2020年2月2日                    
全国労働組合交流センター第27回定期全国総会決議

星野精神を継承し、人間が人間らしく生きられる社会をつくろう

 2019年5月30日、午後9時44分、星野文昭さんが昭島市・東日本成人矯正医療センターにおいて逝去された。日米安保に反対し、沖縄を基地の島として強化するための沖縄返還協定批准に反対して闘い、でっち上げ逮捕された星野文昭さんの無実を晴らし、必ず生きて取り戻すと全力で闘ってきたが、このような形で星野さんを失ったことは本当に悔しく残念でならない。同時に、星野さんを獄死に追いやった徳島刑務所、更生保護委員会、法務省、そして安倍政権に対して腹の底から怒りがわき上がっている。
 星野文昭さんの死に際して、星野暁子さんは「文昭が生涯をかけたすべてを引き継ぐ」と決意し、新たな歩みが始まった。私たちも共に闘うことを決意する。 
第一に、星野文昭さんがなぜ亡くなったのか、その真実を明らかにするために徳島刑務所と東日本成人矯正医療センターを訴えた国家賠償請求訴訟を闘うことだ。
 18年8月に星野さんが倒れ、それまで57キロあった体重が51キロまで減少し、家族や弁護団が精密検査を求めたが徳島刑務所はそれを放置した。また、19年3月の検査でがんが発見されていたにもかかわらず、星野さんに伝えられたのは4月18日に医療センターに移送された後であった。徳島刑務所はなぜ病気のことを伝えもせず、適切な治療も行わなかったのか。がんが発覚すれば星野さんが仮釈放許可に向かうかもしれないと考えたからだ。
 さらに医療センターに移送されての手術は4300ミリリットルに及ぶ大量の出血があったにもかかわらず、術後は医師や看護師が付き添う体制も無く事実上放置された。星野さんが実際に置かれた状況を見れば、星野さんを獄死に追いやったのは国家権力であることは明らかだ。すべてを明らかにして責任を取らせなければならない。
 第二に、何よりも44年間、無実の星野さんを投獄し続けた国家権力の犯罪を許さず闘うことだ。星野暁子さんと文昭さんのご兄弟を請求人とする第三次再審請求が準備されている。この闘いは、星野さんとともに71年11・14沖縄返還協定批准阻止闘争に決起し、でっち上げ逮捕された大坂正明さんの無実を明らかにする裁判闘争と一体だ。
 そしてなにより、文昭さんが生涯をかけて貫いた「人間が人間らしく生きられる社会」を目指して改憲と戦争に反対する闘いに立ち上がることだ。全世界で青年たちが社会の変革と自由を求めて立ち上がり始めている。星野文昭さんの存在と闘いは、これからなおいっそう輝きを増し、労働者を鼓舞激励し、腐敗を極める安倍政権への怒りと結びつき、この社会を根底から変革する闘いの希望となるはずだ。私たちひとりひとりが星野文昭となり、勝利に向かって新しい一歩を踏み出そう。

2020年2月2日 全国労働組合交流センター第27回定期全国総会

 
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