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コロナ・クラスター発生の横浜刑務所へ申し入れ
須賀さん・全受刑者の命を守れ
完全無罪をかちとる会と救援連絡センターが呼びかけ


「コロナから命を守れ」「面会を認めろ」と申し入れ(横浜刑務所前 2月4日)

 裁判の完全無罪をかちとる会(以下、かちとる会)と救援連絡センターの呼びかけで、新型コロナウィルスのクラスターが発生した横浜刑務所に、受刑者の命と健康を守れと申し入れを行った。横浜刑務所では、昨年12月15日に刑務官の感染がわかって以降、2月5日までに受刑者と職員計131人が感染した。
 横浜刑務所には、迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧で下獄している須賀武敏さんがいる。須賀さんは、75歳を過ぎた高齢者で持病を抱えている。須賀さんをはじめ全受刑者の命のかかった問題だ。
 この日、須賀さんの家族、婦人民主クラブ全国協議会、神奈川の労働者など50人が駆け付けた。
 最初に、救援連絡センターが「獄中者の命と健康を守れ」という緊急声明を読み上げた。そして、皆で「全受刑者を釈放しろ」「PCR検査を実施しろ」「適切な医療を受けさせろ」「温かい食事を出せ」「入浴を禁止するな」「家族面会を認めろ」「所長を出せ」と迫った。対応した佐藤庶務課長補佐は、「所長に伝えます」と言うのみであった。私たちは「要求を受け入れるまで何度でも来る」と通告した。
 その後、横浜刑務所近くの鎌倉街道で、横断幕とたくさんののぼり旗を広げてにぎやかに街頭宣伝を行った。注目度は抜群で、ビラの「横浜刑務所でクラスター発生! オリンピックの予算をコロナ対策に回せ」の見出しを見て、「頑張って下さい」等とあちこちで討論が行われた。ビラを受け取った住民から、救援連絡センターに激励の電話もかかってきた。
 宣伝カーは横浜刑務所を見渡せる坂の上から、獄中に向かって激励した。後日、宣伝カーの訴えを聞いた受刑者から、「今ここ横浜刑務所はクラスターが起こり、今年から生活全てが変わってしまいました。そんな不安の中、外との交通が限られてしまっている今、少し元気が出ました。今の、中の生活を外の方々が知ってくれていると感じたので」と救援連絡センターに手紙が届いた。
 かちとる会と迎賓館・横田裁判再審弁護団は、コロナ発生の昨春に続いて、今年の1月にも、再度コロナ対策の要望書を法務省と横浜刑務所に提出した。また、神奈川県弁護士会も会長声明を発した。

須賀さんがコロナ対策の実態を暴露
 横浜刑務所は、クラスター発生にともない、一切の矛盾を受刑者に押しつけている。須賀さんは、現状を次のように訴えている。
 週一度の医務相談日・巡回医療相談は12月19日から中止。
 屋外運動は12月21日から中止となり、屋内の午前・午後の各15分間の室内体操が許されるだけである。その結果、歩行は工場出役時の10分の1以下となる。こうした状況が長期に続くと筋力低下、免疫力低下、便秘、睡眠障害などの健康障害の要因になる。 12月28日から、願い事や物品購入等の日常業務が中止された(1月末から日常業務は徐々に再開されるようになった)。
 1月4日より入浴も禁止となった。代わりに、12日から身体を拭くためのバケツ一杯分のお湯が支給されている(入浴は同月28日から再開)。
 1月10日の夕食から、食事は「非常食」になった。感染予防に必要な免疫力を高める野菜・ビタミン類、タンパク質、納豆、ヨーグルト、牛乳などが全く摂取できない。具体的には、朝食はバターロールパン+ジャム+お茶パック、昼食・夕食は市販の弁当(200円前後のもの)+お茶パックである。温かい味噌汁やスープは一切支給されず、食事で身体が温まるものはない。
 1月12日から工場の出役は中止となり、同時に家族面会も禁止された。工場作業が中止になると、暖房の入らない舎房に1日中いることとなり、寒さで身体がこわばり持病が悪化するリスクが高まる。
 マスクは1枚のみ支給なので、汚れて洗濯すると乾くまでマスクを着用できない。マスクの購入は禁止されている。
 クラスターは月形刑務所、千葉刑務所、函館少年刑務所でも発生している。須賀さんはじめ全獄中者への人権侵害を許さず、命と健康を絶対に守ろう。


星野新聞第112号 掲載