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9.5全国総会 基調報告
星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議
2015年総会 基調報告      2015・9・5










[1]戦争法案粉砕・安倍政権打倒の闘いと一つに星野文昭さん解放へ
⑴新たな情勢開く100万人の決起

 8月30日、12万人の労働者民衆が国会を包囲したのを先頭に、全国300カ所以上で100万人が決起し、戦争法案粉砕・安倍政権打倒の闘いが展開されました。国会前の道路を機動隊が規制していましたが、労働者民衆の前に「堤防決壊」となりました。国会前は解放区になり、労働者民衆の怒りが解き放たれました。
 議員会館前では、動労千葉、全学連、青年労働者を中軸に熱気と戦闘性に満ちあふれる集会がかちとられました。「9・13国会前へ」ビラが吸い込まれるように参加者に配布され、次の闘争方針が鮮明になりました。
 情勢は完全に変わりました。60年、70年を超える闘いの始まりです。「安倍を倒そう! 安倍なんか倒せる」という熱気が、物凄い勢いで広がっています。この闘いは不屈であり、後退することはありません。安倍政権に対して、労働者民衆は根底的な怒りをもって闘っています。この怒りで「戦後70年談話」攻撃は、こなごなに粉砕されました。
 今求められているのは、労働者民衆の怒りと闘いの中軸に労働組合の組織された闘いが立つことです。闘う労働組合を中軸に、全学連と青年労働者が先頭に立って総決起した時、労働者階級の根源的な力が爆発します。9月闘争で戦争法案を粉砕し、安倍政権を打倒しよう! 
 ついに、星野文昭さんを取り戻す情勢が来ました。9・6徳島刑務所デモを大爆発させ、9月闘争に総決起しよう。この9月から11月を、闘って闘って闘い抜き、星野さんを私たちの手に取り戻そう。

⑵「街」弾圧粉砕
 8月14日、でっち上げ「詐欺罪」で逮捕されていた「オープンスペース街」の仲間2人を取り戻しました。安倍政権と公安警察総がかりの弾圧を完全に粉砕したのです。
 星野暁子さんは不起訴・釈放の連絡を聞くと、杉並絵画展にむけた労組まわりを中断して駆けつけ、2人と抱き合って勝利を喜びました。
 「街」は障害者解放のための作業所として23年間、地域住民に支えられて活動してきました。星野さん解放の闘いに早くから取り組み、階級的労働運動、反戦闘争・反原発闘争の最先頭で闘って来ました。
 安倍政権と公安警察はまさに戦争攻撃として、地域に根付いた拠点をつぶすための卑劣な弾圧をかけてきたのです。公安刑事は「2年間も張り込んで準備した。絶対につぶしてやる」と豪語し、病気をかかえる2人を連日6~8時間も取り調べる拷問的な転向強要攻撃を加えました。
 逮捕された2人は、星野さんと一体で完全黙秘を貫きました。これが勝利の最大の要因です。北部ユニオンを中心とする労働組合が総決起し、地域住民、救援運動、弁護士一体の闘いで反撃して弾圧を打ち破りました。連日の激励行動、ビラ、街宣、都内の作業所まわり、さらに裁判所包囲デモが闘われました。弾圧に反撃することによって運動を拡大する闘いが展開されました。
 2人は、「これで一歩、星野さんに近づけた」、「星野さんがいるから闘える。その意味がわかった」と語りました。これを聞いた暁子さんは、「闘うみんなの中に星野文昭が生きていることを実感しました」と言っています。
 この勝利は、安倍政権の戦争攻撃を打ち破る闘いの中で、星野文昭さんを取り戻せることを確信させるものです。

[2]星野闘争の前進
⑴全国で絵画展と集会
 昨年の6・29全国集会において、星野文昭さん解放の歌「ソリダリティ」、「取り戻そう星野」、「あの坂を登って」の3曲を発表しました。これらは、100万人の労働者民衆と結びつき、星野さんを取り戻す階級的・政治的力をつくるための武器としてつくられたものです。今日では多数の集会で自然に歌われ、『愛と革命』と一体になって、広範な労働者民衆を結集する力を発揮しています。
 昨年の11・29全国集会で「連鎖的に絵画展と集会を行い、全国に星野救援会を結成しよう」という方針を確立しました。この方針は物凄い勢いで実現されています。8月までに全国50カ所以上で絵画展と集会が開かれ、いずれも大成功しています。その跳躍台となったのは、沖縄絵画展です。
 沖縄絵画展は、5・15闘争と一体で沖縄の労働者民衆の怒りの結集点となりました。実行委員会がつくられ、労働組合を中心に多様な人たちが総決起しました。カラービラを1万5000枚作成し、辺野古現地闘争、憲法集会で配布すると共に、県庁を始めとする職場でまき、教会やお寺、図書館や公民館、法律事務所等にも置いてもらいました。
 640人が「新たな闘いを求めて」会場に足を運び、ここから「オール沖縄」の限界を乗り越える闘いが始まっています。絵画展によって、安倍政権・辺野古新基地建設への怒りと星野闘争が一つになったのです。
 新潟絵画展は、「沖縄闘争を闘った星野さん」を前面に打ち出ました。150人の来場者のほとんどが、星野さんの闘いをストレートに理解し、支援を表明しました。実行委員会は、それまで蓄積されてきた動労千葉物販を土台に60を超える労働組合をまわり、取り組みを訴えました。高教組分会から署名が届き、星野さんの存在と闘いが安倍政権打倒を闘う民衆の希望の星となっていることを実感しました。
 埼玉県の越谷絵画展は、自治体の労働組合を階級的に闘う組織として体制内指導部の手から奪い返す闘いと一つのものとして、自覚的に行われました。その位置づけの下に地域の労働者が総決起して、従来とは一桁違うビラをまき、絵画展のすべてを担いました。
 どの絵画展をとっても、まかれたビラは従来とは桁違いです。仮に1カ所5000枚とすると、全国で25万枚のビラがまかれています。これを労働者を始めとする仲間たちが自己の課題として貫徹し、さらに、絵画展の設営から運営、撤収まで担いました。星野闘争で100万人と結びついていく闘いが力強く始まったのです。
 九州、広島、徳島、関西、東京、みやぎ、福島、秋田、札幌等全国で、大きな前進をかちとっています。愛知や長野等、救援会が無かったところでも、絵画展が成功しました。
 沖縄や栃木では記者会見を開きました。また各地でマスコミへの訴えを積極的に行った結果、新聞やラジオ、ケーブルテレビ等で紹介されました。それによって星野さんの闘いと絵が多くの人に知られるようになり、さらに来場者が拡大しました。
 6・6星野闘争全国討論会は全国の教訓を持ち寄り、「この闘いで必ず星野さんを取り戻せる」という確信を生み出しました。

⑵新たな救援会の結成
 これらの闘いの上に、「星野さんをとり戻す会・愛知」と「高知・星野さんを救う会」が結成され、星野救援会は全国29になりました。
 さらに、「星野さんを取り戻す会・三重(準)」が結成され、他の地域でも絵画展開催を契機に救援会の結成に向けた闘いが進められています。

⑶労働者階級の正面課題
 この1年でかちとられた大きな前進は、労働者階級と労働組合が星野さん解放を自己の正面課題として総決起し始めたことです。
 星野闘争は、2010年の全国総会をもって大飛躍しました。「労働者階級の力で星野文昭さんを取り戻そう」という路線を確立し、労働組合を基軸として100万人の署名を集める闘いに挑戦してきました。
 その闘いが今、連鎖的な絵画展と集会を通して実現されつつあります。どの絵画展でも、労働組合が実行委員会の中軸に位置し、市民運動や救援運動、宗教者など広範な人々が結集しています。中軸が明白になることで、多種多様な人々が決起するようになりました。
 星野闘争自身も、戦争反対、原発再稼働阻止、辺野古新基地建設阻止、国鉄闘争、外注化・民営化・非正規職化反対、福祉や医療切り捨て反対等を積極的に闘ってきました。
 鈴木達夫弁護団長の都知事選と衆議院選挙立候補、北島邦彦さんの杉並区議選を全力で闘いました。

⑷全証拠開示・再審開始100万署名運動
 7月21日、「全証拠開示・再審開始100万人署名」2万6540筆を東京高裁第12刑事部に提出しました。第2次再審請求以来、5次にわたって提出した署名は、総計6万5857筆になります。
 全国で絵画展・集会が開かれることによって、全証拠開示・再審開始を求める100万署名は明らかに加速しています。全国の会が地域の労働組合や市民運動、救援運動に積極的に署名を持ち込むことによって、確実に組織的な取り組みが広がっています。労働組合として集めた署名が各地から寄せられています。
 無実の星野文昭さんを取り戻そうという必死の訴えが、100万人の署名をもって広範な人々と結びついています。

⑸星野さんの健康と権利を守る闘い
 戦争が始まる時、獄中の人権が真っ先に奪われます。徳島刑務所の劣悪な環境と闘う星野さんを守るために、地元の徳島・救う会を先頭に繰り返し申し入れを行ってきました。
 星野さん自身の健康維持の努力と一つになって、健康と権利を守ってきました。星野さんは獄外の病院で検査して「びらん性胃炎」であることが分かり、長年悩まされていた皮膚病が「疥癬」ではなく、慢性湿疹であることが判明しました。
 面会・手紙国賠は、昨年7月、一部勝訴をかちとりました。東京地裁は友人面会を認めない不当判決を出しましたが、再審請求人である星野文昭さんと再審弁護団が看守の立会い無し、時間制限なし、回数外で接見する権利を認めました。
 ところが徳島刑務所は今年5月、「岩井信弁護士の接見で回数が終了した」という口実で、暁子さんの面会を拒否しました。判決を踏みにじる暴挙であり、絶対に許せません。
 面会・手紙国賠の控訴審判決は9月16日です。東京高裁第9民事部の極悪裁判長・奥田正昭の反動判決を許さない闘いをやり抜こう。

⑹治安弾圧との闘い
 戦争の時代は、治安弾圧激化の時代です。これを打ち破るために、救援連絡センターを国家権力と闘う組織として原則的に確立することは決定的に重要です。闘いの中軸は、完全黙秘・非転向にあります。これを絶対に曖昧にしてはなりません。
 1月には「現代の治安維持法と闘う会」が結成され、盗聴の拡大、司法取引、匿名証人等導入との闘いの先頭に立っています。
 かつては革共同政治局員であった岸と水谷が、極悪の反革命的な本を出版しました。これは、政府・国家権力の手先となって労働者階級の闘いを攻撃するものであり、星野文昭さんに対する許しがたい敵対です。
 権力のスパイ荒川碩哉による星野闘争破壊とこの1年闘ってきました。

[3]9月闘争から11月の高揚へ
⑴9・6徳島刑務所デモ
 
9・6徳島刑務所デモに総決起し、星野文昭さん解放の展望を開こう。
 この闘いは9月決戦の重大な一翼をなし、星野闘争が戦争法案粉砕・安倍政権打倒を全力で闘う決起です。
 星野さんは70年安保・沖縄闘争に対する報復としてかけられた無期懲役に屈することなく、絶対反対、非転向で闘っています。無期の獄中から「すべての人間が人間らしく生きられる社会」を訴えて、暁子さんとの愛と団結を貫いています。その生き方と訴えは、絵画展を通して全国の労働者民衆に感動を生み出しています。
 星野さんの闘いは、新自由主義の最大の攻撃としてあった国鉄分割・民営化と絶対反対で闘い抜く動労千葉・動労水戸と根底的に団結するものであり、本質的に一体の闘いです。
 星野さんは政治犯です。41年の獄中闘争を闘う星野さんを取り戻すには、政府・国家権力、刑務所と徹底的に闘い、星野さんが言う通り「出さざるを得ない」力関係を強制するしかありません。まさにそのための総決起が9・6徳島刑務所デモです。
 「あの坂を登る」戦闘的デモで、星野さんを取り戻そう。

⑵歴史選択をかけた9月闘争
 9月闘争は、日本と世界の歴史選択をかけた闘いになりました。安倍政権が「60日間ルール」にすがったことによって、9月14日までの参議院攻防と、それ以降の衆議院再可決をめぐる攻防が、9月闘争として浮かび上がっています。
 衆議院における強行採決によっても、戦争法案をめぐる攻防は何一つ決着がついていません。それどころか、政治史上最も凶悪な強行採決は、社会を根底的に変革してやまない労働者民衆の陸続たる決起を生み出しています。
 8・6ヒロシマでは、記念式典で安倍への弾劾が浴びせられ、会場から拍手が起きました。戦争反対・安倍打倒をかかげるデモに、沿道から熱烈な声援が寄せられました。
 8・9ナガサキでは、昨年の城臺美彌子さんに続いて、被爆者代表の谷口稜曄さんが「戦争につながる安保法案は許すことはできません」と安倍を弾劾し、万雷の拍手がわき起こりました。
 安倍「戦後70年談話」は、侵略戦争の歴史を全面的に居直るもので、「おわび」も「謝罪」も完全に拒否しています。最後の結論は、「積極的平和主義の旗を高くかかげて」戦争に向かって突進するという極悪の戦争宣言です。
 労働者民衆の闘いに追い詰められた安倍政権は「朝鮮半島有事」を持ち出し、排外主義と国家主義をもって国会内野党を組み伏せ、日本共産党の裏切りをも引き出して、一切の反対派を屈服させようと企んでいます。
 9月闘争は、戦争法案成立を絶対に阻止する闘いと外注化による国鉄闘争の破壊・安全崩壊を許さない闘いを中軸に、原発再稼働阻止、汚染地への帰還強制・常磐線全線開通を打ち破る闘い、辺野古新基地建設阻止、非正規職化粉砕、医療・福祉の破壊阻止等、多岐にわたる闘いです。
 最大の攻防は戦争法案阻止です。その焦点は「自国防衛戦争」を認めるかどうかにあります。国会内野党はすべて、「集団的自衛権がなくても個別的自衛権で対応できる」と安倍政権に屈服しています。SEARDSも同じです。「自衛戦争」なら肯定する立場を表明し、警察権力と一体になって国会前の高揚を押さえようとしています。
 かつて第1次世界大戦突入時に、労働者階級の国際組織としてあった第2インターナショナルが「祖国が敗北しても良いのか」という恫喝に屈して戦争絶対反対の立場を投げ捨て、それぞれ自国の戦争に協力して大崩壊して行ったのと本質的に同じ情勢が進行し始めています。
 しかし逆に、「祖国防衛」や「自衛戦争」を敢然と拒否し、戦争の根源である資本主義・帝国主義打倒を真っ向から訴えて闘い抜くならば、ゼネスト・革命に向かって総決起する情勢が訪れています。あらゆる「自衛戦争」容認のインチキを暴き、労働者階級人民を体制内の呪縛から解き放つことで、戦争法案を打ち破り、安倍政権を倒すことができます。

⑶世界大恐慌と戦争情勢
 世界大恐慌は、今や「恐慌の中の恐慌」に突入し、その本格的爆発を開始しています。
 8月24日の世界金融市場は、世界同時株暴落になりました。東京市場は1万9000円を大きく割り込み、わずか1週間で3000円も下落しました。ニューヨーク市場は一時1000ドル以上も下げました。これは、中国バブルの崩壊と経済大減速、金利引き下げを引き金にし、その後も乱高下を繰り返しながら、株価崩落が続いています。原油、穀物等の資源価格も下落し、「恐慌の中の恐慌」が本格化して世界経済全体を覆っています。
 中国バブル崩壊の根底には、どうにもならない過剰資本・過剰生産力の問題があります。それが全世界的な過剰資本・過剰生産力の「壁」との激突となり、そのことがまた、次の巨大な矛盾と破綻を生み出すしかないのです。
 その先頭にアメリカがいます。アメリカが踏み切ったゼロ金利と量的緩和が、全世界、とりわけヨーロッパにとんでもない債務危機と財政赤字を生み出しています。アメリカは、利上げを実行できない情勢になっており、「経済の回復」なるものは形を変えたバブルの虚構でしかありません。「サブプライムローン」の自動車版が1兆ドルを超えました。
 もっと危機に追い込まれているのが日本です。日本は中国バブル崩壊の直撃を受け、アベノミクスなるものは完全に崩壊しました。4~7月のGDPはマイナスになり、年金積立金まで投入した株価は完全に崩壊しました。
 世界大恐慌の深化の中で、アメリカを先頭に大国間の争闘戦は激化し、ウクライナ-中東-東アジアの三正面で戦争の危機が深まっています。現在の戦争は、核戦争であり、1%のために99%を殺し合わせるものです。世界大恐慌と帝国主義破滅の危機こそ、今日の戦争の元凶です。
 朝鮮半島においては、米韓合同軍事演習が大規模に展開され、これに北朝鮮が軍事的に対抗して、実際に砲撃戦が展開されるまでになっています。この情勢の最中に、沖縄において日米軍の秘密部隊が合同訓練を行い、ヘリコプターが墜落する大事故が起きています。
さらに、米軍相模補給廠の倉庫が爆発炎上しました。

⑷闘う労働組合を中軸に
 安倍政権は、改憲・戦争攻撃になりふりかまわずのめり込んでいますが、戦争法案を可決するだけでは、実際に戦争を遂行することはできません。
 労働組合を破壊し、階級的団結を解体して、労働者階級総体を戦争翼賛勢力に変質させることなしには、戦争に動員することはできません。だからこそ安倍は、強行採決に先立ってUAゼンセンの会長で次期連合事務局長とされている逢見直人と密談し、さらに動労千葉鉄建公団訴訟における6・30最高裁棄却決定を下したのです。
 JRの安全を崩壊させることが明白な外注化を強行しているのは、闘う労働組合の中軸で不屈に闘っている動労千葉、動労水戸を解体するためです。動労千葉、動労水戸は、唯一、新自由主義攻撃を打ち破っている闘う労働組合です。だからこそ安倍政権は、労働組合解体の第2の分割・民営化を、死活をかけた攻撃としてかけてきているのです。
 これに対して、動労千葉を先頭とする階級的労働運動派は、国鉄分割・民営化絶対反対を貫き、連合の完成を破綻させて、戦争・改憲攻撃を阻んできました。国鉄決戦を基軸に階級的労働運動を徹底的に推進することで、「労働組合を解体できない限り改憲も戦争もできない」という階級的力関係を強制し続けてきました。
 この地平で、原発再稼働阻止、帰還強制粉砕、被曝労働拒否の闘いが爆発していきます。さらに、民営化・外注化粉砕、辺野古新基地建設阻止、労働法制改悪阻止、三里塚第3滑走路建設阻止・市東さんの農地取り上げ粉砕などあらゆる闘いが、階級的労働運動を基軸に立体的に爆発していくのです。
 安倍政権は、犠牲の一切を労働者に押し付けようとしています。外注化・民営化、非正規化が激しく進行し、労働者、とりわけ青年労働者に生きていけない現実を強制しています。医療や介護、社会補償が破壊され、切り捨てられようとしています。新自由主義は人間社会の基本的あり方を破壊しています。人間が本来持つ共同性や団結を断ち切り、人間が人間として生きられない世の中を強制しているのです。
 その対極に位置するのが、労働者の団結を基軸とする労働組合です。戦争と新自由主義を打ち破り、「すべての人間が人間らしく生きられる社会」を生み出す根源的な力は、労働組合にあります。動労千葉労働運動を全面発展させる動労総連合の全国的建設をかちとり、これを中軸に総決起すれば、必ず労働者民衆は安倍政権を打倒できます。
 8月26日、鈴コン闘争は、闘いの原点である故田口さん解雇を不当労働行為と認め、解雇撤回の東京都労委命令をかちとりました。この大勝利は、非正規労働者が組合を結成して立ち上がる道を大きく開くものです。

⑸国際連帯の発展を
 韓国においては、民主労総が韓国労総と共に、第1次、第2次のゼネストをかちとり、逮捕令状か出されたハンサンギュン委員長が「今秋11・14全国労働者大会のその日をパククネ打倒の民衆総蜂起の日とする」という宣言を発して、第3次ゼネストに向かって闘っています。全世界の労働者人民に、今こそ新自由主義打倒のゼネストに総蜂起しようと訴えているのです。
 戦争をあおる米韓合同軍事演習に対して民主労総、韓国労総など32団体が、8月17日に即時中止を求める記者会見を行い、パククネ政権に抗議しました。
 1%のために99%を殺し合わせる戦争に対して、全世界の労働者階級が立ち上がっています。
 アメリカにおいては、ILWU、UTLA等を先頭に、ゼネスト決起で1%の支配を打倒する闘いが前進しています。
 ドイツ労働者との連帯も進み、トルコの労働者と連帯する情勢が訪れています。

⑹11・29星野全国集会をかちとろう
 11月29日、東京の星陵会館で全国集会を開きます。
 今年の連鎖的な絵画展と集会が切り開いたあらゆる前進と飛躍を集約し、これまでにない広範な結集をかちとろう。労働組合はもちろん、多種多様な人たちが結集する画期的な集会とし、2016年の展望を切り開こう。
 11・1労働者集会の成功と一体で、11・29星野全国集会をかちとろう。

[4]再審闘争
⑴星野文昭さんは無実だ
 無実の星野文昭さんを今も無期懲役の獄に閉じ込めているのは、1983年に東京高等裁判所第11刑事部(草場良八裁判長)が下した確定判決です。これを打ち破り、再審開始・無罪をかちとることが、再審闘争の最大の目的です。
 確定判決は、星野さんが①機動隊員を「殴打した」、②「火炎びん投てきの指示をした」と認定しました。これが、星野さんを無期懲役とする唯一の根拠です。
 星野さんは無実です。星野さんは、機動隊員が攻撃されている時、そこから離れた十字路に立ち、NHK方面に現れた別の機動隊の動きを注視していました。機動隊員を殴打していないし、火炎びん投てきの指示もしていません。
 当然のことながら、星野さんを有罪とする物的証拠は一切ありません。あるのは、警察の密室でつくられたデモ参加者6人の「供述調書」だけで、そのうち3人が少年です。「殴打」についてはKrさん(当時18歳)の供述調書が、「火炎びん投てきの指示」についてはAoさん(同19歳)とArさん(同17歳)の供述調書が、核心的証拠です。

⑵「供述調書」は決定的に崩れた
 確定判決を覆す最重要の闘いは、6人、とりわけ3人の供述調書の信用性を弾劾することにあります。今闘っている第2次再審の異議申し立て(異議審)は、第1次再審請求以来の全成果の上に展開されています。
 第1次再審請求審は不当にも退けられましたが、2008年最高裁を、星野さんの服装の色に関するKr供述調書の誤りを認めざるを得ないところに追い込みました。最高裁は闘争当日の星野さんの服装の色が薄青であり、Krさんが言う「きつね色」ではないことを認めました。Krさんは星野さんとは初対面であり、服装の色を根拠に殴打者が星野さんであると特定したのです。その服装の色が違うのだから星野さんは無実であり、ただちに再審を開始しなければなりません。にもかかわらず最高裁は、何度読んでも意味が通じない文章を書いて、特別抗告を棄却しました。しかし、最高裁に服装の色の違いを認めさせたことは、確定判決の核心を揺るがす決定的な前進です。
 第2次再審請求において、「厳島鑑定書」を提出しました。これは、3人の「供述調書」を科学的に解析し、警察・検察の誘導によってつくられたものであることを明らかにしました。
 確定判決は、6人の「供述調書」が「詳細かつ具体的」だから信用できるとしています。これは、まったく逆です。1分間にも満たない出来事を、3カ月以上後に、まるでビデオテープを回すように「詳細かつ具体的」に供述しているのは、警察・検察の誘導の結果であることを、「厳島鑑定書」は科学的に明らかにしました。
 さらに三者協議を開いて全証拠開示を要求し、159枚の写真の開示をかちとりました。その中に、殴打現場を通過後の星野さんを写した写真(「一郎丸写真」)がありました。星野さんが右手に持つ白い紙の巻かれた鉄パイプは真っ白なままで破損もなく、殴打の痕跡は一切ありません。これこそ、星野さん無実の決定的な証拠です。
 6人の「供述調書」は決定的に崩れたのです。

⑶第2次再審棄却決定を打ち破ろう
2012年、東京高裁第11刑事部(若原正樹裁判長)は、第2次再審請求を棄却しました。若原は、警察・検察の誘導は「記憶喚起に有効」という目を疑うような文章をもって星野さんの再審請求を退けたのです。
 その上、「一郎丸写真」には「不鮮明ながら損傷らしき痕跡」があるとしました。許せないのは、「精密な鑑定を行うためにネガを開示せよ」という弁護団の要求を拒否したまま、棄却決定を出したことです。
 この棄却決定を打ち破るために、現在、異議審を闘っています。
 三者協議で闘って、ついに「一郎丸写真」のネガデータを開示させました。三宅洋一千葉大学名誉教授の「鑑定意見書」は、東京高裁の言う「痕跡」なるものは「一定幅の環状の線」であり、殴打の痕跡ではないことを科学的に明らかにしました。
 星野さんが殴打などしていない決定的な物証が「一郎丸写真」なのです。
 最高裁決定が服装の色の違いを認めたことに加えて、三宅鑑定によって鉄パイプに何の損傷もないことが証明されたことによって、確定判決の核心証拠であるKr供述調書の信用性は決定的に崩れました。そのさらなる検証のためには、民間目撃者11人の供述調書開示が絶対に必要です。

⑷11名の現場目撃者の供述調書開示をかちとろう
 星野さんと再審弁護団は、現場目撃者11名の供述調書の開示を求めています。最大の攻防点はここにあります。
 11名の現場目撃者はなんの利害関係もなく、闘争後日を置かずに供述調書を作成されました。そこに真実の断片が残されている可能性があります。ところが検察官は、その開示を拒否する「意見書」を8月7日に出してきました。労働者民衆の怒りでこれを粉砕し、何としても開示させよう。
 11人の供述調書開示を突破口に、検察官が隠している全証拠開示に攻め上ろう。
 「無実の証拠は検察庁の倉庫にある」(客野美喜子さん)のです。

⑸奥田反動判決を打ち破ろう
 全証拠開示の闘いの一環としてビデオ国賠訴訟を闘って来ました。これは、渋谷闘争当日のテレビニュースを警視庁公安部が録画したビデオテープ2巻を、「紛失」と称して証拠隠滅したことを弾劾する裁判です。
 昨年9月、東京地裁は国(裁判所)と東京都(警視庁公安部)の責任を認め、それぞれに20万円の賠償支払いを命じました。
 今年5月、東京高裁第9民事部の奥田正昭裁判長は、逆転敗訴の許しがたい反動判決を出しました。
 奥田は、裁判所の職員や警視庁公安総務課長が将来重要な証拠となる可能性を認識していなければ、ビデオテープを粗雑に扱ったり、失くしても責任を問われないというのです。 こんなでたらめな判決は絶対に認められません。これは、無実を訴えている星野さんが、真実を究明するために、全ての証拠にアクセスするという当然の権利を奪うものです。同時に、警察・検察に証拠隠滅をそそのかす極悪の判決です。
 これは全証拠開示100万人署名運動を真っ向から否定するものであり、星野さんと弁護団は、こんな判決は絶対に許せないと7月末に上告し、満身の怒りをこめて「上告理由書」と「上告受理申立理由書」を提出しました。奥田極悪判決を何がなんでも打ち破ろう。

[5]2016年の闘いへ
⑴星野闘争の3つの課題
 星野文昭さんを取り戻す闘いは、①星野さんの健康と権利を守る闘いを絶対的な土台として、②確定判決を打ち破る再審闘争と、③労働者階級を中軸とする巨大な大衆運動を、両輪として成り立っています。
 この闘いを2016年の闘いで大飛躍させ、星野さん解放の展望を何としても切り開こう。

⑵全証拠開示て再審開始をかちとろう
 現在、闘っている異議審に勝利し、再審開始・無罪釈放をかちとろう。
 最大の攻防は、確定判決を支える核心証拠である、デモに参加した6人、とりわけ3人の少年の「供述調書」を打ち破ることです。第1次再審以降のの全闘いによって、警察の密室でつくられた「供述調書」の信用性は決定的に崩れています。ここを徹底的に攻撃し、星野さんの無罪・釈放の道を開こう。
 ①「一郎丸写真」に関する三宅洋一鑑定意見書を武器に三者協議をかちとり、裁判官、検察官と徹底的に闘う。
 ②11人の民間目撃者の供述調書を開示させる。
 ③それを突破口に、検察官が隠し持つすべての証拠を開示させる。
 ④「供述調書」の信用性をさらに決定的に崩していく。
 ⑤十字路から見た光問題など、星野さん無実を積極的に証明していく。
という闘いが攻防の焦点です。
 再審弁護団と固く団結し、再審闘争の勝利を切り開こう。

⑶大衆運動の大飛躍を
1.全証拠開示・再審開始100万人署名

 全証拠開示・再審開始を求める100万人の署名を全国で集め、星野さんを取り戻す政治的・階級的力関係をつくろう。各地で労働組合への働きかけが進んでいます。ついに、組合として集めた署名が届くようになりました。これを基軸に、救援運動、市民運動や宗教者などに呼びかけ、多種多様な人たちが結集する運動をつくり出そう。
 星野文昭さんは、沖縄闘争を闘ったが故のでっち上げ無期41年投獄を、絶対反対・非転向の闘いで打ち破ってきました。これは、国鉄分割・民営化と絶対反対で闘い抜き、新自由主義攻撃を打ち破ってきた動労千葉と根底的な地点で結びつく、「労働者階級の魂」とも言うべき闘いです。
 7月5日、「戦争絶対反対! 許すな改憲! 1000万人署名」が呼びかけられ、全国での取り組みが始まりました。労働組合を中軸にして、最も広範な人々が結集する運動です。真に100万人の署名を集める展望を開く、巨大な援軍の登場です。
 星野さんを取り戻すために、戦争法案粉砕・安倍政権打倒の1000万人の決起と結びつき、全証拠開示・再審開始100万人署名に総決起しよう。

2.絵画展・集会をさらに開き全国に星野救援会を
 絵画展は、広範な人々が星野文昭さんの存在を知り、その闘いにふれる場になっています。各地の絵画展では、様々な出会いがありました。沖縄絵画展が示したことは、多くの人たちが「新たな闘いを求めて」会場に足を運ぶことです。
 2015年に続き、絵画展を成功させて全国に星野救援会をつくろう。
 松川闘争においては、全国に1000を超える「松川救援会」がつくられ、これが勝利の原動力になりました。

3.国際連帯の発展を
 星野文昭さんの闘いは、国際連帯の決定的に重要な課題となっています。
 41年間、不屈・非転向の闘いは、国内の労働者階級にとどまらず、世界の労働者階級を無条件で獲得する力を持っています。労働者は国境や民族を超えた一つの階級であり、本質的に世界的存在です。そして、自分たちの仲間が国家権力によって投獄されている時には、直ちに団結し、その解放のために共に立ち上がるのです。
 毎年訪れる民主労総の仲間たちは、喜んで星野署名に協力してくれます。
 アメリカでも、サンフランシスコにおいて「フリー・ホシノ」の闘いが行われました。
 9・6徳島刑務所デモを、「フリー・ホシノ」の国際的闘いとして呼びかけています。

4.『星野再審ニュース』の一大飛躍を
 星野闘争を全社会に知らせ、運動を拡大していくために宣伝、煽動の一大飛躍をかちとるために、『星野再審ニュース』を新聞として発行することを提案します。
 これまでのパンフレット形式でかちとってきた前進の上に、100万人の運動にふさわしい新聞をつくりましょう。新聞として『星野再審ニュース』を発行することによって、広大な人たち結びつく運動への発展をかちとることができると考えます。

5.財政の強化をかちとろう
 星野闘争は全国的な運動として大きな飛躍をかちとってきました。29カ所で星野救援会が活動し、すべての都道府県に救援会を結成するために闘っています。
 この闘いの中で、星野闘争の財政強化をかちとることが求められています。再審闘争を支え、100万人と結びつく新聞を発行するためには、独自の財政的力が必要です。
 星野闘争の財政は、再審裁判のための費用と運動の展開のための費用の2つから成り立っています。これまで、第1期から第4期までの再審カンパに取り組んでいただきありがとうございます。
 その上に2016年の飛躍のために、何としても運動体としての財政の強化をかちとる必要があります。その最大のカギは、「賛同会員」の拡大です。これを中軸に、夏季・冬季のカンパ、恒常的なカンパ、ニュース代等の着実な納入等に取り組んでいきます。また、全国からの貴重な財政を生かすために、日常経費の節約にも努力します。
 全国と各地の会の財政的力の強化・拡大を2016年の目標として闘おう。

6.奥深山幸男さんの免訴をかちとり生きる権利を守ろう
 検察官は、奥深山さんの裁判を再開し、保釈を取り消せという許しがたい攻撃をかけています。
 星野さんと共に渋谷闘争に決起し、病気と闘っている奥深山さんの裁判打ち切り、免訴をかちとろう。奥深山さんの生きる権利をまもろう。

7.治安弾圧との闘いの先頭に立とう
 戦争の時代は、治安弾圧強化の時代です。
 盗聴の拡大、司法取引、匿名証人を導入しようとしている「新捜査手法」関連法案を絶対に粉砕しよう。「現代の治安維持法と闘う会」、「裁判員制度はいらない! 大運動」と団結して、戦争攻撃、治安弾圧攻撃を打ち破ろう。
 「救援連絡センター」を、完全黙秘を中軸に国家権力の弾圧と原則的に闘う機関として確立しよう。完全黙秘を、労働者民衆の闘う原則として確立しよう。
 国家権力の弾圧と闘うあらゆる運動と固く団結して闘おう。

⑷星野文昭さんの健康と権利を守ろう
 日本の刑務所はあまりにも劣悪で非人間的です。その中に41年も閉じ込められている星野さんの健康と権利を守る闘いは、いっさいの運動の土台をなす闘いです。
 徳島刑務所は、居房にエアコンを入れず、湯たんぽやポケットカイロの使用も認めていません。夏には、濡れたタオルで体を拭くことすら禁止しています。「自殺防止」と称して、上の窓を開けることも禁止です。
 総計94人が面会した地平を破壊するために、2010年5月以来、友人面会は事実上禁止され、旧監獄法の時代に逆戻りしています。
 暁子さんを始め、全国から寄せられた手紙の墨塗りが続いています。
 面会、手紙、差し入れの一切を許さない「禁止処分」が何人も出されています。
 面会・手紙国賠は、9月16日に控訴審判決を迎えます。この裁判に勝利して、自由な友人面会をかちとろう。手紙墨塗りをやめさせよう。

結語 9・6徳島刑務所デモ
 2012年2月5日と2013年9月8日、2回にわたって徳島刑務所デモを行いました。私たちの呼びかけは獄壁を超えて星野さんに届き、「まるで集団面会をしているようだ」と星野さんは語りました。
 徳島刑務所包囲デモは、獄壁をこえて星野さんとの団結をかちとる闘いです。私たちの呼びかけと「ソリダリティ」を星野さんに届け、獄壁を超えた団結を実現しよう。
 9・6徳島刑務所デモから9月闘争に総決起しよう。9・13国会前闘争に全力で結集しよう。
 徳島刑務所、法務省、安倍政権に熱気あふれるデモをたたきつけ、星野文昭さんを取り戻そう。

以上
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