TOPページへ! 

FumiAkiko Calendar 2018





未来輝く新年を迎えて、曉子へ


       
希 望


    「暖房を 入れろ」
    「ポケットカイロを 認めろ」
    「湯タンポを 入れろ」

    一切の対応をしない 徳島刑務所に
    それならば 世界中からも
    民衆の 怒りの声を 届けよう

    底冷えする 三畳の房
    かじかむ手に 息を 吹きかけ
    手紙を書く あなたの
    生きんがための 闘いに 共感して

    希望を つめ込んだ一枚の絵に
    涙する 人々の声が
    刑務所を 取り囲み
    あなたを 取り戻す日が
    訪れることを 信じて






     願 い


    もみじのような手と

    さわりたくなるような 赤い ほっぺた

    母の胸に しがみつく 小さな生命よ

    健やかな 成長

    愛に包まれた 喜び

    そして 平和

    すべての 小さな生命を前に

    厳粛な 私らの 願い



生命生まれる‐曉子の歩みに重ねて(2013年制作)


アフガン、市場で働く少年


     アフガン、市場で働く少年

    市場で 働くのが 僕は 好きだ
    帰ってこない 父さん
    病に 伏している 母さん
    いつも 腹を すかせている
    7人の 妹と弟

    みんなのために 働くのが
    僕は 好きだ

    本当は 学校へ行って
    勉強が したいけど
    物乞いを するよりは
    市場で 働くのがいいんだ



        

    病に伏せていた 日々
    病院からの 帰り道だった
    桜の 美しさが 突然 私をつかんだ
    花ふぶき 舞う中
    桜の中を 歩く
    こみあげてくるのは
    生命への いとおしみ
    桜の花々を 心で抱きしめて

    つぼみから 一日一日
    咲いていく 桜の
    生命に 寄り添うように
    知らせてくる 文昭
    獄中で 見る 桜は
    生命の 輝き そのものだ

    生命を削る 原発労働者も
    きっと 生命を いとしみながら
    桜の花々を 愛でるのだろう

 

 会津・虎の尾桜‐原発労働者の手記に寄せて


沖縄・辺野古の海‐平島から長島を望む(2011年制作)


     辺野古の朝

    生命の 願いを こめて
    今日も 座る 辺野古の浜で
    機動隊員が 言つた
    「日本語 わかりますか?」

    早朝の キャンプシュワブ
    語り合う 二人を
    乗用車が ひき逃げた

    足を 骨折した 平良悦美さん
    痛みに 耐えながら
    ひき逃げた 青年のことを
    思いやる

    「日本政府に 責任を とってもらわなければ」
    平良修さんは、静かに語った



    
僕は歩く

    夢を 見たんだ
    大地の上を 走りまわる 夢を
    右足が あった頃の 僕

    足がないという 感覚は
    不思議な 感覚なんだ
    ないはずの つま先が
    かゆかったりするんだ

    義足を つけて
    今は どこにだって
    僕は 歩いていく

    たくさんの 子どもたちが
    僕と 同じ思いを しないように
    僕は祈り
    僕は話し
    僕は歩く
 

地雷眠るカンボジアに生きる子どもたち


湖面を渡って夏風が吹いている‐曉子の退院を祝って


    夏風の中の散策


    汗ばむ夏に
    時おり 配られる アイスキャンデーより
    もっと 気持ちのいい
    湖面を 渡る 夏風を
    暁子に 届けたいと
    あなたが 言った

    いつもの 散歩コースは
    にぎやかな パール街の
    コンクリートを 踏むのだったが
    湖面を 見ながらの 二人の散策は
    どんなに うれしいだろう

    風の音を聞き、木々の声を聞き
    湖の音を聞き 
    幸せの音を 聞くだろう
 



     6年目の福島


     今年から 移住して
     戻らない 人たちの
     補償金は 打ち切りになった
     「そこで 生きられる
     条件が ないのに
     何も なかったかのように
     戻ることは できない」と Aさん

     福島のきゅうりとなすが
     スーパーの店頭に 並ぶ時
     買うのが 支援なのか
     買わないのが 支援なのか
     悩ましい 思いで 通りすぎる
     原発事故 6年目の福島


福島・ヘチマ、かぼちゃ、夏野菜



回復の日々、結婚記念日に曉子へ


    31回目の結婚記念日に

    「散歩も 毎日している
    運動もして 毎日 お風呂にも入っている
    しょうが紅茶も 飲んでいるよ」
    毎日の 生活の様子を 伝えると
    文昭は 安心したようだ

    今年の結婚記念日の9月17日は
    日曜日だから 面会で会うことはできない
    ワインとケーキで 二人分
    乾杯 することになりそうだ
    そうだ 面会日を特別な日として、
    二人でお祝いしよう

    読書の日々 
    復活した週一回の手紙で
    三浦綾子の「母」を
    読んだことを 伝えた



       
笑 顔


    「いつも 笑顔でいると
    いいことが あるから」と
    誰だったろう 教えてくれた人がいた
    人に出会う 百メートル前ぐらいから
    笑顔で あいさつをした

    母は 入退院を 繰り返していたが
    私は、明るい子どもだった
    うさぎに羊、ねこと犬
    にわとりもいた

    みんな 友だちだった

 

ネパール、笑顔の少女



未来につながる 世界の子どもたち


    未来につながる
     世界の子どもたち


    まわれ まわれ まわれ
    手を つないで まわれ

    一番勉強の できる子が
    一番 できない子に
    教えてやるような
    学習塾を つくることが 夢だと
    殺された 永山則夫は 言った

    まわれ まわれ まわれ

    世界中の 子どもたちが
    手を つないだら
    愚かな 戦争の野望に 走る
    この国の 現実を
    変えることが できるのだ



      幼なじみ


    トイレにまで いっしょに行っていた
    友だちがいた
    学校からの 帰り道
    ランドセルを 隠して
    互いの家に 遊びに行った
    さくらんぼが たわわに なって
    木の下で待ち受けて
    二人で 食べた

    文ちゃん―
    東京に出たということ以外
    連絡のとれない彼女は
    今頃 元気にしているだろうか?



    

フィリピン、仲良しの二人