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8・30全国総会で活発な討議
命守る闘いとつながる全国運動へ

2020年全国総会(8月30日 東京・カメアリプラザ)
全国総会では、新たな「星野国賠に勝利する全国運動」に向かって活発な討議が行われました。発言要旨を紹介します。
星野暁子さんと狩野満男さんの発言は前号に掲載済みです。
みやぎ  青栁葉子さん
 星野さんを亡くしたあとの運動をどうするか議論し、会の名称を「沖縄と連帯し星野さん大坂さんの無罪をかちとる会・みやぎ」と変えました。星野さんは無期懲役で、44年捕らわれたあげくに獄死させられました。大坂さんは46年間も逃げざるを得ない状況に追いやられながらも逮捕されて、今70歳。東京拘置所で接見禁止すら解除されていません。星野さんを生きて取り戻せなかった無念、悔しさ、大坂さんを取り戻す課題は、大きなテーマであることは明らかです。
 大坂さん救援会の結成集会で弁護団が、裁判所は時効の時計を壊したのだと言っていました。星野さんの無罪を追求する運動、大坂さんの身柄を解放する、無実を明らかにする運動、命を大切にさせる運動、イメージが豊かになりました。 今のわれわれの時代に、安倍は倒れたけど、改憲・戦争の問題があるわけで、それに対する危機感は労働者にあります。星野さんと大坂さんの無罪を勝ち取る闘いを、沖縄闘争をしっかり据えながら、宣伝し組織していきましょう。
群馬  伊藤成雄さん
 国賠闘争には絶対に勝たなければなりません。獄中処遇の問題も含めて、星野さんの命を奪った徳島刑務所と医療センターを弾劾し、国家権力に対する闘いとして全力をあげていきます。新たな組織を作るのではなく、今の会として推進していきましょう。
 星野新聞の月1回発行に賛成します。それは運動を後退させるのではない。かつての『再審ニュース』から『星野新聞』に変わって以降は、とくに30年問題との関係で、頑張って月2回欠かさず発行されていることに感謝申し上げます。群馬は100通ぐらい発送し、50通ぐらい手渡しでやってきたが、月2回配布しきるのは厳しいです。
 奥深山免訴の運動にかかわってきたが、無念の死から3年。大坂さんの時効は完成しています。大坂さんを46年間も指名手配し、起訴するなんて許せない。大坂さんと連帯して、星野再審闘争も頑張る。大坂さんの早期奪還をめざそう。
東京連絡会・医師  吉川健明さん
 徳島刑務所の診断の遅れは本当に許せません。とりわけ3月1日のエコー検査以降は政治的な隠蔽であり、告知しないことがどれだけひどいことか。また、東京までの移送の仕方も、クッションの悪い車で十何時間、両脇を刑務官が挟み手錠をかけてイスに座らせて行った。これががんの患者を移送するやり方か。徳島刑務所は死んでも良いと思っていたのです。星野さん虐殺の根幹は3月1日です。せっかくがんを発見しながら、手術するまで100日かかっているのです。この間にどれだけ大きくなって細胞が壊れてしまったか。あの時点で手術していたら、助かっていたかもしれないと思うと残念でなりません。国賠闘争で、国のひどい政治医療を弾劾し、変えていく闘いをやっていきましょう。
大阪  南谷哲夫さん
 更生保護委闘争について、関西でも推進に賛成反対の意見対立がありました。18年正月の文昭さんのアピールで更生保護委闘争と再審闘争を統一的に互いに高めあいながら自分は闘うということで、闘うことにしました。しかし、更生保護委闘争と再審闘争と互いに高めあう闘いができなかったと思う。2年間の限られた期間に更生保護委闘争に集中したのは事実だと思うが、どんなときでも原則的な闘いが必要です。
 北摂地域交流センターの中でやった絵画展で2人の人が運動に参加したいと言ってきた。また、関西生コンの組合員と地域交流センターの5人が会合し、星野の会を立ち上げようと話しが進んでいます。
 再審闘争を一方でしっかりやることが、国賠とか、大坂さん闘争に勝利する道だと思います。
京滋  田村祐二さん
 京滋の会の緊急総会で、星野国賠を支援する会は、「星野文昭国賠・再審全国連絡会議」と名前を変更して運営した方がすっきりするという意見が出されました。大坂さん救援会も、京滋の会として団体加入して、星野再審闘争と一体で闘うと決議しました。
 星野新聞の発行は、かつてと違って現状の動いていないときは月1回でいいです。動いているときは、ホームページなど運用面で対応してほしい。
 11・23星野全国集会が提起されたが、去年と同じように11月の改憲戦争阻止行動と一体の闘いとして取り組んだ方がすっきりすると思います。
 40年間看護師をやってきた沖縄県人会の方から、「こんなでかい肝臓がんは聞いたこともない。苦しかったろう」と要望書が送られてきました。
沖縄  和田邦子さん
 5月の絵画展の際には、マスクや消毒液とカンパをいっぱい送って頂きまして、お礼を申しあげます。
 沖縄は人口あたりのコロナの陽性率は全国一です。陽性の米兵を沖縄と神奈川に移送するという計画を作っていたらしいです。最終的にはグアムにしたらしい。感染米兵を、沖縄に千人以上移送することを平気で考えるような米軍。
 在日米軍駐留経費、いわゆる思いやり予選をトランプは今までの4倍日本は負担しろという。大きな問題になっていくでしょう。
 今、基地労働者が基地の中で働く中で、米兵からコロナが感染する。それに対する怒りが大きくなっている。沖縄での闘いを大きくしていかないといけない。辺野古の闘いは、有志という形で続いています。
 大坂さんのいる東京拘置所に行くわかりやすい地図が欲しい。星野国賠は絶対に勝利しなければいけないが、今までやってきた運動と国賠・再審を基軸にやっていくこととの関係を良く説明してください。
 
静岡  末木哲夫さん
 訴えたいことの一つは、絵画展から再出発することです。絵画展の会場で、暁子さんの講演会をやって大成功した。フミアキコと一体感をすごく感じました。暁子さんが「私が文昭になる」といって全国を駆け巡り、文昭そのものとして存在することについて、もっと押し出してください。 静岡では7回目の絵画展だが、10月に浜松で初めてやる。地域のアーティストが協賛展示してくれたり、袴田さんの地元で、お姉さんがいます。
 今一つは国賠です。更生保護委員会闘争は圧倒的に広がった。私らは再審イコール仮釈でした。再審に向けての最短距離は、文昭さん自らが全国の連絡会と一緒になって再審を訴える、これに勝るものはありません。国賠は国家犯罪を暴き、再審闘争をもう一回起こしていくことと一体です。
福島  長沢宏さん
 1年前の7月に行われた曳舟での全国総会を思い出しました。一つは国賠裁判に勝利する、二つは第三次再審、三つ目が大坂さんの裁判を星野再審と一体で闘う。これらを確認して、闘いをスタートした。
 最後に勝利できる力は我々の運動と世論の力だと思います。国賠と星野さんの闘い、大坂さんの闘い、これを提起して呼びかければ日本の労働者民衆は立ち上がってくれると思います。更生保護委員会闘争、あれだけすごい闘いができた。あれをもっと超えるような闘いを、国賠を軸につくろうという提案だと理解しました。情勢はそれにあった形で動いている。大恐慌、戦争に向かうこの情勢を、星野さんの遺志を受け継いで、沖縄を闘い、どう勝利していくかと徹底論議していいものを作り上げていきましょう。
婦民全国協  鶴田ひさ子さん
 婦人民主クラブ本部のある婦民会館に、星野さんの常設展を開設させてもらいました。だんだん地域にも浸透してきている。日下部さんが送って下さった缶バッチなどを会館の前に並べています。それを貰って帰った人が、自分のカバンやら帽子やらにつけて街を歩いています。
 星野さんが44年間獄中に捕らわれ、大坂さんは無実なのに犯人と言われて46年も逃亡するということがあったけども、両方とも不屈の闘いだという話をする。「へー、日本でもそんなことがあるのか」と感心するのです。
 星野さんを奪われたが、絶対に再審を貫徹したいと思うし、その星野さんを獄死させた、国家権力に対して怒りをぶつけて、弾劾しきる。地域、職場を貫いて労働組合も組織するし、徹底的にやっていきます。
東京北部  狩野裕子さん
 絵画展は追悼絵画展として、怒りの絵画展として、これからもやっていきます。東京北部ではNAZEN、百万人署名、大行進、これらが星野絵画展実行委員会に集まっています。
 解放同盟練馬支部の隣保館を絵画展の会場に貸していただき、会館の職員の方がよく来るようになりました。狭山闘争と星野再審闘争は、地裁前でのデモ隊のエール交換だけでなく、闘いとしてつながったなと実感しています。
 星野の運動が軸になって、様々な闘い、運動が広がる。星野は引き出しが多い。いろんな人たちが、星野絵画展に連れ合いやお友達を連れてきたりしています。星野さんが亡くなって、なお、星野さんがよみがってきます。国賠もやっていきましょう。
三多摩  新井佳世子さん
 告知の問題ですが、検査をする段階で、悪い結果でも知りたいかどうかということを本人に確認すべきだと思います。そうすれば文昭さんは、エコー検査の結果を絶対に知りたいとおっしゃったんじゃないかと思うのです。
 もう一つは、手術後の夜中の1時半から朝の5時まで、全く空白の3時間半がありました。ですけれどもその前から、腎機能の低下を示すおしっこが出ていない状態だったし、血圧は下がっていたし、なんでその時間帯に看護師は巡視しなかったのか、私は同じ看護師として本当に許せない気持ちでいっぱいです。その上で、深夜帯に再手術が出来なかったとしても、昇圧剤(血圧が上がる薬)を使うとか、色々な方法はあったと思うのです。そのことに関する資料をまとめたいなと思っています。
神奈川  上田豊さん
 全国運動、まだイメージが持てませんが、今の枠を超えるようなものが国賠には絶対あります。例えば、1月に横浜でやった絵画展に500人来場者があった。大部分は初めての人です。そういう人たちに新たな運動に参加してもらう、その人たちが主体的に絵画展、国賠を担う人たちになっていく、一緒にやれるというイメージを持たないといけないと思います。
 更生保護委闘争では神奈川でも1000人くらいの人が「仮釈放を求める要望書」を書いてくれましたが、去年11月の労働者集会に向けて、案内を送りまた。絵画展参加者を対象化し、次の絵画展に案内状を全部送るとか、そういう取り組みが必要です。
 星野さんを獄死させた国家権力を絶対許さない、安倍を監獄へという闘いを全力でやっていきます。
 
埼玉  飯島良子さん
 埼玉には狭山があるから、星野絵画展の中に狭山を展示していこうとなり、8月28~30日とやっています。4月頃から実行委員会を積み重ねて、星野さんの絵画を30点、狭山パネル30点を展示しようとなった。狭山パネルは1枚1万円かかると言われたんですけど。沖縄の展示コーナーも作ることを確認しました。
 大坂正明さんの無罪奪還を勝ちとる裁判闘争と、星野闘争が一体であることを訴えるために、沖縄の歴史と現実を訴えるコーナーもつくりました。ドローンで撮った沖縄の現実とか、辺野古の新基地計画の中で、新しい弾道ミサイルを配備するような現実を暴きながら、沖縄と大坂さん、星野さんの闘いと一体として闘っていきたいと思います。国賠についても、皆で力を合わせてやっていくのが大事なのかなと思ってます。
千葉  武山正美さん
 「国賠闘争に勝利する全国運動」の提起は、当初の「会」ではなく運動ということで千葉としては賛成です。この間の更生保護委闘争、全証拠開示大運動、そうした運動の中で方向性と展望が示されています。更生保護委闘争では角田義一さんらの決起という形で、新たな展望が見えた。もっと大きな展望を開こうという時、どう作り上げていくかが課題だと思います。
 大坂救援会との関係は、当然同じ闘いの事件です。大坂さんの裁判の勝利が星野再審無罪につながるので星野の会としても、一体の闘いとして進めていくというのは当然だと思います。
 新聞については、財政的な面から考えても、充実したものを作る意味からも月1回発行に賛成します。さらに、皆さんの意見を聞きながら、千葉の方針を作っていきたいと思います。
事務局  米山實則さん
 徳島刑務所は星野さんを絶対に出さないという国家意志をもって、肝臓がんの進行を放置したのです。3月1日のエコー検査で肝臓に巨大な腫瘤が確認されたのに、そのことを更生保護委員会にも、弁護団はおろか家族にも星野さんにも伝えず、仮釈放で外の病院での医療を受ける機会を奪ったのです。
 星野さんは国家意志によって殺されたというのが現実に起こっている事実です。国家は不当に星野さんの命を奪った事実から逃れることはできません。国賠闘争はこの事実を暴き、国家に巨大なハンマーとして打ち下ろす闘いです。刑事施設処遇法等の彼ら自身が定めた法律をも踏み破って星野さんの命を奪った国家の不正義を暴き責任を問う闘いです。
 この国賠闘争を巨大な闘いに発展させましょう。
徳島  元木美起子さん
 以前は毎月暁子さんが徳島に来られていたが、こういう形になって久々に会いました。
 私自身は今、職場で3時間のパートで、会計年度職員みたいなところで働いていています。そこでコロナ関連の問題があって、自分自身が経験してはじめて、改めて会計年度職員とか自治労とはどういうものか、また、体制内労組とはこういうものかというのが分かりました。その体制内労組をのりこえて、新しい労働者の組合を作りたい。
 星野さんはずっと獄中で国家権力と日々闘って来られた。星野さんの闘いは自分自身の闘いだと思って、これからもやっていきたいと思います。
徳島  仙田哲也さん
 徳島刑務所は星野さんを絶対に出さないという国家意志をもって、肝臓がんの進行を放置したのです。3月1日のエコー検査で肝臓に巨大な腫瘤が確認されたのに、そのことを更生保護委員会にも、弁護団はおろか家族にも星野さんにも伝えず、仮釈放で外の病院での医療を受ける機会を奪ったのです。
 星野さんは国家意志によって殺されたというのが現実に起こっている事実です。国家は不当に星野さんの命を奪った事実から逃れることはできません。国賠闘争はこの事実を暴き、国家に巨大なハンマーとして打ち下ろす闘いです。刑事施設処遇法等の彼ら自身が定めた法律をも踏み破って星野さんの命を奪った国家の不正義を暴き責任を問う闘いです。
 この国賠闘争を巨大な闘いに発展させましょう。
秋田  小玉由利子さん
 会の名前ですが、「ずっと取り戻す会ではいけないのではないか」という会員の声がありまして、本当に悩みながら、「秋田星野さんの遺志を引き継ぐ会」と変えました。8月1日から4日まで、暁子さんを6年ぶりに迎えた絵画展を行いました。チラシの配布も市内だけじゃなくて、近隣の市、あるいは道の駅とか手分けしてみんなで7000枚のチラシをまきました。一番驚いたのは県庁の県民ホールに置いてくれたこと、ほとんどの市役所、市民センター、図書館すべてが置いてくれたことです。今までの蓄積が大きかったと思います。従来なら私たちとはつながらないような人たちがたくさん来てくれました。これを何とかしてつなげていきたいと考えています。
 国賠訴訟の陣形を大きくしていくためにも、私たちはこういうやり方には大賛成で、本当に幅広く力になる人たちを結集していきたいと考えています。
 二人のために今後もご支援下さい
               家族の訴え 従兄星野誉夫さん

 文昭君本人は再審で出られると思っていました。証拠を積み上げ、殺人罪について無実であることを明らかにしました。裁判所は確定判決に誤りがあると認めましたが、無期判決を変える必要はないという結論でした。とすれば、仮釈放で出る以外ないわけです。法務省には仮釈放の判断基準があるので、その基準を充たすことを考えなければなりません。11・14沖縄闘争は正しいとだけ主張していたのでは通りません。
 2017年から、機動隊員が亡くなったことについて指揮者としての責任は認めてほしいと文昭君に言い続けました。私とはニュアンスの違いがありましたが、暁子さんも弁護団も文昭君と真剣に話しました。文昭君が受け止めてくれるようになったのは昨年3月の更生保護委員会の結論が煮詰まってきた頃でした。結局、仮釈放の決定には至りませんでした。しかし、徳島刑務所が文昭君の病気を委員会に隠していたことが、この間の国の準備書面で明らかになりました。徳島刑務所の責任を明らかにしたいと思います。
 私も83歳になりました。文昭君は誠実で優しい人間でした。刑務所から解放できず、本当に残念です。何があったのか、国賠で明らかにさせたいと思います。文昭君と暁子さんのために今後もご支援ください。


星野新聞第107号 掲載