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徳島刑務所に抗議文
星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議

抗  議  文
  徳島刑務所長 高山正訓 殿                    2019年5月20日
 〒星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議     
東京都港区新橋2-8-16 石田ビル4階  
TEL 03-3591-8224  
FAX 03-3591-8226  
共 同 代 表  狩 野 満 男  
同    平 良   修  
同    戸 村 裕 実  
同    星 野 暁 子  
  
(1)星野文昭さんの肝臓ガンを放置した徳島刑務所を弾劾する
 星野文昭さんは、1987年10月30日以来貴刑務所に無期刑受刑者として収監されておりましたが、2019年4月18日に東日本成人矯正医療センターへ移監されました。
 移監後、直ちに同センターにおいて医療検査を受けた結果「肝細胞ガン」であり、ステージⅡの後半からステージⅢというという診断を受けました。肝細胞ガンの大きさは14cm×11cmという主治医も経験のないほどの大きなものでした。
 徳島刑務所は、どんなに遅くとも3月4日に実施したエコー検査の時点で星野さんがかなり重篤な肝臓ガンに罹患していることを把握していた筈です。
 にもかかわらずそれを一ヶ月半も隠し、治療もせずに放置していたことを断じて許すことはできません。私たちは、徳島刑務所の受刑者の人命軽視、人権侵害、人間存在への冒涜を絶対に許すことはできません。満腔の怒りをもって弾劾するものです。
(2)すべての医療データの開示を求める
 星野さんは昨年8月22日、工場に出てカバン作りを始めたら、経験したことのない腹部の激痛と、血液が逆流するような感覚に襲われ倒れてしまいました。医師は「胃けいれん」と診断しただけででした。家族も弁護団も「原因を究明するための検査をしてほしい、医療データを開示してほしい」と何度も要求しましたが、徳島刑務所は実施しませんでした。しかし星野さんの体重はその後も減少し、7kgも低下しているのです。
 徳島刑務所はそれ以上の病気の解明はぜず放置しました。星野さんはそれ以来、刑務所のご飯が固くてなかなか食べきれないと訴えていました。星野さんも家族も、体重が7kgも減ったまま戻らないのは異常であり、もしやガンではないのか、きちんと検査しなければと不安を持っていました。
 星野さんと家族・弁護団の再三の要請に対して、刑務所がやっとエコー検査をしたのは7ヶ月も経ってからの3月4日です。ところがエコー検査の結果を星野さんには全く伝えませんでした。エコー検査の結果は直ちに判明します。3月15日に面会した和久田修弁護士は「痩せた。声が小さく活力がなくなっている」と異常を感じ、星野さん本人も「ガンかも知れない」と危機感を露わにしていました。だれが見ても星野さんが病気を患っていることは明らかでした。エコー検査の結果の画像は保存されている筈なので、それを開示して頂きたい。
 さらに1月半も経った4月17日、突然に「エコー検査の結果が悪いので、東日本成人矯正医療センターに移監する」と通告し、翌18日に病人である星野さんを手錠・腰縄付きのまま座席に固定し、クッションが固く振動の強い車両に乗せて600kmを超す10時間の大移動を強いたのです。肝臓の6割以上がガンに蝕まれた星野さんは、移動途中で肝臓が破裂する可能性すらあるなかで、この人命を軽視した徳島刑務所の暴挙を弾劾します。
 また、星野さんの「心身の状況」に関する重大情報を、仮釈放を審理中の四国地方更生保護委員会に通知したのかどうかの開示を求めます。
(3)仮釈放を妨害するための懲罰を許さない
 刑事被収容者処遇法の第56条で「刑事施設においても、被収容者の心身の状況を把握することに努め、被収容者の健康及び刑事施設内の衛生を保持するために、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし、適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする」と規定されています。
 しかし、徳島刑務所において星野さんの「心身状況を把握するよう努めて」はいなかったし、「社会一般の保健衛生及び医療の水準」に照らした医療が行われていたとは到底いえません。
 さらに、医療を受ける権利は憲法第13条(幸福追求権)、第25条(生存権)に由来するものであり、受刑者であっても等しく享受しうる権利であるにもかかわらず、徳島刑務所は、星野さんへの命を守るための医療を行ったとは言えず、明らかに憲法違反です。
 徳島刑務所は、星野文昭さんが87年入所以来30年間一度も星野さんの仮釈放を申請しませんでした。そしてあろう事か、一般社会では信じられないようね些細な問題で懲罰を繰り返してきました。
 昨年5月3日には、「決められた時間外に祝日用の菓子を食べた」という理由で懲罰をかけ、星野さんの処遇を2類から3類に下げました。10月の見直しでも2類への復帰を認めず、結局、四国地方更生保護委員会が仮釈放を許可しないと決めるまで3類のまま据え置かれました。
 それは唯々仮釈放にしないための言いがかりと言って良いものです。徳島刑務所は、星野さんの仮釈放を妨害する意図をもって3類に降格し、仮釈放審理に重大な影響を与えることを自覚してエコー検査の結果を隠し、星野さんの生命の危機をもたらしたのです。
 星野さんは同僚の受刑者たちからも尊敬されている存在であり、もっと早く仮釈放になっていても不思議ではありません。星野さんに対する徳島刑務所の理不尽な処遇を満腔の怒りをもって弾劾するものです。
 私たちは、以上の諸点について広く社会に訴えて弾劾すると共に、貴刑務所の誠意ある回答を求めます。

                              以上 




  
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