星野暁子さん面会日記
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2019年 1月9日~11日

    労働者民衆の力を信頼



 1月9日
 文昭は笑顔で面会室に入ってきた。「体調はどお?」と聞くと、「無理にお茶をかけてご飯を流し込むような食べ方をやめているんだ。無理に食べて胃に負担をかけるのはよくないと思ってね。お正月はおせちが出たのでよかったよ。好きな物を食べるようにしたら調子がよくなった。体重は51㎏。あんまり増えないけど、それはそれでいいと思ってね」と言った。
 「文昭は昨年一年、本当によく頑張ったよ。カバンをつくったし、絵も力作がそろっているしね。病気になるぐらい頑張った」と言ってから、余計なことを言ってしまったと思っていると、文昭は「体の方は暑かったせいなんだ。尋常じゃなかったからね。絵は手紙でも、昨年のカレンダーは粒ぞろいだったと書いてくれた人がいたよ。専門家の意見を聞きたいって思っていたら、秋田の芦野さんが通信で評価してくれていたのでうれしかった。
 今回の絵は、「パレスチナ、笑顔を取り戻した少女」のことを描いたんだ。絵の中で少女を甦らせる。戦争のない社会をつくるからねと呼びかけながら描いているんだ。金をもらって描いているんじゃない僕の真骨頂の絵なんだ」

 10日
 この日は宅下げした絵を見ながらの面会になった。「すごくいいんじゃない」と言うと、うれしそうな顔で、「国境を越えた医師団の活動の新聞記事を見て描いたんだ。暁子がすごくいいって言ってくれてうれしいよ。子どもの表情に特に力を入れて描いたんだ」
 「テグに行くから、その準備と、学習もしているよ」と言うと文昭は、「韓国で絵画展をやるのは重要だ。朝鮮侵略戦争阻止という時、日韓の労働者民衆の団結は不可欠だからね」と語った。
 正月休みは、ロシア革命の本を読んで過ごしたそうだ。「2月革命で、皇帝を倒した後、レーニンが敵が誰であるかをはっきりさせて、10月革命を勝利に導いた。レーニンの存在があったとはいえ、労働者民衆が本来の力を発揮すれば、革命はできるんだ。労働者民衆が本来持っている力への信頼、僕もいつもそこへ立ち返って元気をもらうんだ」と文昭。いきいき語る文昭は、本当に元気そうに見えた。


パレスチナ、笑顔を取り戻した少女




 11日
 弟の修三さんと一緒の面会。文昭は、修ちゃんが札幌でつながりをつくりはじめたアイヌや在日韓国人の運動をやっている人たちのこと、沖縄のことを取り組んでいる人たちとの交流について話すのを、ずうっと聞き役になっていた。修ちゃんが元気になったのを見て安心したようだ。