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8・30全国総会で熱烈に討議
星野国賠に勝利する全国運動を
  星野闘争で命奪う社会を変えよう 星野暁子  民衆の怒りと結ぶ広範な力を 共同代表狩野満男 発言要旨
基調報告 金山克巳  PDF
  8月30日、全国の代表30人が東京・亀戸のカメリアホールに集まり、2020年全国総会を開きました。基調報告と、共同代表の狩野満男さんが提起した「星野国賠に勝利する全国運動」を中心に熱心な討議を行いました。
 司会は、三多摩救う会の大畠信子さんと中野絵画展実行委員会の村岡好行さんが務めました。共同代表の狩野満男さんが開会あいさつを行い、「この全国総会から新たな運動を広げよう」と熱烈に訴えました。
 「大坂正明さん救援会」事務局長小泉義秀さんが、大坂さんからのメッセージを紹介し、共に闘う決意を表明しました。
 事務局の金山克巳さんが基調報告を行い、星野闘争の歴史的総括を踏まえた新たな運動として「星野国賠に勝利する全国運動」を開始しようと訴えました。続いて、会計報告と監査報告が行われました。
 弁護団報告に立った岩井信弁護士は、2019年3月1日の腹部エコー検査で肝臓がんを知りながら、徳島刑務所が星野文昭さんにも、家族にも、弁護団にも、さらに更生保護委員会にも知らせなかったことを強く弾劾しました。
 土田元哉弁護士は、8月27日の第2回口頭弁論において徳島刑務所の責任を追及する「求釈明」を提出したと報告しました。

全国運動について熱心な討論を行う
 後半は討論です。最初に狩野さんが新たな運動の方向について提起しました。その後、会場から次々に手があがり、合計20人が発言しました。
 星野文昭さんを殺人にも等しい国家犯罪によって奪われるという大変な事態の中で、全国の仲間は必死の思いで闘ってきました。これらの闘いに踏まえて運営委員会で討論を行い、国賠訴訟に勝利することを軸に闘って行く全国運動を提起したものです。
 「星野国賠に勝利する全国運動」は全国再審連絡会議を土台にする新たな運動です。全国運動は、星野闘争を大きく飛躍させると共に、非人間的な獄中医療や獄中処遇に苦しむ人たち、さらにコロナと大恐慌に立ち向かう広範な労働者・民衆と結びついていく闘いとしてあります。
 その内容について発言や質問が相次ぎ、全国運動のイメージが豊かになっていきました。提起をしっかり受けとめて全国運動を成功させようと確認し、各地の救援会での討議をさらに深めようと話し合いました。
 コロナ情勢の中で様々な工夫を行って開催された絵画展や講演会はどこも成功しています。その教訓や成果が生き生きと報告されました。この中に、星野闘争が広範な労働者・民衆と結びついていく道が示されています。
 『星野新聞』の発行回数は、現在の月2回から1回とする事務局提起が確認されました。財政問題も真剣に討議しました。星野暁子さんと誉夫さんが家族の訴えに立ちました。
 11月14日には、星野文昭さんの納骨が群馬県で行われます。11月1日の全国労働者総決起集会とともに、11月23日の星野全国集会を成功させることが訴えられました。
 星野暁子さんと狩野満男さんを共同代表に選出して、今年の全国総会を終了しました。

 星野闘争で命奪う社会を変えよう      星 野 暁 子

 文昭が亡くなって1年3か月が経ちました。お墓へのカンパありがとうございました。群馬の安養院に文昭のお墓はもうできています。三里塚にモニュメントをつくって分骨しました。
 7月に福岡と佐賀の鳥栖で、8月には秋田で、それぞれ絵画展と私の講演会がありました。各会の頑張りということがあって、それぞれの会場には40人以上の人が集まって下さり、熱心に聞いて下さり、質問も活発に出して下さいました。どこで成功したのだろう。
 一つは、文昭が殺されたことに対する怒りと悲しみを、私が率直に語ったことに対する共感があったと思います。コロナ禍の中で、さらに傷つき怒りを持っている人々が、「文昭の虐殺」を知って、我が事として立ち上がっていくということだったと思うのです。
 二つは、文昭が非人間的な状況の中でも人間的に生きられることを示したことに対する共感です。勇気づけられることとしてあったということです。
 三つは、沖縄闘争、安倍政権への怒りを質疑の中で語る人も多かったことです。
 この1年、文昭が亡くなった後の運動をどうつくるのか、各会での苦闘がありました。殺された怒りを国賠と連動させて、デモで表現するというふうにしたいとおもいます。日本のBLM運動を星野でつくっていくということです。
 8月27日、星野国賠の第2回口頭弁論がありました。そこで被告国は、徳島刑務所が四国地方更生保護委員会に、文昭が肝臓がんであることを報告しなかったことを認めています。
 さらに、手術当日の深夜午前1時5分から午前5時3分まで医師も、看護師も不在でした。刑務官の巡回を、看護師の巡回に代えることはできません。
 安倍が退陣しましたが、疑惑は何一つ明らかになっていません。追撃して、大坂さんではなく安倍を監獄に叩き込みましょう。
 退陣前に安倍政権は、「イージス・アショア」の配備撤回と引き換えに、敵基地攻撃能力の保有を含む安全保障の見直しの検討を本格化させています。怒りを束ね、自民党政権を追い詰めていきましょう。
 大坂正明さん救援会は、昨日結成集会が開かれ、大成功を勝ちとることができました。大坂さんの裁判と星野再審は内容的にひとつです。一体に頑張っていきたいと思います。
 私が星野文昭になります。みんなで星野文昭になりましょう。
 7月から月1回、牛久入管(東日本入国管理センター)での面会を続けています。日本の刑務所の処遇と同じで、入管施設での人権侵害はひどいです。すぐに全員解放すべきです。11・1労働者集会と11・23星野全国集会のご参集を訴えます。


 民衆の怒りと結ぶ広範な力を      共同代表狩野満男

 星野国賠闘争をいかに闘っていくかということについて、いろいろ議論がありました。星野闘争は再審闘争として、更生保護委員会闘争として、求心力をもって拡大してきました。この教訓から新しい運動をどうつくっていくか。
 星野さんが亡くなってしまった現状の中で、これまでのようにはいきません。「星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議」をベースとして、2階建てのような形で、「国賠に勝利する会」をつくってはどうだろうという議論も出てきました。しかし、星野闘争の蓄積、その土台、教訓を考えると、2階建てのようなものをつくると、さまざまな混乱が生じると思いました。
 星野全国再審連絡会議は、全国35の救援会の連合体です。別な形での会となると、それぞれの会が担ってきた主体性が阻害されるのではないかとも思いました。会を立ち上げるということはスピード感があって新鮮な闘いにはなるんですけども、やはり、これまでの運動の蓄積を十分考えて、その力量、何を生み出したのかというものすごい大きな力、これを土台とするのが大前提です。ですから、新しい会という形ではなくて、例えば「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動」のような陣形をつくりたい。国賠闘争を星野闘争の内部につくっていくために、全国それぞれの会のこれまでような闘いを前提にしてつくっていきたいと思います。
 伊藤耕さんという方が獄中で亡くなって、国賠が闘われています。その奥さんが2回行われた星野国賠の口頭弁論を傍聴されています。彼らの闘いは、我々と違って、ものすごく若い、領域の違った芸術家、ミュージシャン、そういう人たちが本気で闘っています。伊藤耕さんの奥さんにしても、国賠そのものに対する、社会的な意味で突破できない部分、一般的な裁判と違うという認識があります。我々の国賠に注目してます。獄中医療を巡る闘いが、こういう人たちとつながりたい。
 星野国賠闘争に、お医者さんとか、弁護士からも100人以上の賛同を得ています。広範な人たち、獄中医療を闘っている人たち、国賠に限らない、私たちの運動の中に、いろんな方々を呼び込みたい。
 星野闘争は沖縄を巡る闘いでもあるわけですから、改憲阻止の闘いも含みます。大きな広範な力を結集したいということで、「星野国賠に勝利する全国運動」というような提起をさせて頂いています。
 これからの闘いはこれまで通りにはいかない。運動の形をどうすればいいか、どう闘うか、われわれに何ができるのかについて、皆さんから意見を頂きたいと思います。


星野新聞第106号 掲載