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FumiAkiko Calendar 2012



  冬の寒さを暖めるシクラメン










 
冬の寒さを暖めるシクラメン 

かじかむ手に 息を吹きかけ
「やるぞ!」と
心で かけ声をかける 朝
「まるで 氷のようだ」と つぶやき
バイクブーツの皮に 触れる

耐え難い 寒さの冬は
布団に もぐれる 時間を
じっと 待つ 以外はない
底冷えする せんべい布団
まるで 体温を 吸い取っていくような夜に
鉛筆を 握りしめ

あなたが 描いた
「冬の寒さを 暖める シクラメン」
赤々と 燃え上がる シクラメンは
あなたの 心の 消せない生命
消せない 炎

寒さの冬を
乗り越えた あなたが そこにいて
笑っていた
「消せない炎が あなたの体を
 暖めてくれるように!」
燃える シクラメンを
誰よりも あなたに
贈りたい 私がいた


グランドからいつも見える緑豊かな山々


      微笑む暁子
 
  2011.3.11に 

流れてきた
畳に しがみついて
気がついたら
生きていたという
お母さん

畳といっしょに 流されて
倒壊を 免れた家の
二階に 流れついた
「昨日は 死体も 流れてきて
大変だったのよ」と
世間話しは 津波の話だ

家族をさがしに 
出て行かなくちゃいけないから
ゆっくりはできないと
腰をあげる

親も 子どもも 兄弟も
どこに いるのか
眠れぬ 夜を 繰り返す
まるで 悪夢を
見ているように 安置所は
身元のわからぬ 死体の山だった

ひとりぼっちに
なってしまったけど
子どもは どこかに
生きているかも しれないからと
止まった時間を 懸命に
こぎだす お母さん


暁子と歩く菜の花咲く小道


沖縄・辺野古の海-平島から長島を望む
 母が愛したグラジオラス 

 それぞれに 花咲く グラジオラス
 黄色-透明なピアノの音色のように
  「文昭に似ているんだよ
   このサボテンは
   あの子は つむじが
   ちょうど こんなふうに
   なっているんだよ」

 白-純白な控えめな音色のように
  「神も仏もないよ
   あの子が どんな悪いことを
   したって言うんだい
   沖縄のことを思って
   やったことで
   なんで 刑務所に
   何年も 入れられなくっちゃ
   いけないんだろう」

 赤-情熱あふれる音色のように
  「あの子のことを思うと
   私は 胸が苦しくなって
   毎日が 苦しいの」

朱色-太陽と溶け合う音色のように
 「あの子が 帰ってきたら
  ここで 暮らせるんだね
  暁子さんのところへ来て
  暁子さんと暮らせるんだね」
 

母が育てていたグラジオラスを暁子に







それぞれに 愛らしく
生きようと 生きようと
ここに咲く
母が愛した グラジオラス


初夏、ひまわりの咲く季節を迎えた米沢-2010年 未来開
    フ ク シ マ 

緑なす山も 木々も 空も
これら 美しい 自然が
もう 汚されてしまったことを
僕らは まっすぐに 知って

誰に この抑えきれない 怒りを
ぶつけたらいいのか
東電と政府 資本家
出て来い 出て来い

自然が汚されたということは
自然の一部である
人間が 汚されたということだ
原発で働く 労働者は
日々 殺されているではないか












死も病も
すぐ 隣に あることを 知って
僕らの 怒りは
さらに さらに たぎり打つ

美しかった果樹園
僕らの 故郷を
元通りにしろ と
こぶしを振り上げ
僕らは 叫ぶ

原発を とめろ!
原発を とめろ!

 セミとデモと大槻さん 

せみが鳴く 
ヒロシマの せみだけが
鳴きしげる 午前7時

昨年の8月6日
車いすの大槻さんの姿は
みんなを 奮いたたせた

一昨年の8月6日も
必 ず大槻さんは
デモ隊を 迎え待った

今年の8月6日
原爆の時を 迎え撃つ
デモの隊列に
大槻さんの姿は なかった

そして まもなく 
大槻さんの 訃報が 届いた
すべての 気力を
闘いに 注いで
大槻さんは 逝った

大槻さんが
8・6の闘いの場に
いないということは
それは 死ということだったのだと
みんなは 思った

星野としての 発言が
できるよう 必ず
かけあってくれた 大槻さん

 ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ-未来につながる子どもたち




ヒロシマと革命と星野は
いつも 大槻さんの中で
ひとつ だった

せみが鳴く 
ヒロシマの せみだけが
鳴きしげる

大槻さん 目を見開いて
見守っていて ください
過ちは 繰り返されたのですから


     笑顔豊かな暁子-
 今年の結婚記念日に感謝をこめて












 
  結婚25周年に 

結婚25周年に
贈られた ゆりとばらの みごとな
花かご
カスミソウとばらとゆりの 花束
バラとカーネーションの小さな
花かごもある

部屋いっぱいに ゆりの高貴な
香りが ただよって 
あなたが 描く 花々が
まるで 実物になって
私のところに きたような 
うれしさ

結婚25周年に
あなたは 等身大の
私の 笑顔の写真が ほしいと言った
面会と手紙でのかたらいを
濃密に 生きて
会えない日々を
いっしょに 生きる 日々として
積み上げた 愛を
そおっと 贈ります

笑顔の よく似合う暁子の
「いっしょに 生きてこれて
 本当に よかった」
の言葉とともに



暁子と僕の誕生日をつなぐ花々



 
文昭と私の誕生日をつなぐ花々 

文昭と私の 会えない日々を
暁子と 対話しながら
本を 読み 新聞を 読み
絵を 描くと 豊になるんだと
文昭は 言った

文昭の 65歳の 誕生日は
オルゴールカードを 送って
ケーキと ワインで
一人で 二人分の
誕生日を 祝った

私の 誕生日はというと
友人との お祝い会は するのだけど
それとは 別に
一人で 二人分の 誕生日を
祝うのが 習慣になった

昨年はイタリアンレストランに 行って
ひそかに お祝いをした
「カウンター席は 駄目なんです
 私は 二人で 祝っているのですから」
今年は さっそうと 贈られた
花束の絵を 前に 
誕生日は 家で過ごして
あなたのために 詩をつくろうと 考えた

57歳の 誕生日
あなたが 花束の絵のように
さっそうと でてくるわけでは ないけれど
一人で 二人の時間を
大切に 過ごせることに なるでしょう


暁子の好きな果物たち


パレスチナ、母と娘のひと時-絆