星野暁子さん面会日記
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2017年 10月16日~19日

   ハッピィな面会




10月16日
 午後3時30分からの面会。文昭はお風呂があって、仕事も切り上げて自分の部屋に戻ったそうで、薄みどりの普段着で出てきた。元気だ。気温12度だった東京よりは暖かいが結構寒い。「文昭が150メートルの全力疾走を毎日やっていると話したら、みんな驚いているよ」と私が言うと「卓球とかソフトボールとか普段から運動をやっている。基礎ができているからできるんだ」と言った。
 映画「米軍が最も恐れた男 その名はカメジロー」を見てきたことを話した。瀬長亀次郎を弾圧するためについてきた警察官が、逆に亀次郎の影響を受けたという話をすると、「僕も、処遇統括から『転向させる気持ちでいたが、ミイラ取りがミイラになってしまった』と言われたことがあった」と文昭。映画のパンフレットを差し入れた。

 17日
 誉夫さんといっしょの面会。今日午後からの四国地方更生保護委員会への申し入れについて話した。

 19日
 17日の四国地方更生保護委員会への申し入れについて話した。前日の鈴木達夫弁護士との面会で、既に伝わっていて、「よかったんだってね。鈴木さんは、暁子の申し入れが一番よかったって言っていたよ」と文昭。「はじめ、合田総務課長は『一般論で対応する。個別具体的なことは申し上げられない』と言っていたけど、みんなの申し入れが終わったとき、『それぞれが述べられたことを、しっかりと受け止めます』って言ったのね。心が動かされたような言い方だったよ」と私からも伝えた。
 三浦綾子の本を何冊も読んで、「銃口」の感想を文昭に書き送っていたが、鈴木弁護士の面会で偶然そのことが話題になったという。旭川で日弁連の総会があった時に、三浦綾子記念館に行き本を何冊も買い求めたという。「銃口」が一番おもしろかったと言っていたそうだ。「銃口」には、戦時中の治安維持法による北海道の生活つづり方を進める教師たちへの弾圧の様子が描かれており、また満州で日本軍がやったことも克明に描かれている。文昭は「読んでみたいから差し入れて」と言った。
 宅下げしてくれた「アンデスの母と子」の絵の話をした。「いつもより2倍時間をかけて描いたからいい仕上がりになっている。これからは時間に追われて描くのではなくて、余裕をもって仕上げていくようにしたい」と文昭は言った。
 今回の面会から、メモをとるのをやめた。面会に集中して楽しんだ方がいい面会ができると思ったからだ。思ったとおり、ハッピィな面会だった。