12月3日に国家賠償請求訴訟の第3回口頭弁論が開かれます。被告・国が提出した「準備書面(1)」と「準備書面(2)」に反論する原告側「準備書面」を提出して、徹底的に弾劾します。
これまでの攻防を通して、星野文昭さんの死に直結する最大の問題が肝臓がん切除手術の後にあること
が明白になりました。
昨年5月28日夕方、東日本成人矯正医療センターの主治医は星野暁子さんと夫さんに対して「手術は成功した」と語りました。この夜、「星野さんの手術成功」の連絡が飛び交い、全国の仲間は喜びにあふれました。
しかし実際には、この日の夕方から夜にかけて、星野さんは極めて危険なショック状態に陥っていまし
た。それなのに、麻酔科の当直医1人を残して、医師たちは全員帰ってしまったのです。病状が急変した時に呼び出すオンコール体制もありませんでした。
ここで適切な救命措置を取っていれば、星野さんの生命は救えたと考えています。
手術後星野さんが収容されたのはICU(集中治療室)ではなく、ただの「回復室」でした。肝臓の半分を切除する大手術を行い、4000ミリリットルを超える出血があったのに、星野さん専任の医師も看護師もいませんでした。深夜には文字通り放置されました。
ここからとらえ返せば、そもそも医療センターには星野さんを手術する能力も体制もなかったのです。にもかかわらず、執刀医を外部から招聘(しょうへい)して手術を強行し、執刀医は切るだけ切ってさっさと帰ってしまいました。
次々に明らかになる事実に怒りで震えてきます。日本の獄中医療がここまで非人間的なものだという現実にがくぜんとします。
全国集会成功で新たな発展を
レーガン(米)、サッチャー(英)、中曽根(日)らが行った新自由主義は、民営化と規制緩和を徹底的に押し進め、資本を野放しにしました。ここで言う自由とは資本の自由であり、金もうけの自由です。その対極で、労働者の権利と生活は破壊されてきました。
経済財政諮問会議の竹中平蔵は「正規雇用はほとんど首を切れないんですよ。首を切れない社員なんて雇えないです」(朝まで生テレビ10月31日放送)と言い放ちました。
「もうごめんだ。こんな社会では生きていけない」という声が、全世界で巻き起こっています。日本においても、新たな闘いの波が
高まっています。
星野国賠に勝利する全国運動は、このような怒りと一つになって獄中医療の現実をあばき、その変革をかちとっていくものです。獄中医療、獄中処遇に苦しめられている人や、生きていけない現実に怒る人たちと広範につながり、共に闘っていくものです。
11月23日の全国集会に全力で集まってください。星野さんの意志を引き継ぐ新たな高揚をかちとりましょう。星野さんが終生訴えた「すべての人間が人間らしく生きられる社会」に向かって進みましょう。
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星野新聞第109号 掲載
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