の人間社会を実現しましょう。 この闘いへの星野無期を覆す闘い、無実を承知で無期、37年投獄を一日も許すなの闘いを、職場、学園、街頭、地域あらゆる場に持ち込み組織することによって、私たちの闘い全体を強め、その力で、再審無罪・即時釈放をかちとりましょう。共に全力で闘い未来を開きましょう。 |