|
真夏日に
こんなむし暑い日は
クーラーのある部屋に入っていますと
友の電話
少しは 節約をしようと
クーラーを
つけたり消したりしている私と
あんまり 変わらないね
刑務所の夏は
濡れたタオルで いつでも 自由に
体をふけるようにという
あなたの 要求が 実現するまで
何年 かかるのだろう
昔は 刑務所にいる あなたと
同じ環境に いようと
思ったことがあった
寒いときには寒く
暑いときには暑く
真夏日に
私が ひんやり甘い桃を
食べるのが好きだと言うと
自分も食べたような気になると
あなたが言うので
2個目の冷えた桃を
食べ終えて
手紙を書きました |
|
|
|
面会室 パートⅢ
談笑の途絶えた 待合室
待っている 面会人は 私ひとりだ
番号を 呼び出す アナウンスはなく
現れたのは 処遇第一統括
「弁護士が面会したから
星野には 会えない」
思いを断つ 言葉を
笑顔で言った
24回目の 結婚記念日の この日
贈りたかった 言葉があった
その すべてを 閉ざして
月2回の わずかな
家族の 語らいすら
認められないと 統括は 言った
アクリル板で 遮られる
その ずっと手前の 検問
待っているはずの 文昭
たどり着けなかった 面会室
|
|
|