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国家賠償請求へ向けて
東日本成人矯正医療センターで証拠保全


 7月29日午後1時半、星野再審弁護団は東京地方裁判所立川支部の裁判官と一緒に、東日本成人矯正医療センター(以下医療センター)に証拠保全のために立ち入りました。
 星野文昭さんに肝臓がんを発症させ、それが11×14センチもの巨大になるまで放置し、手術後2日で死亡させたことは、絶対に許せない国家犯罪です。徳島刑務所などが星野さんに獄死を強いた一切の行為に対して、絶対に責任を取らせなければなりません。
 裁判所は、医療センターへの立ち入りを、法務省に対し2時間前に通告しました。証拠隠滅や改ざんを許さないためです。裁判所は平井美衣瑠裁判長以下4人、弁護団側は、岩井信主任弁護人、和久田修弁護士、藤田城治弁護士とカメラマン2人の計5人で乗り込みました。医療センター側は、国の代理人である吉川訟務検事他4人と、センター職員7〜8人でした。
 証拠は、まず裁判長が検証し、検証の終わったものから弁護団に回されます。弁護団はそれを一枚一枚写真撮影しました。
 ところが、主治医や手術の執刀医など、関係した人物の名前はすべて墨塗りされていました。弁護団が強く抗議すると、吉川訟務検事はあらかじめ準備してあった「名前は明らかにしなくて良い」とする判例を取り出し、拒否しました。
 弁護団は、証拠保全を優先する必要から、決して墨塗りを認めた訳ではないと通告した上で、検証を進行させました。
 部屋の一角では、事務係の人たちが、それとは別の5000枚ある画像データを延々と印刷していました。証拠は膨大で、この日のうちに検証を終えることが出来たのは、全体のおよそ3分の2でした。証拠保全は続行となりました。
 私たちは今回の証拠保全の闘いで、責任追及と国家賠償を求める訴訟に向けた重大な一歩を踏み出しました。しかしまだ、残りの証拠保全と、入手した医療データの分析という大きな課題が控えています。
 裁判所は、今回の画像データを含めた検証調書を作成します。弁護団は、謄写によってそれらを入手しなければなりません。
 これらの課題をすべて解決して、星野文昭さん獄死の真相を究明するための国家賠償請求提訴に進んで行きましょう。

星野新聞第83号 掲載