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  11月16日、17日 埼玉県・狭山市
                       狭山☆星野文昭絵画展実行委員会

「狭山」と「星野」を一つに
新しい星野闘争が始まった
 11月16~17日、狭山市の市民交流センターで「狭山☆星野文昭絵画展」を行いました。星野さんの絵画30点に加え、狭山闘争のパネル30枚を部落解放同盟から借りて、あわせて展示しました。2日間で来場者は150人でした。
 主催は、朝日新聞意見広告をきっかけに結びついた、地元狭山市の方とともに作る実行委員会です。
 当初は星野さんを絶対に生きて取りもどすための絵画展として準備していました。その中で5月、文昭さんを獄死という形で失い、怒りと悔しさのなかで絵画展をどうかちとるのか、実行委員会で討論しました。
 狭山と星野を、「冤罪」という国家犯罪を暴き、追及する闘いとして一つにしてやろうとなり、展示の順番や中身も練り上げての開催でした。
 星野さんの存在に衝撃を受け、涙を流しながら絵画や詩に見入る方もおられました。また狭山事件のパネルを見て、「地元だけど、ここまで詳しくは知らなかった」「冤罪がどのようにつくられるのか、マスコミが、いかにあくどい役割を果たしたのかがよくわかった」という感想が寄せられました。
 初日には、星野暁子さんと国賠訴訟弁護団の岩井信弁護士(写真)に講演していただきました。暁子さんはまず、狭山再審を闘う石川一雄さん・早智子さんご夫婦への想いを語りました。そして文昭さんとの出会いから、無期刑をも越えた豊かな闘いをいっしょに切り開いてきたこと、文昭さん獄死の国家犯罪を裁く新たな闘いへの決意を静かに、しかしきっぱりと語りました。
 続く岩井信弁護士は、文昭さんに対する、徳島刑務所と東日本成人矯正医療センターによる「医療放棄・隠ぺい・過誤」の内容をわかりやすく、丁寧にお話しして下さいました。
 「5月30日に星野さんが亡くなったのは、事実を見れば見るほど計画的・組織的に行われた行為によるものと言わざるを得ず、まさに国家犯罪」と断罪されました。そして、「こうした事実を国家賠償請求訴訟で明らかにし、裁判所と世の中に問いたい。支持とご協力をお願いします」と訴えられました。
 質疑応答の中では、初めて2人のお話を聞いた医療労働者の方が「この手術のやり方は医療の観点から絶対におかしい。そのことを明らかにするために、自分も協力したい」との発言もありました。
 2日目には、狭山市での開催ということもあって、石川一雄さんのお連れ合いの早智子さんも来場されました。星野さんが徳島刑務所で制作したカバンも展示され、来場された方はカバンを手に取り、絵画と併せて星野さんの人柄を思いました。
 まさに新しい星野闘争が始まったと実感する2日間でした。  (新井 拓)