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大坂裁判弁護団 新年のあいさつ
   大坂さん無罪を勝ち取る2023年    大坂裁判弁護団 西村正治弁護士
 2017年の起訴から5年半、大坂正明さんの裁判は、2022年10月25日に満を持して開始され、年末までに10回の公判が行われた。検察側立証として開始された審理は、警察官5人とデモ参加者5人の計10人の証人調べが行われ、これで、検察官側証人立証の大部分が終了した。
 しかし、その中で、現場で大坂さんを見たというゆがんだ記憶を表明したのはたった1人のみで、残りの検察官期待の証人たちは「知らない人」「全く見ていない」と明言した。また、亡くなったデモ参加者1人の星野裁判での証言調書の取調べが行われたが、その人も現場で大坂さんを見なかったことが確定している。
 裁判の次のステージは、証人になったデモ参加者らの1972年当時の供述調書の採否をめぐるたたかいである。これらの調書が証拠とならなければ、検察官の立証は完全に破綻だ。2023年1月から3月にかけては、この調書の採否をめぐるたたかいが展開される。1月10日から、取調べ検事だった中津川彰に対する追及を行う。中津川彰検事は、取調室で少年たちを脅しつけ圧力をかけて、捜査方針に沿った大量の供述調書をねつ造した公安検事であり、その功績から最高検の部長にまでのぼりつめた人物である。中津川は、黙秘を続ける当時17歳の少年の父親をそそのかし取調室で息子を殴らせて供述を引き出した。また、あるデモ参加者は、中津川から虚偽の目撃証言を強要され冤罪を作ってしまった(後に無罪確定)のだ。このデモ参加者が弁護側証人として中津川の罪状を明らかにする。そして、これらの供述調書がいかに問題のあるとられ方をしており、全く信用できないことを2人の心理学者の弁護側証人から証言をいただく予定である。
 供述調書をめぐる攻防のあと、5月ころからは大坂さん無罪を示す本格的な弁護側証人の立証に入る。勝利の展望は開かれている。2023年、大坂さんの無罪獲得に向けて進撃しよう。

星野新聞第135号 掲載