星野暁子さん面会日記
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2016年 10月3日~7日

   「無実だから出せ」と訴え

 10月3日
仕事がない教育的指導日の1日と、土、日の2日と3日は、2枚の絵を仕上げなくちゃいけなかったので、忙しかったようだ。山川英之さんが差し入れてくれた野の花の写真をベースにして、「みんなが会いに来た9月、入田の野の花々」と「未来につながるブータンの少女」を描いたとのこと。
 東京・調布の絵画展の報告をした。私のスピーチの後で、21歳の福島出身の青年が、「星野さんが、思い入れを持って福島を描いてくれていることに、福島県民を代表してお礼を言いたい」と言っていたことを伝えると、「それはうれしい」と喜んだ。
 50代の男性が、「文昭さんがやっていないことはわかった。やった人間が、なぜ名のり出ないのか」と質問してきたと伝えると、「誰かが名のり出ることで自分が無罪になったとしても、仲間を売るようなことはできない。権力によるえん罪が問題なのだ。名のり出る人がいたとしても、権力は僕に対するでっち上げをやめないだろう。大衆運動の中で必ず出てくる問題だ。僕も昼食や運動の時間に若い子によく聞かれる」と、文昭はきっぱりと言った。
 アメリカで救援運動をしているキャロルの姪のソフィと彼氏のジョウダンが、中野の絵画展に参加したことを伝えた。




 

 4日
 絵の話になった。1枚仕上げるのに3日ぐらいかかっているようだ。「僕の場合、原色を重ねているから濁らない。さくらの24色の絵の具を使っているけど、今買おうとすると、12色のしか買えない。10年前に民間委託になり、その業者が12色の絵の具しか扱っていないことでそうなった。僕は、単品で買い置きしてあったので、いままでは間に合ったけど、一年後ぐらいにはなくなる。不便になる。色を作ることはできるけど、まったく同じ色は作れない。途中でなくなったりすると困る」と言っていた。これは絵の具を使わせないという攻撃ではないのか。諦めずに働きかけるしかない。
 筆は、4~5本に限られているそうだ。文芸コンクール用に面相(めんそう)筆が買えて、許可を取れば持っていられる。「筆に関しては不自由していない。目のふちや髪の毛など面相筆があるから描ける。目の光彩部分がリアルに描けるようになった。バックのバリエーションも広がった」と言う。
 25日
 「30年問題」について、「トコトン、無実なんだから出せというのがポイント。刑の執行をやめろという中に位置づけていく」と文昭は話した。
 6日
 「皮膚の状態はいまだかつてないぐらい良い。湿疹もなく、夜中にかゆみで目が覚めることもない」「最近、不整脈が多い。長くても10秒。短くて5秒。対症療法あったら、教えてほしい」

 7日
 O157以来、生ものは出ない。キャベツ、ねぎ、くだもの等が出ない。「僕は子どもの頃、樽いっぱいに入ったりんごを、好きなだけ食べていた。暁子がうらやましい」と笑いながら言った。