7月11日、東京高検は33枚の写真ネガの高精度スキャニングデータを開示した。昨年12月の三者協議における東京高裁の開示勧告にもかかわらず、東京高検が開示を延ばしに延ばしてきたものである。弁護団の度重なる追求と、6・29星野全国集会の大成功が追い詰め、ついに勝ち取った成果である。 「一郎丸写真」は、無実の証拠」 この中で最も重要なものは、「殴打現場」を過ぎた地点で、右手に鉄パイプを持つ星野さんの撮影された、いわゆる「一郎丸写真」のデータである。 「一郎丸写真」は、2010年8月に開示を勝ち取った写真の中の1枚である。鉄パイプに撒かれた白い紙は真っ白で、殴打の痕跡など一切ない。星野さん無実の決定的な証拠である。 弁護団は、これを新証拠の一つに第2次再審請求を闘って来た。ところが12年3月30日、東京高裁は「不鮮明ながら損傷らしき痕跡が確認される」などと言いがかりをつけて、第2次再審請求を棄却した。断じて許せない。 弁護団はこの言いがかりを打ち砕くために、写真を徹底的に鑑定するべく、ネガの複写を要求してきた。検察官の拒否を許さず、高精度スキャニングデータの開示を勝ち取ったのである。 弁護団は直ちに写真鑑定の準備に取りかかっている。星野さんは機動隊員殴打などしていない。手に持つ鉄パイプに「損傷らしき痕跡」など皆無である。写真鑑定でそのことをグーの根が出ないまでに、東京高検・高裁に叩きつけよう。 全証拠開示へ 写真ネガと同時に請求した、民間人現場目撃者11名の供述調書の開示を検察官は拒否した。その理由を、何と、第三者の目撃者は「わずかの時間だけ目撃したにすぎない」「異常な現場での目撃ということから・・・どれだけ注意力を集中して観察できたか」と言い、証拠価値がないから開示の必要はないと言うのである。 ふざけるな! これは、星野さんに無期懲役刑を下した証拠=「6人のでっち上げ供述調書」にこそ当てはめるべき言葉だ。こんな言いぐさを粉砕して、11名の現場目撃者の「供述調書」の開示を勝ち取ろう。そして、全証拠開示へ、100万人の署名運動を猛然と推進しよう。 |