2021年は、星野さんを先頭にして闘った1971年から50年目になります。長い年月ですから、語り尽くせない多くの出来事がありましたが、際だって悔しい思いをしたことが二つあります。
一つは、星野さんを失ったことです。私はいつかは会えるだろうと思って、よく会う場面を想像していたものです。それがかなわなくなり無念です。悔しくてたまりません。
二つ目は、沖縄の現状です。ペテン的返還を強行され基地の集中をはじめ、貧困率や非正規率などが最悪という今日の状況を許してしまっていることです。これもまた悔しくてたまりません。
私はこの悔しさをはらしたい。そうすることは、星野さんの遺志を継ぐことにもつながります。その闘いは、新自由主義を推し進める国家権力と正面からぶつかるものとなります。
すでに開始している国賠訴訟は、直接的には獄中医療を問う形をとりますが、入管施設の医療はもちろん、貧しさを強いられる人たちの医療問題も含みます。そして根底的には、全ての人々の人権を認めさせるという闘いです。
沖縄の基地問題は、政府が国家の存立をかける日米安保政策を問うものです。「国のため」として沖縄に差別・抑圧政策を強行する国家権力との闘いです。沖縄の現状を覆すのは、本土の労働者民衆の責務です。
今の私は、拘置所の独房からこうした闘いを外に呼びかけ、皆さんに託すしかありません。それもまた悔しいものです。
当面する2021年前半の闘いは、コロナ対策で無能ぶりをさらす菅政権を打倒する闘いと一体的に、星野闘争、沖縄闘争に取り組むことです。星野全国再審連絡会議の粘り強い闘いと共に、私も頑張りたいと思っています。
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星野新聞第111号 掲載
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