TOPページへ ! 
星野国賠闘争勝利
新たな運動の飛躍を

共同代表 狩野満男
 星野文昭さん獄死から1年、真相を追及し責任を問う闘いがいよいよ本格的に始まりました。国賠闘争に絶対に勝利することを軸に、星野闘争の飛躍と発展をかちとっていくことが求められています。共同代表の狩野満男さんが、運動の現段階と今後の方針について提起しました。8月30日の全国総会において徹底的に論議し、星野さんの意志を継ぐ闘いを進めましょう。(編集部)

 6月22日、東京地裁民事第14部において星野文昭さん獄死の責任を問う国家賠償請求訴訟が開始されました。遠方からも多くの仲間が駆けつけました。
 第721号法廷は地裁内外を貫く激励の声に包まれ、いよいよ闘いの幕が切って落とされました。徳島刑務所と東日本成人矯正医療センターが行った悪行のすべてを暴き、必ず勝利しなければなりません。さらに仮釈放不許可を決定し、井坂巧委員長らが辞任・逃亡した四国地方更生保護委員会も断罪していきます。
 日本の刑務所の劣悪な医療実態は従来から指摘されながら、その闇はいまだ閉ざされています。全国の刑務所では死亡寸前の刑の執行停止や仮釈放など、受刑者に対する究極の医療放棄が平然と行われています。刑事収容施設法は、社会一般の医療水準と同等の医療が刑務所でも実施されなければならないとしていますが、星野さん同様、多くの受刑者の人権は塀の中で抹殺されています。
 ヨーロッパ国連拷問禁止委員会の勧告を受けてフランスでは1994年、刑事施設医療について法務省管轄から保健省(日本の厚生労働省にあたる)に移し、一般病院での手術・治療が可能となり、さらに一般市民と同じ健康保険も受刑者に適用されているのです。いったいこの乖離(かいり)は何でしょうか。 星野さん獄中44年の不屈の闘いと獄死への追及は、本来ならば、国賠裁判に留まるものではありません。44年にわたる拷問を加えたあげくの国家による虐殺であり、全人民の名に於いて断罪される人民裁判が行われるべきです。
 それゆえに星野国賠闘争は絶対に負けられない闘いです。国賠裁判は、国(裁判所)が国(法務省)を裁く構図になっている以上、原告側にとって悪戦苦闘も覚悟しなければなりません。国側の不作為・悪意を認定させるためには、法廷内と共にこれを取り囲む法廷外の運動や闘いが重要です。ここに敵の最大ともいえる弱点があります。あらためて私たちの運動の土台としてある絵画展と組織力が、新しい力を発揮する時が到来しています。

新たな運動を発展させよう

 さらに新しい挑戦も始めなければなりません。
 国賠を担い刑務所医療問題を闘う仲間との連帯、団結も課題です。星野さんと同様、月形刑務所に於いて非人間的な扱いを受け命を奪われたミュージシャン伊藤耕さん国賠の原告家族の方も第1回裁判に駆けつけていただきました。
 さらに広く見渡せば、新自由主義が強制する利益絶対の医療がもたらす医療崩壊、差別排外イデオロギーにもとづく精神医療、入管施設に於ける医療問題などすべて星野国賠が内包する課題といえます。法廷から火の手が上がり、社会を揺るがすようなスケールの大きい闘いを構想し、展望を切り開きましょう。
 求められているのは勝利するための新たな闘いを生み出し前に進む力です。星野闘争の新たな転換、飛躍が必要です。そのためにも星野闘争の総括も不可欠でしょう。再審開始、勝利を土台とし星野解放を勝ち取る闘いを規定してきた私たちの運動の原点は、星野さんが何よりも無実の政治犯であり沖縄を闘ったがゆえの国家意志、むき出しの報復弾圧と捉え、訴えてきたことです。
 いま不屈に貫かれている辺野古新基地建設阻止闘争は、日米安保そのものの矛盾と破綻を切り裂く闘いです。この闘いの核心が、改憲、戦争阻止の刃となって安倍政権の土台を泥ならぬ「マヨネーズ状」にし、その足場を崩壊させています。今日に至る沖縄の営々たる不屈の闘いと星野さんの生は重なり合ってきました。星野さんら多くの若者が本土に於ける沖縄闘争として立ち上がった1971年11・14闘争は、今日においても沖縄に連帯しぬいた歴史上最大の闘いでした。これが日米安保体制を揺さぶり、その火は今日も消えることはありません。原審に於ける攻防でもこれが最大の焦点の一つでもありました。
 「星野精神」の原点が三里塚、沖縄、ヒロシマである以上、私たちはこの星野さんが残した礎に立脚し新たな闘いを創り出したいと思います。星野さん亡き後も、星野さんの原点となった闘いは今も国家権力と不屈に渡り合っています。星野闘争が全国で改憲阻止の闘いに大きな存在と力を示し、さらにその発展を求められる情勢です。
 8月30日に、2020年全国総会を開催します。星野闘争を総括し、これをゆるぎない土台として国賠勝利に向かって新たな運動を生み出しましょう。星野第3次再審そのものとして大坂正明さんの裁判勝利、解放の闘いを担いましょう。総会に向けて各救援会の議論を名称変更も課題として深めましょう。全国総会へ共に進みましょう。





星野新聞第103号 掲載