TOPページへ !
でっち上げ打ち砕き 奪還しよう
東京地裁取り囲む労働者の怒り
全国から初公判に200人集う

午前中、全国の仲間は裁判所正門前でリレートーク 法廷内外で大坂さんと団結して闘った(10月25日)
 10月25日、大坂正明さんの公判が東京地裁刑事第4部(高橋康明裁判長)で開始されました。指名手配46年、不当逮捕から5年半、無実の大坂さんを取り戻そうと全国から200人の仲間が東京地裁に詰めかけました。
 午前10時、大坂さんが入廷しました。凛としたたたずまい、まっすぐ前を向き不屈の闘魂を示す大坂さんの姿に、傍聴席から大きな拍手と激励の言葉が飛びました。
 「私は無実・無罪」「沖縄闘争を闘った私を裁くのは不当」「沖縄県民の闘いに連帯し、この公判を反戦・反核・反改憲を訴える場として闘う」。大坂さんの堂々たる意見陳述は裁判官、検察官を圧倒。続けて弁護団が冒頭陳述で「無実は明らか」「供述調書の信用性はゼロ」と宣言しました。
 法廷に入れなかった仲間たちは裁判所前でリレートークを行い、大坂さんと団結して闘いました。昼休みには傍聴団と合流して200人で霞が関をデモ行進し、大きな注目を集めました。この日東京地裁は「大坂さんは無実・無罪」の声で埋め尽くされました。
 翌26日と11月1日に証人尋問が行われました。デモ鎮圧を試みデモ隊に粉砕された元警察官らが登場。デモ隊と対峙したことすら「覚えていない」と繰り返しました。
 大坂さんと同郷の友人たち=帯広カルテットや星野暁子さん、全学連の仲間、全国の救援会の仲間ら約30人が大坂さんと感動の「面会」を果たしました。11・14沖縄闘争の正義をめぐる国家権力との死闘のゴングが鳴りました。デタラメな裁判許さず闘いぬこう。傍聴闘争に集まり、大坂さんと団結しよう。絶対に取り戻そう。

 大坂正明さんの意見陳述要旨
「私は無実であり無罪」
 第一に、私は五つの罪名で起訴されていますが、全ての容疑についてその事実はありません。したがって無実・無罪です。証拠とされているものは、当時の参加者の供述調書であり、取り調べを行った官憲による創作文でしかありません。このような供述調書に証拠としての価値はありません。
 第二に、この創作された供述調書をもとにして、星野文昭さんは、無期懲役の判決を受け、44年間の獄中闘争の末、杜撰な刑務所医療によって無念の死を強いられました。官憲が創作した調書のみを根拠として下した判決はあまりにも不当です。これは政治的判決に他なりません。不公正で理不尽な判決は許されるものではありません。
 第三に、1971年11月14日の闘争は沖縄返還協定批准に反対するものでした。11月10日の沖縄全島ゼネストに連帯して闘われたのです。この返還協定の是非が全社会的に問われていたことを認識してもらいたいと思います。沖縄は今、再び戦争の最前線に立たされようとしています。そうした政府の攻撃に対して、辺野古では新基地建設に反対し、連日多くの県民が立ち上がっています。このような沖縄の現実と、これを生み出した返還協定を顧みるならば、返還協定に反対した私を裁くことは不当です。本来裁かれるべきは政府の沖縄政策であり、政府そのものだということを強く訴えます。
 第四に、公訴事実に関してはすでに時効が完成しているということです。奥深山幸男さんが病気から回復することが不可能だと分かっているにもかかわらず、私の時効を止めたままにしておくために、私に対して刑罰権を行使するために、裁判所は奥深山さんに対する判断をあえて下さなかったのです。今、51年前の事件について裁かれるという、前代未聞の裁判の当事者という立場を強いられています。証拠は散逸し、防御権の行使も十分にできません。このような裁判所の不公正な不作為をここで正していただきたい。
 第五に、今日台湾を巡り日米と中国が対立を深め、挑発しあって一触即発といった危険な状況が生み出されています。戦争が開始されると、沖縄のミサイル基地などが真っ先に攻撃されます。そうなると沖縄は再び「捨て石」とされてしまいます。沖縄県民は不屈に反戦・反基地を闘い続けています。私が半世紀前に抱いた沖縄県民に応えようという気持ちは、今もまったく変わりません。だから沖縄県民の闘いに連帯して、私はこの公判を反戦・反核・反改憲を訴える場として闘います。

 
裁判を傍聴して
  
カルテット揃い踏み 小泉義秀大坂救援会事務局長
 帯広三条トリオが傍聴席に並び大坂さんと初の合流を果たしました。カルテット成立です。前川さんは前日に上京して初公判に臨みました。大坂さんは私たち3人を認識してくれました。
 新聞・テレビは大坂さんが無罪を主張したことを大々的に報じました。私も法廷で意見陳述を聞いて無罪を確信しました。大坂さんを必ず奪還します。

  
意見陳述に感動 沖縄労組交流センター 前川利克
 公判の場ですけれども、大坂さんとついに会うことができました。冒頭に行われた大坂さんの意見陳述に本当に励まされました。
 大坂さんの後ろには沖縄の労働者階級がいます。絶対に負けられません。  
 一刻も早く大坂さんを取り戻しましょう。

  
大坂君と再会したぞ 東海合同労組委員長 坂野康男
 10月25日、大坂正明君の初公判を、帯広カルテットの前川さん、小泉さんなど全国の仲間と共に傍聴した。
 入廷した大坂正明君と51年ぶりに再会した。アイコンタクトを何回も取った。公判後、大坂正明君は「すぐに坂野君だと分かった」「帯広カルテットも分かった」と弁護団に語っている。
 次は、大坂正明君を奪還して獄外で再会することだ。大坂裁判闘争に勝利しよう。

帯広カルテット 北海道帯広市出身の大坂さんと同郷の仲間たち。
双葉幼稚園の同級生・坂野さん、家が近所だった前川さん、救援会事務局長の小泉さんの4人組


昼に霞が関デモを闘い、帯広カルテットの傍聴報告に意気上がる参加者

星野新聞第133号 掲載