星野暁子さん面会日記
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2015年 8月17日~21日

 「まるで国会前にいるかのように安倍批判」

 8月17日 雨。「オープンスペース街の二人解放されたよ」この日の面会は、うれしい報告からはじまった。詐欺容疑で逮捕された「街」の職員が不起訴で釈放されたと連絡を受け、絵画展に向けた「労組まわり」を中断して、13日「街」にかけつけ、解放された二人と会って、抱き合って喜んだことを伝えた。不当な弾圧に対する地域・他の作業所等に広がった団結の力だ。二人とも「完全黙秘・非転向の力で勝利できた」と総括した。
 赤羽則子さんは「これで一歩星野さんに近づけた」水戸由紀子さんも「星野さんがいるから闘える。その意味がわかった」と言っていたと文昭に話した。文昭は「よかったね」と心から喜んでくれた。そしてまるで国会前にでもいるかのように、安倍批判を熱をこめて語った。

 

 「安倍は追い詰められている。平気で嘘を言うペテン師だ。安保法案は積極的に日本が戦争に加わる法案。核兵器まで扱っていいことになっているのに、安倍は『これによって戦争に巻き込まれることは絶対無い』と言っている。嘘によってペテンをかける。そうするしかなくなっている。みんなそれに気づいて具体的に動き出している。この流れをトコトン推し進めていく。動労千葉をはじめとする闘い、戦争を知っている60代、70代、80代の闘い。それに励まされて、青年、学生、女性が立ち上がっている。これらの闘いと星野はひとつだ」。
 18日 この日は体調のことも話した。みんながステロイド剤の副作用を心配していると言うと、文昭は「『この程度の量なら心配ない』と医者は言っている。ただ糖尿病の原因になったりするから、徐々に減らしていくということでいいと思っているよ」と言った。「太陽にあたらないのが引き金になって、悪化してきた。30年ぐらいの間で今が一番いい状態だ。身体が元気なの
で、掃除も毎日できるようになっている」。

新作の絵を見て語り合う

 19日 宅下げしてくれた絵『福島、今を共に生きる』を見ながらの面会だ。「デイズジャパンに掲載された写真を見て描いたんだ。まわりで見ている子どもは、暁子が差し入れてくれた『世界の子どもたち』の写真から採った。あと1時間ぐらいは手をかけたかった」という文昭に、「子どもたちの表情がいいね」と私は言った。
 全国で50カ所を越えて開かれている星野の絵画展の話になった。「関西の吾郷さんから報告が届いている。一部の人間が中心であとは応援に入るということではなく、みんなが文昭になり暁子になるいうことで対応したとあったよ」「星野を自分のものにするということが、できるようになっているね。星野の闘いを自分の闘いに位置づけて語る人、増えている。そういう人が星
野の闘いを担ってもいるよね」と私は言った。
 「ここを出てからも絵を描くつもり?」なにげなく聞いてみた。「状況によるよ」。文昭はしばらく考えて「たぶん描くと思う」と言った。「絵画展、自分もそこに居れたらと思うけど、出てからも絵画展やってもいいんだ」
 20日 暑さはどうか聞いてみた。「熱帯夜が続いた時は、こたえたよ」と文昭。全国から申し入れ書を送ったことを伝えた。「和歌山で1人亡くなり、2人重症だ。網戸をつけて上窓を開けられるようにすること、いいかげんやってほしいよ。9月10日、監査官への申し立てがあるから言うつもりでいるよ。」「お盆休みは、すずしい朝のうち学習して、日中は絵を描いたり、ア
ピールを書いたりしていたよ。みんなに話したら、みんなびっくりしていたよ。何もできないぐらいの暑さだったんだ。」と言った。
 韓国の民衆画家ホンソンダムについても話をした。
 「広島。どうだったの?」と文昭。「手紙に書いたとおりだけど、星野としての発言をしたよ。デモに象徴されるけど、安倍に対する怒りと闘う私たちへの共感、すごかったよ」と私。
 21日「我々だけではなく、みんなに同じような攻撃がかかっている。いったん戦争がはじまったら歯止めがきかない。愛、きづな、団結を力にして、みんながもっている思い、受け止めながらそれを解き放っていくことが大事だ」と文昭は言って、8月の面会を終えた。