星野暁子さん面会日記
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2017年 12月11日~15日

    一緒に生きていく大切さ
 12月11日
 徳島はこの日も6度くらいだ。文昭はいつもの笑顔で出てきた。「今までは今日ぐらい冷え込むと、布団にもぐらないとやっていられなかった。今はカイロがあるので、手紙を書くにしても座ったままでいられる。これで長生きできるよ。皆にもお礼を言われる」と文昭。文昭は、毎年の監査官申し立てで、カイロ、ストーブ等暖房を入れるように言い続けてきた。受刑者仲間はそれを知っているのだ。
 三里塚反対同盟の北原鉱治事務局長を偲ぶ会の話をした。長男の健一さんが「信念を曲げずに生きることができた幸せな人生だった」と言って、星野のことに2回触れたと話すと、文昭は「北原さんには心から励ましてもらった。僕が北原さんを励ますという関係でもあった」と語った。

 12日
 宅下げた絵「戦火続くアフガンの少年」を見ながら面会。長倉洋海の写真を見て描いたという。「いつもの僕の作品と違って、笑いではなく怒りや悲しみなどの深い表情をしている。丁寧に描いた」と言った。「新しい領域を開いているのがいいね。とてもいい表情だ」と私が言った。
 「11月26日の全国集会について書いた手紙だけが届いていない。暁子の感想を聞きたい」というので、私は「仮釈放を求める地方更生保護委員会闘争が、皆で共有でき、位置づいたことが大きい」と言った。
 13日

 沖縄の平良悦美さんのこと、施設に入所している母のことを話した。
 14日
 文昭と私をモデルにした坂手洋二作『ブラインド・タッチ』の再演について話した。「会場は下北沢のザ・スズナリ。元ジャニーズの高橋和也さんと都築香弥子さん主演で、3月19日から始まる。ロビーに文昭の絵画も展示することになっているよ」と話すと、文昭は「演劇と絵画展がセットで星野の内容が伝わったらいいね」と言った。


 15日
 1年を振り返って「今年は病気もしたけど、じっくりと静養期間を過ごす中で、自分に向き合い、文昭にも向き合い有意義だった。青年が11・26のデモを先頭で担ってくれたことも大きかった」と私。
 文昭は「安倍に対する怒りは抑えられないところまできている。労働の奪還を通して、奪われたもの全てを奪い返していく闘いが重要。暁子の病気の原因とも向き合い、一緒に生きていく大切さを自覚し、僕のあり方を変えることもやっとできつつある」と言った。
 最後に大坂さんのことを話して、私たちの2017年最後の面会を終えた。