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5・30集会 坂手洋二× 星野暁子トーク(抜粋)
「沖縄の過去・現在、そして星野文昭」

坂手洋二さんの沖縄と星野文昭さんについての話は彼の活動の豊富さにも裏打ちされて
非常に内容豊かで魅了された(5月30日 星陵会館)

◆暁子さん

坂手さんは文昭と私をモデルにした「ブラインド・タッチ」を書いて、2002年と18年に上演されています。

◆坂手さん
40年近く杉並に住んでいての暁子さんとの出会いでした。星野さんたちを芝居にできないかと、暁子さんを通して文昭さんの許可も得ました。
 1988年に自民党本部放火事件をモデルに「危険な話」という劇を作り、その再演をした直後に、モデルの方が釈放されました。再び奇跡が起きないかと2002年に岸田今日子さんと塩見三省さんの主演で上演しました。
 コ・ヨノクさんという劇作家が韓国版の台本を整えて有名な俳優さんがやり、日本でも公演しました。韓国では翻訳も出ています。世界的に広がり、イギリスでも知られています。

◆暁子さん
文昭は無念にも殺されました。坂手さんは、亡くなる当日に医療センターに駆けつけて下さいました。

◆坂手さん
とにかく人間は、人のためにも生きてるということが大事です。劇を通して彼のことを伝えるのが僕の役割だと思ったし、偏見や誤解が少しでも解ければと思ったんです。お亡くりになって初めて姿を見るというつらい体験でした。過酷な仕打ちで亡くなられ、この悔しさは忘れられませんし、それを共有する人たちと一緒に生きようと決意しています。

◆暁子さん
坂手さんはお連れ合いが沖縄出身で、沖縄が題材の戯曲も多数あります。今年は沖縄ゼネスト、渋谷闘争から50年です。沖縄は日米軍事体制維持の「返還」に激しく立ち上がりました。渋谷闘争はその連帯闘争として、実力で打ち抜かれました。

◆坂手さん
僕は子どもの頃だったのですが、国の圧政がすごく意識され、沖縄だけじゃなく、自分の問題だと捉えるからこそ渋谷闘争などがあると思うんです。戦前―戦後史も若い人たちに知らされていないことが大問題です。

◆暁子さん
私も沖縄で辺野古の座り込みをしました。坂手さんは沖縄に何度もいらっしゃっています。

◆坂手さん
最初は、高江の自然保護で訴えたんですが、新自由主義の中で結局強行されます。80年代のヘリパッド反対闘争の中心の宮城康博さんは演劇人で、東京演劇アンサンブルの代表作の主演です。
 辺野古が選ばれたのはやはり貧困問題が大きい。漁業するより「あんたの船貸して」って1日5万円で使われます。僕が本当に嫌なのは、分断です。
 高江は今150人。自分たちだけでは何もできない。僕ともう一人で現場監督を入れないで1日工事を止めたことがあります。

◆暁子さん
南西諸島での自衛隊基地工事に決死の住民運動が続いています。

◆坂手さん
南西諸島は宮古にレーダーが1個あっただけで、70年以上一切なかった。沖縄でも、米軍はいやだけど自衛隊はいいという人はいる。自衛隊員も労働者で隊員一人ひとりに罪はありません。農家の次男坊三男坊を吸収する形で自衛隊があります。

◆暁子さん
沖縄の心をわが心として闘った文昭をわがものとしていきます。コロナで演劇などを禁止しながら、オリンピックを強行する菅政権への怒りは大きいです。

◆坂手さん
「ブラインド・タッチ」は、また上演したいと思っています。



星野新聞第116号 掲載