星野暁子さん面会日記
TOPページへ!
2014年 1月7日~9日

     今年、更なる歴史的前進を
 一月七日。一日目の面会。「明けましておめでとう」と挨拶したら、文昭は「おめでとう。こんなふうに挨拶しあうのは、初めてだね」と嬉しそう。こんなに喜んでくれるなら、来年も早めに来ようと思った。
 「寒かったでしょう?」と言うと、「今年の正月は、今までになく過ごしやすかったよ。今年は、インフルエンザ対策で蒲団に足を入れて起きていてもいいことになっているから、足を入れて暖まりながら、学習をしたりしていたよ」。
 折り詰めが出て、お雑煮は2回。お菓子も出て、みかんも2個。甘いものが出ると、元気がでると文昭。NHKの紅白歌合戦は「よかったのは、美輪明宏が長崎の歌を歌ったのと、高橋真梨子の『for you』くらいかな」と言っていた。
 出せる年賀状が、7枚から10 枚になったが、文面を見本通りに書かなくてはならなくなった。文昭の話では、「同じ文面で書かせて、検閲なしでやりたいのだろう」と言っていた。「一部刑務所業務の民営化も、影響しているんじゃない?」と言うと、「そうだ」と文昭。ただですら制約が多い中で、年一度の挨拶すら自由に言葉を選べないというのは、なんてひどいことだろう。
 


 花の持ち込み禁止される
 八日。二日目の面会。ドライバーをやっていただいている山川さんが持ってきてくれた花束を見せた。「これがサザンカ、これはろう梅、日本水仙、これが金柑」と説明しながら、金柑をつまんで食べてみせた。すると、文昭ではなく看守が「食べ物は駄目だと、待合室に書いてあるでしょう。それ以上続けると、面会を禁止しますよ」と言ってきた。木の実も駄目だと言うことだ。
 今年の年賀状は、350通ぐらい届いたと言った。『愛と革命』の感想も多くて励まされたようだ。海外からは、アメリカのダニエル・マーリンとキャロルからも届いた。
 ジャパン・タイムズに掲載された星野の記事を日本語で読んで「内容もよかった」ととても喜んでくれた。三者協議で、裁判官から検察官に写真のネガの複写の開示勧告が出されたことも、「決定的に大きい」と喜んでくれた。
 今年をどんな年にしたいかを聞いた。「昨年は、予想を越えた前進を勝ち取った一年だった。今年は、さらに大きな歴史的前進を勝ち取ることはまちがいない。
 労働者民衆を幸せにしない安倍政権の正体が大衆的に明らかになってきている。3・11があった中で、秘密保護法が通ってからも継続する運動ははじめてだ。この今までにない怒りと、70年を闘い国鉄を中心とした闘いが一つになることが重要だ。勝利を支えるのは、国鉄を軸とする階級的労働運動だ。あらゆる困難を糧に勝利していく闘いが、労働者人民を大きく動かしていくそういう年にまちがいなくなる。星野の運動も、それと一つに結びついて、証拠開示を勝ち取っていきたい」

 九日。三日目の面会。金属探知機の脇に、紙が貼り出されていて、食べ物だけではなく、面会室への花の持ち込みも駄目だと受付で言われた。張り紙には、「動植物の持ち込みを禁ずる」と書いてあった。文昭と全受刑者のささやかな喜びをむしり取るもので、本当に許せない。
 この日は、文昭の描いた絵を宅下げして、絵を見ながら面会した。「笑顔いっぱいの暁子」という題の絵だ。「相模原の谷枝ちゃんが差し入れしてくれた彼女と暁子のツウ・ショットの写真を見ながら、先月の面会での暁子を思い浮かべて描いたんだ。僕の好きな笑顔の暁子だよ」と文昭。
 「愛と革命」について文昭は、「生きることも奪われている青年労働者にとって、無期で獄中39年というすさまじい制約の中でも、愛と団結をつくれるという、僕らのつくってきたことは、力になれる。自分にもできると思うだろう」と言った。多くの人から寄せられる感想は、文昭と私にも元気を与えてくれる。刑務所の対応は、運動の前進に対する反動だと思う。反動は、ひどかったが、文昭と運動の前進と私たちの頑張りにたいする反響も確認できた今年初めての面会だった。