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カレンダー購入のお願い
星野暁子



 文昭が亡くなって1年5カ月になろうとしています。私の手元には、200点程の絵、35年分の手紙、差し入れた写真、大量の本等が残りました。その絵の中から、来年のカレンダーは、初期の作品8点、闘病中の私を励ますため私への手紙に描いた挿絵4点、私の詩12点を選びました。
 初期の作品は、私の実家に持ち帰った絵も多く、全国での絵画展でも見られない絵が何点もあります。取り戻す会・山形が、実家を会場に絵画展を開き、初期の作品は、そのまま実家の壁に展示されています。
 文昭の絵は、近年うまくなったのですが、初期の作品には初期の作品としての魅力があります。まっすぐな嘘をつかないまなざし、すべてを温かく包み込む姿勢などが伝わってきます。
 文昭の絵の原点は、「暁子を癒やすため」と「光を描いている」ことにあると思っています。それらは、丁寧に描かれた初期の作品にも貫かれています。
 私への手紙に描かれた4点の挿絵も、病床の私を癒やそうと懸命に描かれています。面会の時「手紙で描いてしまうと、創作意欲がそれで終わってしまい、作品に向かえなくなる」と言っていました。それぐらい文昭は入れ込んでいました。
 絵と詩は、少し組み合わせを変えています。よりフィットするものになったと思います。


星野新聞第108号 掲載