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大坂正明さん裁判勝利へ シリーズ⑤
星野さんの闘いと一つ

連載開始にあたって
 1971年11月14日、星野文昭さんと共に渋谷闘争を闘った大坂正明さんの裁判が、来年にも行われる見込みとなっています。星野さんと大坂さんの裁判における証拠構造はまったく同じであり、大坂裁判において無罪をかちとることは星野さんの再審開始・無罪に直結します。このような観点から大坂正明さんの闘いと裁判について、5回にわたり連載します。
 大坂さんを免訴に
 大坂正明さんの裁判は、無実をめぐる争いとともにもう一つ重要な争点があります。それは大坂さんの免訴を求める闘いです。46年前の事件で大坂さんを起訴した検事の手続はそもそも違法であり、裁判所は直ちに大坂さんを釈放せよと強く迫る闘いです。
 弁護団は2019年3月27日の第2回公判前整理手続において「本来であれば時効が完成しており、起訴は不当」との免訴申立書を裁判所に提出し、8月8日の第20回三者協議で補充書をたたきつけています。大坂さんの起訴が成り立つのは、裁判所が奥深山幸男さんの免訴を認めず、2017年に亡くなるまで訴訟能力がないのに裁判に縛り付けたことによります。奥深山さんは長期勾留によって統合失調症を発症し、入院したために裁判停止になっていたのでした。
 そもそも、48年も前の事件の裁判など成り立ちません。大坂さんを殺人罪で起訴した検事の主張は、すべてでっち上げ供述調書のみに依拠しています。検察は、でっち上げの張本人である中津川彰元検事を証人申請していますが、「覚えていないこと」を立証するためだというのです。供述調書を捏造したことを隠蔽するためです。こんなデタラメ許せるか!
 大坂さんは無実です。無実の人間を、およそ裁判として成り立たない法廷で裁くことなど許されません。裁判所は直ちに免訴を決定せよ! 大坂さんをいますぐ釈放せよ!
 大坂さんは指名手配と46年間闘ってきました。その不屈の闘いが、国家権力に様々な矛盾を強制しています。検事はこの裁判を、でっち上げた「供述調書」だけで行おうとしています。それは星野さんを有罪とした証拠を一から審理しなおすものであり、検察側立証を粉砕することは星野さんの再審無罪をかちとる闘いと完全に一つのものです。取調べのデタラメさを徹底弾劾し権力によるでっち上げの全ぼうを暴き切る闘いは、同時に沖縄闘争の正義を貫き、今日の改憲・戦争情勢と対決する闘いでもあります。さらに司法の改憲=裁判員裁判と対決する闘いです。
 いまや裁判所は「特別な事件であり、当裁判所だけで決められないことになっている」と、支配階級全体が関わっている裁判であることを吐露しています。
 労働者民衆の安倍への怒りと一つに結びつき、東京地裁を揺るがす大裁判闘争を実現しましょう。この力で大坂無罪=星野再審勝利をかちとろう。(シリーズ終了)



星野新聞第89号 掲載