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大坂正明さん裁判勝利へ シリーズ②
星野さんの闘いと一つ

連載開始にあたって
 1971年11月14日、星野文昭さんと共に渋谷闘争を闘った大坂正明さんの裁判が、来年にも行われる見込みとなっています。星野さんと大坂さんの裁判における証拠構造はまったく同じであり、大坂裁判において無罪をかちとることは星野さんの再審開始・無罪に直結します。このような観点から大坂正明さんの闘いと裁判について、5回にわたり連載します。
星野と大坂、そして青年の団結で 東京地裁へ怒りのシュプレヒコール
(9月19日 東京霞が関)
 無実の証拠を提出
 大坂正明さんの裁判は公判前整理手続の一環である3者協議(弁護人と裁判官と検察官による攻防)が、2017年8月から始まり、本年9月25日に21回目が行われました。この日、弁護団は大坂さんは無実であることを明らかにする具体的な主張を全面的に表明しました。
 刑事裁判では、検事に立証責任があり、検事が「事実」を証明できなければ無罪です。だから検事側立証が何も行われていない段階で、弁護側の立証を求められるのは刑事裁判の原則を踏みにじるものです。ところが裁判員裁判では、公判前整理手続段階で証拠を提出しなければ、裁判が始まってからでは提出できないというのです。ここにも裁判員裁判の違憲性が明らかです。
 しかし、大坂さんと弁護団は、星野文昭さんの裁判と再審で争われた証拠をふまえれば、大坂さんの無実は完全に証明できるという確信のもと、検事のでっち上げを打ち砕く多数の証拠を突き付けました。
 第1は、沖縄闘争に対する弾圧であることをはっきりさせる証拠です。
 71年当時、「沖縄返還」という言葉は、沖縄においては「基地撤去」と同義でした。米軍施政権下で続く連日の米兵による犯罪、これに対する裁判権もない現実。激化するベトナム戦争。こうした現実を変えたいという県民の強い思いが、本土復帰要求として高まっていました。その思いを逆手に取った日米両政府の「沖縄返還協定」に対して、沖縄で2度のゼネストを頂点とする激しい反対運動がたたかわれていました。この沖縄の思いを明らかにしたものです。
 星野さんや大坂さんが人生をかけてきた闘いは沖縄闘争の正義です。今日、排外主義をあおりたて、改憲・戦争へと突き進む安倍政権と根底的に対決し、辺野古新基地建設を許さず沖縄民衆の闘いと連帯する、すぐれて現在的な闘いとして大坂裁判は闘われます。
 第2に、国家暴力を前面に押し出した弾圧体制=警察による過剰警備の実態を明らかにし、その違法性を徹底弾劾する証拠です。星野さんや大坂さんたちが、戒厳体制を打ち破ってデモに決起したことは全くの正当な行為であり、警察の暴力こそが罪に問われねばなりません。
 第3に、大坂さんが機動隊員を殴打したと供述した学生たちは、警察官や検察官の誘導と強制によってウソの供述をしたという事実を明らかにする証拠です。
 第4に、殴打現場に、大坂さんはいなかった事実を明らかにする証拠です。
 さらに、そもそも大坂さんには時効が成立していたと言え、起訴自体が違法であるから直ちに免訴にしろという要求も、3月に続き強くたたきつけました。
 大坂さんと弁護団の闘いは裁判官と検察官を決定的に追い詰めています。でっち上げ弾圧を暴き、大坂さんの無罪を勝ちとろう。 


星野新聞第86号 掲載