ウクライナへの戦争が始まった。この戦争に、沖縄では戦場を逃げまどい濠(ごう)を追われ4人に1人が命を奪われた沖縄戦の体験・記憶が重なり、現在の南西諸島ミサイル基地化を沖縄戦前夜と実感し、多くの人々が怒りと危機感を持ち立ち上がっています。
ロシアのウクライナへの戦争も、「台湾有事」を想定した日米の中国侵略戦争も、労働者・民衆の命を犠牲にし、ロシア・アメリカ・NATO・日本・中国など大国の利益、一握りの資本家の利益を追求する全く同じものです。
遠征前方基地作戦にノー
米海兵隊の「遠征前方基地作戦(E ABO)」は、奄美から沖縄本島・宮古島・石垣島・与那国島に攻撃拠点を作り、中国軍とミサイルを撃ち合う計画です。2021年12月24日の琉球新報・沖縄タイムスの見出しは「琉球弧、進む軍事要塞(ようさい)化」「南西諸島に攻撃拠点」 「沖縄また戦場に」「住民、日米計画に怒り」 「実行されれば南西諸島が攻撃対象になるのは必至」「制服組幹部 日本列島は米中の最前線 台湾をめぐる有事に巻き込まれることは避けられない。自衛隊に住民を避難させる余力はないだろう。自治体にやってもらうしかない」
この計画発表後、自衛隊も米軍も住民に隠すことなく実戦的な大演習を一挙に進め、ウクライナ戦争阻止と同時に各地で住民の体を張った抗議闘争が取り組まれています。自国の参戦を許さない労働者民衆の国際連帯の闘いが戦争を終わらせる道だと思います。
私の部屋の目の前はホワイトビーチ基地群のある勝連半島、民間なのに軍事利用される中城湾港です。ここからミサイルを発射し、ここにミサイルが飛んでくるのか、と実感し戦争が始まる前に阻止せねば、と行動する日々です。県と政府共催、岸田首相出席の復帰50年式典は、沖縄を〈永遠の基地と戦争の島〉にするもので許せません。5・15沖縄闘争を闘いましょう。2022年の連日の攻防を紹介します。
不屈の辺野古新基地阻止闘争
辺野古新基地建設阻止闘争は、ゲート前・海上・安和・塩川港や各地で不屈の闘いが、暑さ、寒さ、雨やコロナ・弾圧にも負けず20年以上続き、軟弱地盤も暴き国を追い詰め戦争阻止の最前線の闘いとなっています。国は〈沖縄県が辺野古反対なら予算にリンクする=反対なら予算を減らす〉と語り、予算は減らされました。辺野古建設には湯水のように予算を使っています。 名護市長選で自公推薦候補は「保育料・給食費・子どもの医療費無償化」を最大の公約に、辺野古は賛否を明らかにせず当選しました。しかし無償化の財源の米軍再編交付金は辺野古賛成の見返りの交付金で、反対の市長時代には停止。賛否を明言しないのに交付するのは国の大々的買収です!
に交付するのは国の大々的買収です! こんな卑劣な国に負けてたまるか!
南西諸島軍事拠点化【1月】
★日米外務・防衛閣僚協議委員会(2 +2)で南西諸島の軍事拠点化=自衛隊強化、日米共同作戦計画。
★「改憲・戦争阻止!大行進」が23日、全国の労働者・学生・市民と共に県庁前でアピール。24日にはキャンプ・ハンセンでのコロナ拡大に抗議、陸自勝連分屯地でのミサイル基地化に抗議申し入れ。嘉手納町の防衛省沖縄防衛局にも抗議申し入れ。(写真)
★第3次普天間爆音訴訟の追加訴訟、原告5846人で子育て世代が最多。
★第4次嘉手納爆音訴訟。原告35566人で国内最大規模。嘉手納町民の半数が原告。子育て世代が三分の一。
★県内自治体会計年度任用職員―パートが94%に拡大。
デモに銃向け鎮圧訓練【2月】
★那覇軍港で米海兵隊がオスプレイ、大型輸送ヘリ使い訓練。那覇空港そばの市街地にごう音とどろかせ着陸。武装兵が降りる。デモ隊役の米兵にライフルを向けた鎮圧訓練は沖縄の住民に向けられている。米軍基地や施設の使用条件を定めた「5・15メモ」の使用条件に反するが、日米政府は容認。夜間訓練も行い遊休化していた軍港での訓練の常態化懸念。軍港内に沖縄の民間輸送業者のトラック多数待機し、米軍車両乗せ基地外へ。連日の抗議闘争に「沖縄を、世界のどこも戦場にするな」のボードを作り参加。
★ウクライナ侵略戦争に各地で多数の抗議行動。
★宮古海峡付近で米軍1万、自衛隊も参加しEABO訓練。嘉手納基地に実弾装着の外来機。沖縄各地・近海で多数のEABO訓練。原子力空母も参加。★県管理ダムから米軍由来と思われる多数の不発弾・ドラム缶発見。このダムは県民45万人の飲料水です。
★「土地利用規制法」で重要度の高い「特別注視区域」に宮古島・与那国島。8割が基地の嘉手納町全域、宜野湾市の大部分が規制対象の可能性―県民を監視下に。
国際通りで反戦デモ【3月】
★「ノーモア沖縄戦、命どぅ宝の会」結成総会。集会後に星野署名集め。
★「改憲・戦争阻止!大行進」が21日、全国の仲間と共にウクライナ侵略許すな!沖縄のミサイル基地化阻止の闘い。国際通りデモ(飛び入り参加あり 写真)。22日、辺野古座り込み。陸自勝連分屯地(正門前道路は大々的な拡張工事)抗議申し入れ。
★金武町水道水に有害フッ素化合物。キャンプ・ハンセンが汚染源の可能性。★石垣空港に普天間基地オスプレイ緊急着陸。抗議。
★米軍ヘリが名護湾で吊り(つり)下げ訓練。外相「実弾訓練を伴わない米軍機の訓練は、提供施設・区域の外で行うことは認められる」=沖縄中どこでも訓練していいということ。許せない!
★子どもの貧困率(=親の貧困)は全国一です。ヤングケアラーも多い。
ウクライナでの戦争が始まり、半世紀前に星野文昭さんたちが掲げた「沖縄を基地の島にするな」の闘いは今、この時にこそ核戦争=世界戦争を阻止する闘いの正義性を示しています。その星野さんを「デモ隊のリーダーだった」ということで「殺人罪」にでっち上げ、果ては獄中で殺した国家犯罪を許さない闘いは戦争を阻止する闘いと一体です。
今の各国の政府に戦争を止める力もないし、そもそも戦争を止める気などさらさらありません。なぜなら戦争で武器を投与して大もうけをしているからです。亡くなっているのは政府や財閥の人間ではなく、子どもをはじめとした労働者とその家族、市民ばかりです。星野国賠闘争に勝利し、5・15沖縄闘争でウクライナやロシアをはじめ、全世界で闘う人々と共に今こそ戦争を止めましょう。
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星野新聞第126号 掲載
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