支配体制と全面的対決を
共同代表 戸村裕実さん
昨日の法務省包囲闘争と19年度の総会ということで、全国からお集まりいただきましてありがとうございます。
時々振り返ると、ふと文昭さんがもう「居ない」ということに、何か喪失感を覚えることがあります。でも私たちは、その喪失感にひたっているわけにはいきません。運動を進めていかなければいけないと思っております。
昨日、法務省弾劾闘争がありましたけれども、私はいつも法務省を考える時に、「検察村」ということを考えるんです。だいたいの局長が検察あがりであったりで、何かあったときにだいたい検事正というのは出てこないですよね。大臣はあやまるけれども、検事総長はあやまらないです。出てこないです。検事総長は事務次官よりも偉い。大臣があやまっても、検事総長はあやまらないという、こういう支配体制だと思います。私たちは、こういう在り方との全面的な対決をして、真相を明らかにして責任を取らせるために闘っていかなければいけないと思っています。
すでに暁子さんからの昨日の発言にもありますように、星野闘争の継承、星野文昭さんの精神の継承、ということが訴えられております。今日も、これからの基調報告の中で、これまでの四国地方更生保護委員会との闘い、徳島刑務所の不作為、そういう過去の実態を踏まえつつ、これからの運動の方針が提起されると思います。それを踏まえ、今日1日熱烈な討論をおこなって、そして、これからの運動の前進をかちとっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
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星野精神は絵の中にある
共同代表 狩野満男さん 星野闘争始まって以来の、星野文昭さんの獄死という本当にあってはならないような事態の中での総会になりましたので、私も皆さんの議論を一所懸命聞きました。今日の議論を私の糧にして、皆さんと一緒に運動を作っていく上で、全体の運動の責任を背負っていくと改めて決意しています。
暁子さんが、星野精神を継承して闘っていくと宣言されました。星野精神とはどういうものか。これは私たちが創っていくものですけれども、僕が一番考えているのは、星野精神は、やはり絵画の中にあると思うんです。星野さんにしかない力、それは暁子さんや私たちと一緒になってできたものであり、本人が70年代以来のの闘いを全部背負い込んで、そういうものが絵の中にあると思います。これがやはり僕にとっての星野精神であり、星野闘争の精神だと思います。
それから、闘いの条件、前提が変わりました。国家権力が大坂正明さんを2年前に逮捕したことで、星野さんを失った私たちにとって、この大坂さんの存在がいよいよ重要なものに転化しました。この間の星野闘争の物量と迫力が大坂裁判の証拠開示を押し進める力になった。
裁判所―国家権力は「社会的関心の高まり」、つまり運動がどうなるか、これを一番恐れています。新しいスタートとして大坂裁判に臨み、星野再審も勝利していく運動として、絵画展も継続し、広げ、私たちの運動が「大行進運動」を形成する主要な力になっていくことだと思っています。
その上での提起ですが、新しいリーフレットを早急に作り、署名用紙の形式、要望書も、どういうものにするか、これも早急に検討して、整えたいと思いました。来年の総会まで、共に闘いましょう! |
国賠訴訟で責任取らせる
星野再審弁護団
●岩井信主任弁護人
裁判所から第2次再審請求異議審「終了」の書類が届きました。タイトルは「決定」という2文字で、7月2日付です。ところが、この書類の中には、「殺人」という事件名が書いてありません。再審で私たちが闘ってきた最も重要な罪名がこの書類の中には書かれていないということです。いかに裁判所がこうしたことに無頓着であり、「死亡」ということに何らの感覚を持っていないかが明らかです。手続きを終了させる一つの理由、としか考えていないわけです。
「巨大な腫瘍( しゅよう)」という言葉、この「巨大」というのは私たちが選んだ言葉、形容詞ではないんです。「巨大」というのは、死亡診断書を書いた医療センターの医師が書いた言葉です。この「巨大」というところまで放置された、医療の放置。また、その腫瘍があることを仮釈放審理の中で隠ぺいした医療隠ぺい。さらに、手術の判断、術後の対応、そこですべきことをしなかったという医療過誤。この医療放置、隠ぺい、過誤について、国家賠償請求訴訟の準備を、今進めています。
真実を明らかにしていく闘いが、始まるわけです。告別式の時に述べたように、これは終わりではなく、新しい闘いの始まりであるわけです。私個人としても、これまで直接に面会できていた弁護人として、星野さんに対する責任があると思っています。
●和久田修弁護士
星野さんが亡くなられて本当に悔しく、寂しい思いで一杯です。再審弁護団は1991年に結成され、同年に私も弁護士になり、28年やってきました。「人間が人間らしく生きられる社会」というのを、一番非人間的な刑務所で訴え続けてきた星野さんの気持ちが、私としても、弁護士としてここまでやらしていただいたものだと思っています。 歩みを止めず、国家賠償請求、皆さんと共に再度、再審をかちとり、星野さんの無念を晴らす。それが私にとっても弁護士としての課題と受け止めています。
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大坂裁判報告
遺志を継ぎ大坂さんの無罪を
裁判事務局 杉浦文俊
星野さんを失い、だれもが喪失感を感じている。だがここで立ち止まるわけにはいかない。星野さんが残したもの、闘いとった地平を踏まえ、前進しよう。
大坂さんは星野さん逝去の報に、「私自身も星野さんのやり残した闘いを引き継ぐべき最も近い位置に立つ一人ですから、これを何としても成し遂げたいと思います」と述べ、星野さんの闘いを自分自身が引き継ぐと決意している。星野の無念を自分が晴らすのだと闘争宣言を発した。この大坂さんの決意に応えよう。
星野闘争は、世界の労働者に響く内容と闘いを作り上げた。「星野精神の継承」とは抽象的な話ではなく、具体的な権力との攻防。星野さんを奪われた怒り、悔しさを、暁子さんの闘いと一体で大坂裁判闘争として貫こう。
大坂裁判は、星野裁判と全く同じ証拠構造だ。権力の弾圧に込めた意図は、70年決戦で社共に代わる青年・労働者の荒々しい闘いが具体的な姿を現したことに対する恐怖だ。星野さんは屈服を拒否し、闘い抜くことで敵の狙いを根幹において打ち砕いた。星野闘争とは、星野さんが命をかけて訴えた「人間が人間らしく生きられる社会」をめぐる階級激突だ。大坂裁判で権力のでっち上げの全貌を暴き、星野の再審・無罪の展望をこじ開けよう。
大坂裁判は今、弁護側立証に焦点が移った。裁判員裁判は司法の改憲攻撃。これまでの常識が通用しない闘いだ。だが、裁判所は大坂裁判が星野闘争と一体だとよく知っている。ビラまき一つで慌てだし、「裁判員裁判の判断は支援組織や社会的関心の高まりなどを総合的に判断して行う」と言っている。この間の爆発的な星野闘争の発展は、証拠開示を推し進める力となってきた。改憲阻止決戦と一体で巨万の労働者と結合し勝利しよう。
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