星野暁子さん面会日記
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2016年 9月1日~6日

   絵画展に参加したい

 9月1日
 「すずしくなってよかったね」と、会うなり私は言った。「台風10号が過ぎてから、すずしくなった。寒い時もある。たらたら汗を流すのは、やっと終わったよ」と文昭。
 雑誌編集をしているAさんが「徳島刑務所を出所した人が『星野さんを嫌いだという人はいない』と言っている」と伝えてくれた話をすると、文昭は「世の中を良くすることと、刑務所の処遇の改善を、普通に頑張っているなというのが皆の気持ちだ」という。
 8月面会に続いて、『人体600万年史』の話をし、「共同性は人間の本質だ」と文昭
は楽しそうに語った。
 2日
 4日のデモへのアピールをもらった。
 「一緒に絵画展に参加したい」と初めて文昭は言った。自分が皆の中に入っていくイメージがリアルに感じられるようになった、特に徳島刑務所デモに関する手紙が消されないで入っているので、イメージをよりはっきりとらえられる、と言うのだった。
 5日
 総会と刑務所デモに続き、19人が差し入れと、刑務所への申し入れ行動を行った。本田庶務課長は「面談はしない。文書で受け取る」と言って受付に出てきた。結局、本田庶務課長への全員での申し入れとなった。
 面会は弟の修ちゃん、ゆかりちゃん夫婦といっしょにした。「( 昨日のみんなの声)聞こえた?」「はっきり聞こえたよ。ヘリコプターによる雑音はあったけど、去年よりは遠慮がちだった」
 「修はわかるけど、ゆかりちゃんはどうしてそんなに黒いの?」と文昭が聞くと、「二人で草刈りのバイトをしていたから」とゆかりちゃんが答えた。
 「室蘭の救う会は、どういうつながりでできたの?」と聞く文昭。「道南ユニオンに岡田さんという人がいて、画家の栗橋さんはその友達だった」と修ちゃん。
 「婦民の総会にひとりで参加して、どうだったの」。「思った以上に話ができて、信頼できると思った。全国の絵画展に婦民の人たちが参加している」とゆかりちゃん。
 質問攻めの文昭だった。全国総会での修ちゃんとゆかりちゃんのパフォーマンスの感想を私に聞くので、「よかったよ。修ちゃん自身がゆかりちゃんと会って変わった。文昭のことにも向き合えているし、落ち着いてきた」と言うと、文昭は「修はゆかりちゃんと出会って地に足がつくようになってきた。ゆかりちゃんに感謝だよね」「壁はない。壁を感じない状態で生活している」と文昭は言った。楽しい3人での面会だった
 6日
 5日は和久田修弁護士も面会した。これがカウントされるので、9月の家族面会は4回しかできない。
 この日は健康状態について話した。「鼠径部(そけいぶ)の痛みはヘルニアの初期であることがわかった。腹筋運動をやってみたら痛みが和らいだ。心配はない」とのこと。
 「これまでは緊張があったが、今年の徳島刑務所デモは、皆が来てくれたことを楽しん
だ」と文昭は言って、9月の面会を終えた。