星野暁子さん面会日記
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2018年 3月5日~9日

    飾る絵を二人で選んだ




 3月5日
 この日はいとこの誉夫さんといっしょの面会だった。文昭の声が枯れていた。「金曜日から3日間誰ともしゃべっていないからね。月曜日はだいたいこんな感じなんだ」とのこと。2月28日の保護観察官との面接の話を聞いた。

7日
 6日の第6回四国地方更生保護委員会への申し入れの報告を中心に話した。 
 「保護観察官の面接は準備調査か」という鈴木達夫弁護士の追及に、合田総務課長は「一般論としては準備調査と言える」と答えたこと、岩井信弁護士が「表看板にあるパロールボードというのは仮釈放委員会という意味。私たちはその仮釈放についての重要な情報をお持ちしている」というと、合田課長は「私どもの仕事についてもご理解いただいている」と応じたことなどを伝えた。


 8日
 婦人民主クラブの集会に解雇撤回を闘う韓国の旭硝子の若い労働者が参加し交流したことを伝えた。
 文昭は「韓国の民主労総は政権を倒した。世界的にも大きな位置を持っている」と言った。「民主労総は、労働組合を中心に地域住民、市民運動も結集している。3・25改憲・戦争阻止大行進は、労働運動を軸にいろんな人が参加できるようにしている」と私。
 さらに文昭は「ここでも、獄外の皆とのつきあいと同じで、助け合い協力しながらやっている。今、新しいカバン作りの仕事を立ち上げて、一人職場になったけど、皆から『頑張っている』と思われている」と言っていた。
 宅下げした絵を二人で見ながら話した。「久しぶりに花を描いてみた」。「バランスがいいね」と私が言うと「バラを中心に、暁子のお父さんが大切にしていたつつじを描き、春が訪れた喜びを表現した。たぶん芦野さんにも評価してもらえると思う。ここを出てからも絵を描きたい。魂が駄目になると絵も駄目になるから、暁子との関係を一番に大事にしたい」
 9日
 健康問題について話した。鼠径(そけい)ヘルニアが今一番の問題だ。文昭は手術はしたくないので、様子を見るしかない。
 「引越しがあったよ。隣の部屋に移ったんだ。裁判資料があるから大変なんだ。工場の仲間が二人手伝ってくれた」
 文昭と私がモデルになっているお芝居「ブラインド・タッチ」の会場に文昭の絵3点を飾ることになったので、2人で選択した。「母と子、チェルノブイリの願い、福島の願い」が今までの集大成だと言ったので、それを加えることを決めて面会を終えた。