基調報告
人間が人間らしく生きられる社会の実現を 共同代表 狩野満男
世界はウクライナ戦争から対中国戦争へと突き進み、人類破滅の第3次世界戦争にむかって舵を切りました。これを主導するアメリカと一体に、岸田政権は戦争当事国になることを世界に宣言し、国会の審議も吹き飛ばして、大軍拡と軍事費倍増を公言しています。戦後の歴史の中で、今こそ待ったなしに、この戦争を止めるための力と英知が求められています。
何よりも沖縄が最前線となり、今度は核の戦場となる危機に迫られているのです。これを直視しなければなりません。
このもとで、星野さんの反戦闘争の原点でもあるヒロシマの地が、来年のG7サミットの会場に決定されました。これは、米戦略にもとづく日本全体の中距離核ミサイル配備と、核戦争を前提とする中国侵略戦争会議として意識的に準備されたものです。その狙いは被爆地ヒロシマの反核、反戦の闘いとその営々たる歴史の抹殺攻撃であり、核戦争遂行のための地ならしと捉えねばなりません。私たちはヒロシマをめぐる重大な情勢を迎え本年の8・6ヒロシマ行動を全力で闘いました。
星野救援会を全国に
7月8日、安倍晋三元首相銃撃・死亡という衝撃的な事件が発生しました。岸田政権はこれを利用して、9月27日に国葬実施を決めました。しかし、あらゆる所から反対の声が上り、世論調査でも国葬反対が過半数を占めています。また、旧統一教会と自民党(とりわけ安倍派)が完全に一体化していることが暴かれ、労働者民衆の怒りは頂点に達しています。岸田政権の支持率は急落し、ついに不支持が支持を上回りました。
本日の全国総会で徹底的に論議し、星野文昭さんが終生訴えた「すべての人間が人間らしく生きられる社会」を実現するために闘っていきましょう。
9・23国葬反対闘争から11・6全国労働者集会を闘い、11・27星野全国集会を成功させましょう。
全国で絵画展を開き、多くの労働者民衆と触れ合い、星野さんの存在を伝えましょう。星野救援会を全国に拡大しましょう。星野暁子さんが訴える「私が星野文昭だ」という人を多数生み出していきましょう。 |
弁護団報告
ゼロ回答の意見書弾劾 土田元哉弁護士
裁判の進行を報告しなければならないと思います。私たちが2021年の12月までに、星野さんを必ず救命できたという3人の医師の意見書を出しました。
期日1週間前に出すのが普通ですが、国が文書を提出したのは、裁判の当日です。国は、刑務所公用車の運行日誌を提出しましたが、行き先は黒塗りのままです。また、2019年3月1日の時点でエコー検査の結果を告知しなかったと被告は主張してきましたが、告知したかのような主張に変わったのはなぜかと追及しました。
東日本成人矯正医療センターも、再開腹して止血手術をすべきだったという主張に対して、再開腹をしなければならないような術後出血はない、という言い方です。私たちが聞いていたのは、エコー検査もせずに、再開腹が必要な程度の状態なのかわからないではないかと。
国は、そもそも術後出血は事実のことを言っているのか、病態の評価のことを言っているのかよくわからないので答えられないと言われました。
国はようやく、国側の意見書を2通出すと言いました。1通は10月20日の次回期日までに、もう1通は11月の末をめどに出すと明言しました。ここまで時間がかかるというのは、前代未聞です。裁判所は国側に忖度する。絶対追及の手を緩めてはいけない。
医師を法廷に 和久田修弁護士 外部の病院に相談したという黒塗りの証拠しか出ていません。
3月1日にエコー検査があって、3月15日に私が接見に行っています。その時に、星野さんは腫瘍マーカーについては一言も触れてないです。仮釈放の一番大事なところでした。徳島刑務所の3月1日のエコー検査から4月18日迄の東日本成人矯正医療センターへ移送するまでの50日間、仮釈放を阻止するためだけで、彼の命を軽視した。この本質的な一点を忘れてはならない。
徳島刑務所の医師、センターの医務部長、麻酔科医、この3人を法廷に引っ張り出す。このことは本当に今後の闘いにかかっているということです。 |
呼びかけ人あいさつ
国葬反対のキャラバン 船木明貴
星野国賠裁判における国の対応のひどさは限度を超えています。思考停止というべき事態です。これは弁護団と支援者の闘いが国を追い込んでいるからです。17年から名古屋刑務所に殺人容疑で収容されている方が国賠を始める報道がありました。今年2月に肝臓と膵臓に手術もできないガンが発見された、一年以上前から体調不良を訴えていたが放置していた。東京新聞の取材に、外部医療に出すと警備も含めて莫大な費用が掛かるから無理だと言っている。星野さんや大坂さんが受けている獄中医療の理不尽と同じです。コロナ問題や旧統一教会問題を通して皆さんがおかしいと気づき始めている。それは岸田政権の支持率にも表れている。国葬に70%を超える人が反対している。神奈川キャラバンを始めたら、国葬反対の署名に行列ができました。大きく何かが動き始めています。星野さんの闘い、大坂さんの闘いでも大きく前に踏み出しましょう。
社会を作るチャンス 三浦正子
相模原にある星野常設展に「国葬反対」という大きなポスターを掲げました。私たちは星野さんの意志を引き継いでこの秋を闘いたい。婦民総会で戦争の時代が来たと確認しました。星野さんの言うみんなが人間らしく生きられる社会を作るチャンスが来た。
今が戦争に一番近い時代。安倍国葬ができると思っている政府はいますぐにでも潰さなければならない。
法廷の外で運動を作る 金元重
3人の医師の意見書は画期的だったと思います。私たちが被告・国側を追いつめる武器として力を発揮しています。国賠訴訟全国運動として大衆的な力で弁護士の先生方の闘いを支援していけるのかのか真価が問われている。
討論の続き
分裂行動は星野への裏切り
家族・共同代表 星野暁子
文昭が亡くなって3年3カ月が過ぎました。文昭は命を削って絵を描いていました。福島は広島、長崎、チェルノブイリとつながる特別な存在です。
そういう中で3・11分裂集会が開かれました。そのビラを見て違和感を感じました。戦争反対もなければ沖縄、チェルノブイリ、ヒロシマ・ナガサキとの連帯、その全てがないのです。戦争反対、反戦・反核を出すと大衆が引いてしまうと思っているのでしょうか。国葬に対しても国葬反対ではなく、国葬を考える、そうなっていました。
ウクライナ戦争についても巨大な軍事支援をしているアメリカへの批判は一言もありません。戦争を止めるためには自国政府打倒、岸田政権を倒す以外にありません。その岸田弾劾もないのです。私は間違っていると思います。
こういう分裂行動を星野の会で中心的に進める人がいたということは本当に残念です。これは星野を裏切ることになると思います。
|
討 論
総会では熱烈な討論が行われました。
そのうち、6人の発言要旨を紹介します。
星野さん利用は許さない 福島 長沢宏
3・11福島闘争の闘いは、反戦・反核・反原発、ヒロシマ・ナガサキの被爆者の闘いと共に連帯する、そういうものとして闘ってきました。
しかし、今年の2月11日の実行委員会では、NAZENや星野の旗やあげさせないという採決を強行しました。3・11郡山集会は星野闘争をゆがめるものです。星野さんを利用してこういった形で星野闘争を語ることは絶対許されません。
私たちは星野さんの遺志を受け継いで国賠をはじめとした再審闘争に勝利するために今日、ここに来ています。物事は絶対に譲ってならないものはあるのです。それは魂です。階級的立場を捨てたらだめです。だけど敵を利するような、原則を投げ捨てるようなこ
とを絶対にやってはいけません。星野さんは絶対それは拒否しました。だから、あれだけ長期の無期懲役という獄中闘争も貫いて闘いました。労働者人民の力を信じたからです。
星野の旗を出さないとは 福島 吾妻道子
3・11郡山集会を主宰した人たちが、大衆団体の人が言うから星野の旗を出さないとか三里塚の旗や反戦の旗を出さないことを決めたり、反戦とかのスローガンを掲げると郡山市民が逃げてしまうという主張はおかしいと思います。
何のために来ているのか 関西 吾郷春代
ウクライナ戦争から米日帝の中国侵略戦争が始まっている中での今日の星野総会には、重要な星野精神を私たちが引き継いでいくことで戦争を止めたいという思いで、集まっている。
それに対して、3・11郡山集会では戦争反対も一切言わない、星野の旗を出すなとかNAZENの旗を出すな、星野の発言をさせないというのは星野に対する裏切りです。
そういう人たちが今日、何のためにここに来ているのか。今、9・23芝公園で国葬反対で闘おうとしている時に仙台での「国葬を考える」集会参加でいいのか。
それは星野を裏切り、星野を傷つけることになる。ここにおられることが星野さんを傷つけることになる。絶対に許せません。今必要なのは実力闘争です。
非転向で闘った星野さん 北海道 鈴木潤
北海道の会はお母さんを支援する会だった。長い運動の中、星野さんの闘いで少しずつ変わってきた。
今年は札幌駅地下の空間で星野絵画展を開催した。200人位の来場者があり、大勝利だと思う。
星野さんは非転向で闘った。非転向を貫くということは、いかなる反動にも屈しないで次に進んでいくことだと思う。星野さんの魂をけがすようなことは絶対にだめだ。
渋谷暴動闘争は敵にとって脅威だったと思う。この報復として星野さんは殺されたのだと思う。
私たちは星野文昭さんになって生きる、星野精神を受け継いでいくことだと思う。
最終目的は何かを明確に 茨城 日下部伸
星野運動の最終目的は何かを明確にすることが大事です。よくよく考えてみると、星野さんが亡くなる前と亡くなった後でその集約点は変わっていない。
それは星野さんが常に言っていた、人間が人間らしく生きられる社会を実現しようということだ。その力は我々の中にある。要するに資本主義の世界を終わらせよう、プロレタリア世界革命を実現しようということです。
その大目標の下で星野国賠闘争、第3次再審、絵画展運動がある。絵画展運動は体制内的な市民運動ではなく、階級的な市民運動としてやっていくことだと思う。各地の会の特徴を生かして絵画展運動をやっていくことだ。
一番大切なことは、プロレタリア世界革命を実現することに賛同する人を一人でもいいから作り出していくことだ。星野運動を担う次の若い世代を作り出していくことだ。
|