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5・29全国集会 弁 護 団 報 告

 
星野国賠は刑務所に穴をあける闘い
                 国賠訴訟代理人 岩井信弁護士


 裁判所は国に、次回の8月25日の裁判までに原告らの各求釈明に対する回答並びに医師の意見書の作成状況および提出見込み状況の回答の準備をしなさい、と宿題を突き付けました。求釈明の一つは腹部のエコー検査をしてその結果をすぐに星野さんに伝えたのか伝えなかったのか、もう一つはすぐに外部の医療機関に連絡したのかしないのかです。さらに、東京昭島市にある医療センターでの手術と術後管理の問題です。
 今回、国は2019年3月1日、腹部エコー検査の結果として腫瘤(しゅりゅう)があったこと、腫瘍マーカーの血液検査を星野さんに伝えたといっている。しかし、星野さんのカルテにはそういうことを告知したかはどこにも書いていない。それを説明してその結果を説明していなかったということは不安だけ与えて、4月17日まで一切言わなかったということになる。    
 外部の医療機関に折衝などしたのかどうか。国は3月13日、徳島刑務所の職員3名が外部の医療機関と折衝したと主張してきました。その根拠として車の運行日誌を出してきた。しかし、それはほとんど墨塗りです(上記写真)。どこに行ったとは保安上の理由で明らかにしていない。それはおかしいと釈明を求めている段階です。去年の1月の阿佐ヶ谷での集会で私は、今回の国賠訴訟で医療が獄中と外をつなぐものでなければならないと発言しています。その5カ月後に最高裁が新しい判決を出しました。東京拘置所の未決の被収容者が自分のカルテを見せろと要求したのに、東京拘置所は開示しなかった。最高裁は開示せよと認めました。
 私は冒頭でこの星野裁判は刑務所に穴をあけていく裁判だと言いました。 特に医療情報、これは壁を越えて共有されていかなければならない。これで星野さんが獄中でどんな処遇を受けて、改善されなければいけないかと。最後に星野さんが手紙で「健康問題では暁子とみんなと取り組んでいければと思っているよ」と。この裁判では星野暁子さんと共にみんなで取り組んで、刑務所医療の改革をしていく。まっとうな刑務所医療ができるようにしたいと思います。

















 
 
術後出血を開き直る国を許さない
                 国賠訴訟代理人 土田元哉弁護士


 5月の激動を闘った
 本集会は、ウクライナを火点とする世界大戦への危機的な情勢のなかで開催されます。この戦争の本質がNATO、アメリカによる対ロシア戦争であることが日々明らかになっています。ベトナム、南米、イラク、アフガン戦争など戦争の歴史で成り立つアメリカ帝国主義が、これまでのレベルを超える戦争を仕掛けたということです。軍需経済を活路としてきたアメリカ主導の戦争が公然と世界を巻きこんでいます。さらにこの戦争が米日一体の対中国侵略戦争への前哨戦であることをアメリカ自身が明言しました。戦争は突然やってきません。このようにすでに準備されています。本来的に戦争を必要とする国家などいりません。まずは私たちが岸田政権を打倒しましょう。
 この5月は激動の1カ月でした。5・15ペテン的沖縄「復帰」50年記念式典粉砕の現地闘争、そして5・22デモからのバイデン来日・首脳会談粉砕、クワッド会議粉砕の闘いは、学生、青年の新たな飛躍と結集を組織し、70年沖縄、安保闘争を想起させる戦闘性あふれる闘いでした。これらの闘いに全世界が注目し、それは全世界に発信されました。今日の集会に
 





 
 
国は50年前の裁判を裁けるのか
                 国賠訴訟代理人 土田元哉弁護士

 星野国賠訴訟は裁判所から国に対してちゃんと中身のある反論をするなら反論しなさいという宿題を出されるぐらいまでに追いつめている状況で、負ける気がしない状態になってきています。引き続きどんどん追いつめていきたい。
 私は大坂弁護団も兼ねています。大坂さんの裁判ですが、今年の3月末に裁判員裁判から除外するという非常に珍しい判断をされました。50年前の1972年に物証がない中で捜査官によって作られた調書で裁けるのかと、そういうことを突き付ける裁判です。
 秋頃から始まるのではないかという見込みで、どの証人について尋問をするか、尋問の時間をどれくらいとるのかという具体的なせめぎ合いの交渉をしているところです。星野さんの国賠が佳境を迎えるところで大坂さんの事件も本番を迎えます。両事件ともご支援のほどを宜しくお願いします。
 


星野新聞第129号 掲載