星野暁子さん面会日記
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2014年 11月4日~7日

  来年に向かう気持ちはワクワクしたものだ」


 11月4日。一ヶ月ぶりに会う文昭の声がかすれ声なので、どうしたのかを聞いた。
 「休日の3日間、誰とも話さず声を出さないでいると翌日は、いつもこんな感じなんだ。」と文昭は言った。疲れている感じがちょっと心配だった。茨城の鈴木さんからいただいた「ソリダリティ」の歌詞が書かれたカラフルな大きなのれん、新潟の梁間さんからいただいたパッチワークの美しい布を見せた。文昭は、アクリル板越しにしげしげと見て喜んでくれた。カレンダーも見せた。そのままでは差し入れすることができず、暦が見えないようにはりあわせて送ったがまだ届いていなかったからだ。文昭は「今までで一番いい出来だ。表紙がいい。絵と詩がマッチしているのが今回一番いいことだ」と言った。
 11月2日の労働者集会の報告もホットなうちにすることが出来た。5700人集まりカンパも91万円集まったことを伝えた。交流会で、解雇された会社の前で4ヶ月座り込みをしている韓国の希望連帯労組CアンドMケーブル放送支部の非正規労働者カンソンドクさんが私のスピーチを聞いてくれ、文昭が「40年も戦争反対を獄中で貫き、今も貫いているなんてすごい」と言ってくれたことを伝えた。
 




  誉夫さん、カレンダーを褒める
   徳島刑務所に申し入れ

 11月5日。
11月5日。従兄の誉夫さんと一緒の面会だった。親戚の人たちの近況、文昭の健康問題のこと等を話した。文昭は、カレンダーの感想を誉夫さんに求めた。「絵もいいし、詩もいい」とほめられると、本当にうれしそうだった。誉夫さんは、「仲間うちだけではなく、広く見解の違う人にもえん罪という一点で運動に参加してもらえるようにしたい」と持論を述べた。文昭は、「一生懸命やってくれる人が何人いるかだ」と応えていた。この日、誉夫さんといっしょに申し入れも行った。

 
   不屈の闘いは 
  自己解放、団結を生み出す

11月6日。文昭の『前進』のアピールの中で、「あらゆる弾圧、攻撃は闘わなければ力を持つが、不屈に闘えば無力化することができる。」と書いていることについて話し合った。弾圧をはねかえせていないのに「無力化」と言うのは残酷な感じがすると私が言ったからだ。
 「何よりも大切なことは相手を信頼することだ無力化するというのは、精神的にそう思うということではなく、本当に打ち砕くということだ。不屈に闘えば自己解放の力が生まれて、団結が生まれ打ち砕くことができる。僕もそのように闘ってきたし、動労千葉、動労水戸、鈴木コンクリート工業分会が攻撃を打ち砕いて勝っているということが大事だ。
 自分たちの担っている力がどれほどすばらしいものなのか実感しながら、獄外の闘いと労働者民衆の自己解放の力の大きさを心から100%信頼して、来年に向かう気持ちはワクワクしたものだ」と文昭は言った。

11月7日。最後の面会。文昭はすっかり元気を取り戻していて、話しはじめると止まらなかった。「星野に対する攻撃は、一般のえん罪とは違う。戦争に反対する闘いを許さないものとしてかけれらている。えん罪を訴えていったら広がるかと言うとそうはならない。戦争反対、世の中を変えたいというみんなの思いと結びついてこそ、運動は広がる。権力に頭を下げる運動では、今までの闘いが生きない。自分たちの力に確信をもって、闘うことが大切だ」と文昭。
 星野の闘いは、えん罪に対する闘いであると同時に、戦争反対・沖縄を闘ったことへの弾圧との闘いでもある。あらゆる水路の人を獲得して行こうと確認しあった、
 この日文昭から宅下げされた「心あたたまる時間」というタイトルの絵は、2人の子どもの絵だ。逆向きに寝転がった2人の子どもの顔を大写しにしたものだった。愛らしい子どもを文昭は何枚も描いてきた。「今自分が一番描きたいのは、フクシマと戦争だ」と言った。軽やかな文昭の声を耳に残して、寒さとの闘いが始まるまでの一ヶ月の日々が充実できることを願いながら、面会を終えた。