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  8月1日~4日 秋田県・秋田市
                          秋田・星野さんの遺志を引き継ぐ会

星野暁子講演に40人参加


 8月1日~4日、秋田市での「星野文昭・暁子二人展」は、のべ170人が参加。会期中の2日、星野暁子さん講演会には40人が参加して下さった。
 暁子さん講演の演題は「文昭と生きた35年」。
 自己紹介のあと一遍の詩の朗読から始まった。物静かでゆっくりとした語り口、優しい声だった。文昭さんとの出会いと結婚。20年にわたり毎月暁子さんのために心を込めて描いた水彩画が贈られたこと。獄中での過酷な処遇。そして懲役作業の話では文昭さんがたった一人で考案し、満足な道具もなく、それでも工夫を重ねて作成したカバンが聴衆席を巡った。実に丁寧で機能的にデザインされたカバンは1か月に3点作るのがやっとだったそうだ。
 文昭さんが体調を崩し体重が激減しても刑務所は放置し、死に至った。昨年5月30日。肝臓がんのため獄中で亡くなるまで2人は面会室のアクリル板に隔てられてもなお暖かい笑顔と優しい会話を交わし、生きて愛する喜びに幸福の時を共有した。
 服役30年の解放審査への切なる期待と失望。がんが発見されて徳島から東京の医療センターへの移送と無謀な手術、そして予想もしなかった突然の別れ。瀕死(ひんし)の夫の手を握り、胸に顔をうずめたことが生涯の思い出。幸せだったと淡々と語る暁子さんの
言葉に胸が詰まった。見事に愛を貫いたご夫婦だった。(秋田・星野さんの遺志を引き継ぐ会共同代表 芦野純子)