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大坂正明さん裁判勝利へ
東京拘置所 花の差し入れ認めず

東京東部・取り戻す会 戸村裕美

 11月12日、「東京東部星野文昭さんを取り戻す会」の2人は、大坂正明さんが拘置されている葛飾区小菅の東京拘置所へ差し入れに赴いた。距離的に近い当会は、外部交通を遮断された大坂さんに、身近で支え励ます人が存在するということを伝えたかった。
 会員から、孤独で殺風景な居房にあって、明るさと潤いをかもす「花」が差し入れに好適との助言を得ていた。私たちは拘置所門前の差入屋「池田屋」さんに足を運び、「花」の差し入れをお願いした。差し入れ人名には個人名と共に「星野文昭さんを取り戻す会」を記した。また、2人分の「花」が同時に房へ届くのではなく、大坂さんが少しでも長く「花」と共にあるよう時間差を図っていただいた。その後、拘置所内に入り、些少の現金を差し入れた。
 ところが、である。翌日、池田屋さんから「花の差し入れは不許可とのことなので、代金を返します。取りに来て頂きたい」と連絡が入った。なんと「花」をも拒絶する拘置所。検察・裁判所の人権無視の姿勢、悪辣な処遇の卑劣さに驚嘆と怒りを覚えた。
 3日後、池田屋さんに伺った。来店の目的を告げると、即座に、店の女性から「星野文昭さんはどうしているの」と言葉をかけられた。私には予期しない驚きの言葉であった。「実は……」と現状を話し「徳島刑務所に移監されていた」ことも告げた。返ってきた言
葉は「徳島に行ってたの。お父さんがよく訪ねて来ていたのよね」と感慨深く語る。30数年前になろうか。この地に足しげく訪れたであろう文昭さんの父上の姿に思いを馳せた。


星野新聞第90号 掲載