星野暁子さん面会日記
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2015年 5月25日~28日

現実との格闘の中で、人間の深さを作っていく
  全国の絵画展成功を伝える-5月28日 面会禁止 許せない

 5月25日。晴れ。文昭は見るからに元気で、笑顔で迎えてくれた。沖縄で640人が見に来てくれた絵画展の報告をした。カンパが40万,「愛と革命」が58冊売れたという。「こちらがきちんと準備して設定したことで、沖縄の人たちの星野への思いを結集することができた。これは、沖縄の人たちにとどまらない」と文昭。福島、静岡、長野、大阪などでの成功を伝えた。「『愛と革命』を読んだり、私の話を聞いてくれたりした人が、今度は主体となって絵画展を成功させている」と話した。
 「沖縄の会場で『人間って、こんなにすばらしいものなのか』と感想を述べてくれた人がいたと大形敏也さん、大畠信子さんの手紙にあったよ」と文昭は言った。「無期に屈しないで、愛と革命に生きていることに、共感を寄せてくれているんだね」と私。「人間にとって一番素晴らしいものを絵と詩によって開花させることができたんだ。自分らにとっても、何をつくりだしたか教えられることになった」と文昭。
 


 5月26日。体調の話をした。「吹き出物がじっとしていられないぐらい痒かったのが、だいぶ和らいでいるよ。腕立て伏せをやりすぎて肩を痛めて休んでいたけど、最近また回数を増やしている」「筋肉は様々な病原菌に対する防御という面があるから、力を入れたい」という文昭に私も歩くことだけはやっていると伝えた。
 皆川学さん推薦の「沈みゆく大国 アメリカ」(堤未果著)の感想を言い合うことにしてあったが、まだ文昭の手元に届いてはいなかった。「オバマケアは、国民皆保険制度というより、企業をもうけさせる恐るべき収奪システムだ」と私。「今の社会は、働いている99%の労働者がつくっている。労働者の力を信じて1%しかいない資本家を倒して、奪い返していく。そして世の中を変えていく。世の中の人全部に通用する内容だ。70年の闘いの高揚に対してかけられた弾圧として、カクマルの襲撃、破防法、星野無期がある。それに対して、地べたを這うようにして闘ってきたのが、動労千葉の闘いだ。星野の闘いに対する感動は、この闘いとひとつだ。無実で40年。星野は、日々うち勝っている闘いだ。すべての労働者の力を信じて、世の中を変えていくことができるという確信がある」と文昭は言った。


 5月27日。びらん性胃炎が癌ではないかどうか、吹き出物のこと、低体温症のため、ポケットカイロが必要であることなど、医師の診断は、来週になるとのことだった。
 織田陽介君と富田翔子ちゃんの結婚式へのメッセージをもらった。そのうえで、文昭は「結局ぶつかるものは僕らと同じだから、もし獄中にとらわれることがあっても、互いの力を信じみんなの力を信じ、苦難の中でこそ持てる人間的なものを大切にしていけば、大丈夫だ。やっていける」と伝えてほしいと言っていた。
 5月の絵は、「心と心をつなぐムクゲとバラ」と言う題名。ストライキに立ち上がっている韓国の民主労総との連帯をこめた。いい絵だ。
 「闘いの道筋が、やっていけるものとして示された。現実との格闘の中で人間の深さをつくっていく。人間が人間らしく生きられる世の中を目指して、心ひとつにしてやっていくということが大事だ。それぞれのところで、みんなの闘いがつくられていることが大きい」。元木君と暑さ対策の申し入れもおこなった。

 28日。この日は、最後の面会の予定だったが、受付で面会を断られた。すでに弁護人が面会しているので、5回の面会回数は終わっているという理由だ。S君といっしょにすぐに申し入れをした。弁護人面会は一般面会にカウントしてはならないことを強く申し入れた。4月から所長が変わり、申し入れにもお茶が出るようになった。しかし、所長の見解を確認したうえでの「法の厳正な適用により、面会はできない」との庶務課長の対応は頑なだった。