星野暁子さん面会日記
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2015年 7月13日~17日

 「衆院強行採決で安倍政権は墓穴を掘った」

 7月13日 くもり。獄外の病院での検査の結果、文昭の湿疹は、「かいせん」ではないことがわかった。「『スミソリン』を2回全身に塗ったので、かいせんを殺したのかもしれない」。ステロイド剤を飲んだりつけたりするようになってから、画期的によくなったようだ。「そのおかげで『物忘れ』も自分でもびっくりするほど改善された」と文昭は笑った。

 
愛・絆・団結を力にして
 14日
 暑い日だった。この日のテーマは安保沖縄闘争と星野。12日の杉並での労働学校でのテーマだったことからそんな話になった。
 「安保・沖縄闘争と星野は一体の闘いだ。沖縄の闘いだけではなく、大きく本土の闘いが、世の中の流れを変える闘いとしてつくられる中で、それをつぶすために星野無期攻撃がかけられた。破防法、カクマルの襲撃があった。それらの弾圧を乗り越える闘いとして、国鉄と星野の闘いがあった。70年の闘いを労働運動の中で発展させていったのが動労千葉の闘いだ。星野無期攻撃、分割民営化攻撃は、国鉄と星野が全体の闘いを切り開こうとしたことに対して弾圧してきたものだ。
 JR郡山工場の橋本さんは、星野と国鉄闘争を自分のものとしてうち立てた。国鉄・星野一体のものとしてとらえて闘う。何に依拠して闘うかという時、労働者の持っている本来の力を信頼する。愛・きずな・団結を力にしてはね返すということだと思う。そういう闘いの展望を開いている。そこにみんな希望を感じてくれている」。文昭の話は、とまらなかった。
 

 15日 安保法案が国会の特別委員会で通った直後の面会だった。「お昼のニュースで国会にかけつけた主婦、会社員、学生、労働者の真剣なコールが映し出されていたよ」
 「安倍政権は墓穴を掘った。強行採決すれば諦めてしまうと思っているけど、今回の法案は生命にかかわる法案だ。戦争を経験した人、60代、新しい世代、諦めてしまえば本当に戦争を許してしまう。廃案にするまで続く闘いになる。これで逆に闘いが盛り上がる。ゼネスト情勢を大きく作り出していく転換点だ。アベノミクスだけで票をとってきたけど、来年の参議院選は、戦争法案を許すのかどうかが焦点になる。朝日の世論調査でも安保法案反対60%、安倍政権支持は31%。不支持40%だ。確信を持って具体的闘いを作り出していくことが大事だ。
 共産党は自衛戦争はいいと言っている。すべての戦争に反対、自分たちの力に気づいてそれをとり戻すことだ」。この日も、文昭は熱く語った。詩の感想もあると嬉しい

 16日 台風が近づいていた。雨が止まなかったが、その分すずしくなった。宅下げした絵「暁子、チェルノブイリの思い・フクシマの思いを抱きしめて」をいっしょに見ながらの面会だ。チェルノブイリの女の子を私が抱きしめている作品だ。コンクールに出していた絵だ。前は3年待たないと戻ってこなかったが、最近は1年で戻ってくるようになった。「いいんじゃない」と私が言うと、「暁子がそう言ってくれるとほっとするんだ」と言った。今までの作品の中で一番いいのではないかと、文昭は言った。
 絵画展の話になった。「自分たちの課題として星野絵画展に取り組んで、各地の仲間が先頭に立って行い、組合や様々な運動の拡大につながっていることがうれしい」
 沖縄での絵画展のことが今回も話題になった。「人間の素晴らしさを感じたという感想がうれしい。沖縄では、絵だけではなく、詩がよかったという感想が多かった。言葉に対する文化があるのかもしれない。絵だけでなく、詩の感想もあるとうれしいよ」と文昭。
 修三さんに電話して、札幌での絵画展の様子を聞いたと伝えると、文昭は「修三の版画は、ああいう世界を描いたものとして評価している。現代アートの人たちに負けていない。頑張ってほしい」とエールを送った。
 17日 最後の面会。「再審・無罪の力で釈放の道を開いていく。出さざるをえない状況を作っていく。戦争にみんなが向き合って、立ち上がっていく時代だ。自民党の政治は終わりだ」。そう文昭は言って、充実した5日間の面会を終えた台風と重なり心配したが、夕方の便に切り替えてなんとか帰ってこれた。