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横浜刑務所が須賀さんを「懲罰房」に隔離
「生命に関わる人権問題」

 横浜刑務所は1月24日、迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧で下獄を強制されている須賀武敏さん(75歳)に対して、またも不当な懲罰を狙い、調査と称して「懲罰房」に隔離しました。この日は「矯正指導日」(1カ月に2回)といわれる日で、刑務作業はありません。午前10時半すぎ、「自主学習」とされる第3時限に須賀さんは「朝日新聞」を読んでいました。それを反則行為だとされたのです。「矯正指導日」に読めるのは、刑務所で回覧になっている「読売新聞」だけで、自分で購入している「朝日新聞」はダメだというのです。なんとふざけきった言いがかりであり、懲罰のための口実づくりであることか。心底から怒りが燃え上がります。
 受刑者が読みたい新聞を選択する自由がどうしてないのでしょうか。そればかりか、「朝日新聞」を読んだら懲罰にするという規則は理不尽・不合理であり、受刑者を人間扱いしていない許しがたいものです。
 「懲罰房」に入れられた須賀さんは、昼夜独居状態で閉じ込められ、完全に隔離されました。工場に出ることも、運動に行くこともできません。極めて寒い環境を強制され全身凍てついています。須賀さんの健康状態を知っている医務官との医務相談もできなくなりました。

命を守れ 
 24日から15日以上続く隔離によって、持病が悪化し健康を害しています。1月24日から28日にかけ、深夜に動悸にみまわれ息苦しくなりました。睡眠障害にも陥っています。さらに、後頭部のしびれと痛みや、背中から腰にかけての痛みがこれまで以上に強まり、ほとんど一日中続いています。須賀さんが専門医の診察を要請しても、当局は無視して、何の対応もせず放置したままです。
 須賀さんは「今回の反則行為に係わる調査のための隔離処遇と懲罰は、受刑者全体の健康と生命に関わる死活的人権問題であることを痛感しました」「処遇の改善やまともな医療の実施に関する要望を行うと、報復的な弾圧、懲罰攻撃を受ける状況です。生命が脅かされる危機的な処遇を強制されることになります。この点を絶対に過小評価してはなりません」と強く訴えています。
 須賀さんへの懲罰攻撃と健康破壊、医療放棄を絶対に許せません。須賀さんが体調を崩した昨年夏、「須賀さんの命を守れ!」という声が感動的に巻き起こり、横浜刑務所へ多くの「要望書」が届けられました。その結果、須賀さんへの必要な検査を実施させることができました。今回も、弁護団と「迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会」が、抗議・申し入れに立ち上がっています。
 受刑者を虫けら同然に扱い、命も人権も尊重しない刑務所の在り方は絶対に許せません。これは資本主義と安倍政権の行き詰まり・崩壊・腐敗が生み出しているもので、格差や貧困の蔓延する社会、戦争・改憲の動きと一体です。
 星野文昭さんを獄死させた国家(徳島刑務所と東日本成人矯正医療センター)を弾劾し、責任を追及する国家賠償請求訴訟が始まります。これと一体で、須賀さんはじめ全ての受刑者及び、入管収容所で苦闘する外国人の健康と人権を守るために闘おう

▼須賀武敏さん
 1987年、十亀弘史さん、板垣宏さんと共に迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧で逮捕・起訴。16年間の未決勾留をはねのけ、04年東京地裁で無罪判決。控訴され、差し戻し審を経て実刑11年が確定した(残刑8年3月)。18年2月に下獄。現在再審請求に向けて準備中。

星野新聞第94号 掲載