2012年星野全国総会と7・1デモの報告
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 全国の皆さま、6月30日、7月1日に開かれた「星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議」の2012年全国総会と7・1東京高裁包囲デモは大成功しました。

 全国総会では、全証拠開示の大運動を全国で展開し、星野文昭さんを取り戻そう、と確認しました。その決意をもって、7月1日には、180名が東京高裁包囲デモを行いました。
 全国での取り組みと総会への参加、ありがとうございます。また、各地の活動報告もありがとうございます。
 3・30棄却決定を打ち破り、星野さんを取り戻そう。
 6月30日(総会第1日)の参加者は80名でした。7月1日(第2日)は、14名の新たな参加者があり、総計94名でした。
 家族は、星野暁子さんと誉夫さん。共同代表は、狩野満男さん、戸村裕実さん、平良修さんが参加しました。

    

再審弁護団は、鈴木達夫弁護団長、岩井信主任弁護人、和久田修、藤田城治弁護士が参加しました。

   
 
 全国の救援会の他、労組交流センター、動労千葉、動労水戸、全学連、婦民全国協、沖縄民権の会、解同全国連・杉並支部等が駆けつけてくれました。

          

      

 各種のスケジュールが重なる中、総会参加の皆さまに心から感謝します。
 
 今回の全国総会は、原発反対・再稼働阻止を叫ぶ、6月22日の4万5000人、前日の20万人の決起という情勢の中で開催されました。また、6・10国鉄全国運動集会の大高揚がそのまま会場に引き継がれました。総会全体を、「ついに星野さんを取り戻す情勢が来た」という熱気が包み、それと一体となることができたと思います。このことが、今回の全国総会の最大の特徴と言えます。国鉄闘争と反原発でかちとられた勝利と言えます。
 星野さんは、便箋13枚びっしり、熱烈なメッセージを送ってきました。
 星野さんは、今日の情勢を語り、勝利の決意を語っています。また、棄却決定に対する怒りと具体的な批判を提起しています。
 連帯のあいさつは、全国労組交流センター事務局長の飯田英貴さん、全学連委員長の斎藤郁真さん、郵政非正規ユニオン委員長の斎藤祐介さん、沖縄民権の会の座覇光子さん、三里塚反対同盟の宮本麻子さん(7・1デモ)から受けました。
 総会に提起する「総括と運動方針」の作成過程自身が、ついに来た情勢の熱気と興奮の中での作業でした。29日には、作業を一時中断して首相官邸前に駆けつけ、その興奮を、議案と討議に持ち込むことになりました。そのようなものとして、提起をお読みください。
  事務局から、財政報告、予算の報告を行いました。再審費用として、200万円のカンパを訴えました。
 
  奥深山さんの闘いの報告が「免訴の会」から、行われました。


 
  鈴木弁護団長から、今日の情勢に踏まえた裁判批判が鋭く行われました。異議審に勝利するために、全証拠開示をかちとることがいかに重要かが鮮明に提起されました。
 岩井弁護士は、星野さんのメッセージに触れながら、棄却決定の内容を具体的に弾劾しました。
 和久田弁護士は、2・5デモに参加した感想を生き生きと語りました。
 藤田弁護士のビデオ国賠報告は、何が焦点かを鮮明にし、勝利の展望を感じさせるものでした。
  総会討議は、6・29闘争20万人の熱気を総会参加者に伝えることから開始することから始まりました。首都圏の仲間も多数が首相官邸前に駆けつけて共に闘っており、その熱気が全国からの参加者にも共有されました。
 討議の冒頭、福島とみやぎから、闘いと現地の状況の報告が行われました。それを受けて、この間取り組んで来た診療所建設カンパ21万1000円が、戸村さんから福島・取り戻す会の代表に手渡されました。

 
 発言者は、第1日が8人、第2日が11人でした。最後は時間が足りなくなり、遠くから来ている人の発言を優先しました。手を挙げているのに発言できない人がいました。申し訳ありません。
 3・30棄却決定に対して、総会全体で怒りが炸裂しました。こんなもので、星野さんを無期懲役の獄に閉じ込めることは許せません。星野さんが面会で語ったように、棄却決定粉砕の総決起集会となったのです。全証拠開示の大運動に総決起し、「この方針で闘い、星野さんを取り戻そう」と確認されました。

 賛同用紙、署名用紙について、現行のものは「全証拠開示・再審開始」となっていますが、星野誉夫さんから「全証拠開示」のみの用紙があっても良いという意見が出されました。賛成の意見も出されました。近く、最終的な決定をします。

 総会の最後に、柴田作治郎さん、狩野満男さん、戸村裕実さん、平良修さん、星野暁子さんの5人を共同代表に再度選出しました。
 7・1高裁包囲デモは、180人が参加して、戦闘性にあふれる闘いになりました。
  出発前の集会は、狩野満男さんの音頭で、シュプレヒコールから始まりました。最初に星野暁子さんが発言し、労組交流センター、動労千葉、動労水戸、全学連に続き、徳島、みやぎ、福島、新潟、大阪、岡山の会が次々発言しました。最後に、平良修さんが高裁と高検を弾劾して、いよいよ出発です。

     

    

  

 「星野さんは無実だ」「すべての証拠を開示しろ」というシュプレヒコールが、東京高裁と東京高検を直撃しました。経済産業省前の反原発テントとエールを交換した後、日曜日でにぎわう数寄屋橋交差点で星野さん解放を訴えました。沿道には、この日の夜に迫った大飯原発再稼働に反対する行動を行っている人がいました。


  2・5徳島刑務所包囲デモの成功、それに対する反動(面会拒否、墨塗り等)と3・30棄却決定という攻防の中で、全証拠開示運動に打って出ることで勝利は切り開かれる、星野さんを奪還できるという確信が、総会全体でかちとられました。
 その土台として、6・10集会の圧倒的な高揚がもたらした情勢、「首相官邸前がタハリール広場になった」という現実があります。星野闘争が階級的激動と一体となり、その中で勝利を切り開いていくことが、実感としてつかみとられた全国総会になりました。

 全国で、全証拠開示を求める大運動を開始しましょう。星野さんが語った通り、あと2〜3年で解放する決意で闘おう。

 
全国総会への星野文昭さんのメッセージ
全ての証拠を開示する新たな運動を
                 2012年6月30日 星野文昭
 本日は、いろいろ多忙の中、本総会に足を運んでくれたことに、暁子、家族ともども心から感謝しています。そして、2・5以降、皆さんの星野への取組みの真剣さ、無期を覆えし、私を取り戻すことを、自らと全ての人の未来、人間解放にかかわることとして取り組んでいることを肌で感じられることが、今なにより嬉しいです。
 昨年の3・11以降の、労働者人民の団結した闘いで、資本・権力が支配する世の中を変えていくという闘いの大きな飛躍と一つに、本総会において無実の確信を深め、その力で勝利できると言う圧倒的な確信を深め、星野再審闘争、星野闘争のさらなる飛躍をかちとりましょう。そうすることで、棄却決定の暗雲を吹き飛ばしましょう。
 
  青年・学生を先頭に躍動的に闘いが高揚する時代
 
 今の情勢は、原発事故によって、再稼働の動きによって、資本の儲けと延命のためには、職場も生活も生命も根絶やしにしていいという現実を前に、資本・権力の儲けと延命のためには、大恐慌と大失業、リストラ、首切りと非正規・低賃金化、大増税・生活破壊、戦争核武・基地強化といった、労働者人民がまともに生きていけない現実を強いる現在の社会、資本主義社会・新自由主義の正体をはっきり見て取り、闘わなければ生きていけないと立ち上がり、そして労働者人民が団結し闘えばこれらの攻撃を止められる、社会を変えられるという経験を日々積み上げている、という地殻変動が起こっていると言えると思います。
 そのことが、この新自由主義・原発も外注化・非正規化も率先して推進してきた既存の体制内労組指導部を徹底的に批判しのりこえて、闘う労組=闘う団結を再生し取り戻し、労働者人民の職場・生活・生命を破壊し、不幸に突き落とすしか延命出来なくなり地に落ちている資本・権力を打ち倒し、全てを奪い返して、労働者人民の本来の力によって誰もが人間らしく生きられる社会を実現していく闘いが、青年・学生を先頭に躍動的に闘い高揚する時代をつくり出しています。
 そのことと一つに、2・5によって、星野無期がこの私たちの闘いを圧殺する。これを許して私たちの闘いの発展も未来もないものとして闘い、この星野無期と闘い、再審・解放へ日々勝利することによって、同時に労働者人民の団結した力が資本・権力を倒し、誰もが人間らしく生きる社会を実現する内容と力をつくりだしているたたかいを、真に自らの闘いとして闘うという新たな地平を開き、そのことによって星野闘争、星野再審・解放闘争の勝利の展望を開いている、と思います。
 
 再稼働を許すかどうかの攻防の只中にある
 
 今総会は、再稼働を許すかどうかの攻防の只中で闘われます。福島第一原発事故の全責任がある電力をはじめとした資本・権力が事故に全く責任を取らず、自己の儲けと延命のためには事故が起ころうと構わないという再稼働は、資本の儲けと延命を全てに優先し、労働者人民の職場・生活・生命がどうなっても構わないという、今日横行してきた新自由主義の流れを再度全社会的に強めるものとして絶対に許すことのできないものです。これを労働者人民の団結した力を信じ、どこまでも闘いを通して団結した力を拡大し強め阻止することによって本来は開かれます。そして、その闘いは、この闘い、労働者人民の団結で世の中を変える闘い自体を圧殺しようとする星野無期を覆えす闘いと完全に一体です。
 今、事故を起こした1〜3号機はメルトダウンし、溶融した核燃料が水張できないほど破壊した格納容器にあって、4号機核燃料プールとともに、ただひたすら水をかけ、放射能汚染水をたれ流し、放射能空中放出も続け、再臨界、水素爆発、大量放出の危険をはらんだまま、被曝は福島を中心に職場・生活・生命をおびやかし、それを根こそぎ奪うものになっています。そのような福島原発事故を起こしながら、そのことに全く責任を取らないのみならず、それを開き直って同じことが起っても構わないと再稼働に突っ走っています。
 この原発事故も再稼働も、電力が不足し経済が成り立たないという、それ自体ウソを並べ立てて、結局、資本の儲けと延命のためには、被曝によって労働者人民の職場・生活・生命を根こそぎ破壊して構わないということです。それは、資本・権力の儲けと延命のためには、資本・国家間の争闘戦ー戦争・核戦争・原発によってどれほど労働者人民が犠牲になっても構わないという資本主義・帝国主義の正体です。そして大恐慌をのりきるためにそれをさらに悪どく推進する新自由主義の正体です。
 
 労働者人民の団結した闘いで本来のあり方を取り戻そう
 
 このことに労働者人民が立ち上がることを、資本・権力の延命のために圧殺する、そのためには無実を承知で無期投獄を続けると棄却決定は言っているということです。
 こんな社会に未来はありません。
 労働者人民が一つに団結し闘うことによって、この社会を変えることが出来ます。
 だからこそ、権力は、この団結を分断し破壊し、既成労組指導部を屈服させ、率先協力させようとします。
 原発・電力、国鉄・JRはじめ公共部門も民間部門も、被曝労働を許さず、労働者の安全をはじめとした職場を守ることと、労働者人民全ての安全をはじめとした生活・生命を守ることとは一つのことです。労働者の団結した力で、職場を守ることは、同時に全ての労働者人民と共に生活・生命を守ることであり、それは一つなのです。
 それは、労働者と全ての人民の労働と活動そのものによって、全ての労働者人民の全生活・全生命が人間らしいものとして生み出されているからだし、私たちの闘いは、労働者人民の団結した闘いによって、その未来のあり方を取り戻すものです。そしてそのように闘うことによって、未来があり、勝利があります。
 労働者は生産と社会の根幹を担い、全ての人民と共に、本来働き、活動することで誰もがその持って生まれたものを解き放ち、人間らしく喜びをもって生きられる社会を形成する力を持つ存在です。
 今の社会・資本主義社会の根本的矛盾は、生産手段を独占する資本が労働者を労働力商品=賃金奴隷として搾取し、権力を握って全社会を支配し、全人民を抑圧、収奪して、資本増殖・金儲けのみを追求し、その結果、労働者人民の職場・生活・生命がどうなっても構わないとすることにあります。
 それがむき出しになっているのが、新自由主義の正体であり、国鉄分割・民営化にはじまる民営化・外注化・非正規化、原発の正体です。
 企業・資本家を財政投入やら減税で支援すれば、経済発展し、雇用も増え労働者人民の生活が良くなるというのも嘘です。資本は、財政投入・減税等で支援を受ければ受けるほど、儲けを増やし溜め込み、過剰資本を生み、深刻化し、恐慌・大恐慌を生み、深刻化させ、大失業と生活破壊をもたらすだけです。さらに、恐慌・大恐慌下での資本・国家間の市場・資源・勢力圏をめぐる争闘戦を激化し、戦争を不可避とするだけです。
 
 労働者人民の未来・解放をかけた闘い
 
 戦後体制下での国家独占資本主義政策に支えられ高度成長期に過剰資本を生み、1974〜75年恐慌というデットロックにのりあげた資本は、レーガン・サッチャー・中曽根の新自由主義によって、労組・団結を破壊し屈服・先兵化し、規制緩和によって労働者人民の権利・保護を奪い、さらに消費税という大衆課税を強める一方で、資本擁護の財政投入・法人税減税を行い、膨大な財政赤字を生み、その借金・国債を喰い物にしつつ、財政・国家を強力に支配する金融資本・全資本は、赤字を理由に全員解雇・再雇用による大量首切りの民営化、さらに外注化・非正規化を強行し、事業・資産を分捕るという国鉄分割・民営化を強行することを突破口に、それを全産業化・全社会化しようとしてきました。
 その民営化ー外注化・非正規化によって、解雇自由・賃下げ自由という無権利の非正規を現在の4割から9割にしようとし、さらに道州制、大阪都構想、「復興特区」という形で、公的部門を焦点に、労組・団結を破壊し、民営化・外注化・非正規化によって職場を破壊し、労働者人民の交通、清掃、水道、医療、福祉、教育などの生活基盤を破壊しようとしています。
 加えて電力・原発資本はじめ金融資本・全資本がその人材さえ送り込んで原発政策を国策として進め、原発事故によって、労働者人民の職場・生活・生命を根こそぎ奪っているのに、同じことが繰り返されても構わないと再稼働に突っ走りつつあることなど、これら資本の金儲けと延命のためには労働者人民の職場・生活・生命などどうなっても構わないという新自由主義の正体を白日の下に明らかにしています。資本主義・帝国主義が最早、労働者人民を不幸にする以外になくなっている正体を明らかにしています。
 このことへの労働者人民の怒りは、福島を先頭に反原発・反核闘争として、動労千葉・青年を先頭とする国鉄分割・民営化ー外注化・非正規化との闘いとして、日米安保・沖縄基地・三里塚空港との闘いとして、法大・京大・福島大・全学連の闘いとして、西郡・八尾北の闘い、全世界の新自由主義との闘いとして爆発し、それは、労働者人民の団結した力で、生命より金儲けの新自由主義・資本主義を打倒し、労働者人民が主人公の社会、人間史の本史を開くまで後戻りのない闘いとして、地殻変動と言える情勢を日々深化させていると言うことができると思います。
 動労千葉・水戸、国労郡山支部の外注化・非正規化阻止、被曝労働阻止の勝利的闘い、西郡・八尾北の勝利的闘い、法大・京大の勝利的闘い、韓国KECの解雇撤回の闘いは、生産・社会の根幹を担う労働者が、人民と共に、団結=人間的共同性を解き放った労働・活動によって誰もが人間らしく生きられる社会を形成する力をもった存在だ。そのことを全面的に信頼し、誇りを持って立ち上がり、その団結した力を職場で、学園で、地域で、そして全世界で取り戻していくことこそ、諸攻撃を阻止し打ち砕く武器であり、真に人間の人間的解放を実現する武器だということを、血と汗、身をもって示しています。ここに未来・勝利があります。
 この新たな地殻変動と言える時代に、無実を百も承知で星野無期を強い、労働者人民の団結し闘う力を妨げ圧殺しようとすることを、労働者人民の未来・解放をかけて許さない闘いを、職場、学園、地域、街頭さらに国際的に広げ、勝利し、同時に職場、学園、地域、全世界での団結した力で、労働者人民の未来・解放をかちとっていきましょう。
 
 棄却決定は、最初から破綻が明らかな脆弱なもの
 
 今回の棄却決定は、無実が明らかになり、2・5によって無実の私を直ちに再審無罪・釈放せよという声が大きくなり、決定的に追い込まれながら、虚構の上に虚構を重ね、確定判決を権力の力で無理やり押し通そうとするものであり、最初から破綻が明かな脆弱なものです。
 そうであれば、無実であり、唯一の証拠とされている供述も事実と反した誘導によってつくりあげた虚構であり、破綻していることを徹底的に明らかにし、無実の星野を直ちに再審無罪・釈放せよの声を、全ての証拠を開示させる新たな運動と共に、さらに労働者人民の声として大きく強め、無実が明かで、唯一の証拠の供述が破綻しているのに再審・釈放しなければ裁判所が裁判所としてなり立たないところに決定的に追い込んで、再審無罪・釈放を1日も早く絶対にかちとりましょう。
 
@Kr供述の核心は、「きつね色上下の人物が殴っていたのを見た」ということが動かし難いものだということです。
 第一次再審請求において最高裁は当日の星野の服の色を青色と認め、そのKr供述で殴っているのを見たという人物は、星野と別人物であることが明白となりました。
 これに対して最高裁は、Krは後ろ姿や声でも星野と言っているから別人物とは言えないとし、それを今回の棄却決定は踏襲しています。
 しかし、後ろ姿・声で認定したということ自体が誘導のなかで出てきたものであるうえ、後ろ姿・声での認定自体の曖昧さに比して、きつね色上下の人物が殴っていたというKrの原記憶は動かし難く確かなものです。
 さらに決定は、演説時の星野の服装も「きつね色」と誤っているから、同じようにこの殴打人物の「きつね色」も誤ったものだとしています。
 しかし、前者は後者の記憶に基づいて、その「きつね色」を当日着ていたのが星野だったから、そのきつね色の殴っていた人物も星野だと供述する段階で出てきたものです。
 そして両者には決定的違いがあります。前者は当日近くに居た星野が演説している確かな記憶があって、その上に後日の供述段階に、きつね色の殴打人物を星野と同一とするために、強力な誘導が行われているなかで、元々服の色までは曖昧な記憶だったことから出てきた誤った供述です。
 しかし、後者のきつね色の人物が殴っているのを見たという供述は、最初からKrが目撃し、記憶に刻まれた動かし難い原記憶であり、前者の演説していた星野の服の色をきつね色と誤って供述したのとは全く違うのです。
 このKrの「きつね色上下の人物が殴っているのを見た」という原記憶に基づいた供述こそ、当日、青の服を着ていたことが確定している星野とは全く別の人物であることを確定しているのです。
 これによって「星野が殴っていた」という供述の中心、Kr供述が崩れることによって、確定判決は崩れ、このことだけでも再審無罪・釈放を決定すべきなのです。
 
A「一郎丸写真」によって殴打の痕跡がないことが明らかになることで、「星野が殴っていた」というKr供述と、それを中心とする供述全体の虚偽が明白となりました。
 これに対して決定は、検察官の意見を受け入れ、不鮮明ながら損傷らしいものがあるとしています。
 しかし、この「損傷らしきもの」は、鉄パイプに巻かれた新聞紙が長時間握っていることによって巻きが緩み、新聞紙の元々の切り端が浮いたものであることは一目で明らかで、その部分にも、他の部分にも、切れ、破れ等の外力による損傷は全く無く、これを「損傷らしきものが見られる」とするのは全くの誤りなのです。
 この一郎丸写真こそ、私が殴打していなかったことを示す、動かしがたい物証なのです。 また、一郎丸写真の私のヘルメットには「中核」と明記されており、第三者証言はじめ当日殴打していたのが反戦労働者で「反戦」のヘルメットを被っていたという証拠から言っても私が殴打に加わっていたという供述を明確に否定するものです。
 
B「十字路上から 私がNHK方向を見た際に、道路が一旦下り、その後上りつつ右に曲がっており、そこを車が右から左に流れ、そのフロントが日の光を反射して光るのを見た」 。それは十字路上に居たからだ、ということが、その同じ場面を写した新証拠によって裏付けられました。
 決定は、この点について、十字路を通り過ぎる際に見たということも言うことができ、十字路上に居たということを必ずしも示さないと退けています。
 しかし、そもそも通り過ぎる一瞬に、ここまで具体的な状況を見て記憶に残すことは無理ですし、まして、機動隊が同方向に現れれば、その機動隊の動きに目が集中することになり、その後方の状況まで冷静に見渡し、記憶に止めることは全く無理なことです。したがって、それは、機動隊が現れる前の、私が十字路に到達した直後に周囲を見渡した際に目撃した記憶であることを示していて、それは殴打が行われていた際に、その殴打に加わっていたのではなく、十字路に居たことを示すものです。加えて、その直後、十字路からNHK方向を見た数十メートル先の道路上に、NHKがあると思われる辺りの右側の路地から出てきて並ぶように機動隊が出てきて対峙したという私の証言とあわせると、到達してからそこを離れるまでの間、私が十字路上にいたことを示すものです。
 なお、決定は、機動隊が現れた際のそのNHK方向の道が坂になっているとか、十字路があったとか私が記憶にないと証言していることとこの新証拠は矛盾すると難クセをつけていますが、そこで言っている通り、新証拠として言っているのは、その機動隊が現れた所よりもずーと後方の状況を言っているのであって、決定は全くの的外れなのです。
 
C「耳撃」という耳から聴いた声などの記憶が信用性に根本的に問題があることは「耳撃」に関する新証拠によって明らかにされました。しかし、決定は、当日、私の演説など聞いており、私の声を聞いたという供述は信用できるとしています。
 しかし、逆に、ほとんど当日初めて会って、当日の演説しか聞いていなくて、どれほど正しく声だけ聞いて聞き分けることができるのかということです。
 当日は、証拠から明らかなように、三つの「大隊」があり、「大隊」に複数の「中隊」、さらにその「中隊」に複数の「小隊」があって、さらに「班」があって、それらそれぞれにリーダーがおり、それぞれがリーダーとして大声を出していて、その声が乱れ飛んでいたのであって、まして判別しやすい「話し声」ではなく、判別の難しい大声であり、その状況で声を聞き分けること自体が無理なことなのです。事実、当日、私は、それらの乱れ飛ぶ声を聞いて、誰一人、その声が誰の声か分かった声はありませんでした。
 そして何より、Kr供述にあるように「殺せ」とも、Ar、Ao供述にあるように「火炎ビンを投げろ」とも言っていないのです。
 
D厳島鑑定によってKrはじめ詳細な供述は、人の記憶法則によってあり得ないものであることを明らかにしました。
 しかし、決定は「不当なものでなければ誘導も正当であり、鑑定結果はそれが行われないことによる結果だから、その結果の方が問題だ」というとんでもないことを言っています。
 しかし、権力を持つ検察・警察の誘導が行われれば、それに迎合し、強制され、記憶を離れ、それに反した供述がなされることが、今日の社会的認識となり、それゆえに完全取調べ可視化ということが今日求められているのであり、決定は、そのことに全く背を向けるものとして、徹底的に弾劾しなければなりません。
 
E供述は、諸証拠に反した虚偽であることは明らかです。
 それは、公判証言、Ao新供述によって詳細に明らかにされているように、取調官の「見立て」によって誘導され、それに迎合、あるいは強制されたものです。そう判断するのが妥当であり、それ以外にないものです。
 以上、私の無実は明らかであり、唯一の証拠の供述は崩壊しています。
 
  無実の星野を直ちに再審無罪−釈放せよの声を
 
 これらを徹底的に明らかにし、無実の星野を直ちに再審無罪・釈放せよの声を、全ての証拠を開示する新たな運動と共にさらに労働者人民の声として大きく強め、無実が明らかで、唯一の供述が崩れていて、再審無罪・釈放を決定しなければ裁判所が裁判所として成り立たない所に追い込み、一日も早い再審無罪・釈放を必ずかちとりましょう。「2〜3年で出る」を必ず実現しましょう。
 1%の資本・権力の金儲けと延命のために、福島を繰り返してもいいと再稼働に踏み出しています。民営化・外注化・非正規化をさらに進めようとしています。資本救済の財政投入、消費増税=法人所得減税は、大恐慌の深刻化と戦争・改憲まっしぐらです。また、そのために、欠陥機オスプレイまで配備して、沖縄基地をあくまでも強化しようとしています。
 資本・権力の金儲けと延命のためには、労働者人民の職場・生活・生命を破壊しても構わない、そしてどこまでも不幸にするという彼らの正体、新自由主義の正体はますます明らかです。
 
 あらゆる困難をのりこえ勝利しよう
 
 このことに怒りを解き放ち、労働者人民が本来持っている力を信頼し、誇りをもって、体制内指導部を屈服・協力させ、資本・権力が自己の金儲けと延命のために労働者人民の職場、生活、生命を破壊し、不幸に突き落とす新自由主義攻撃の全てを、自らと仲間への絶対に許せない攻撃として闘い、そうすることで、団結して、職場、学園、地域、そして全世界を、誰もが喜びをもって働き人間らしく生きられるものにしていく団結した力を強め、拡大して、これら諸攻撃を阻止し、ついに資本・権力を倒して、全てを奪い返し、労働者人民が社会の主人公として人間的共同性・力を解き放って、誰もが持って生れたものを生き生きと解き放って、喜びをもって人間らしく生きられる社会を必ず実現しましょう。 そのことに圧倒的に確信を持ち、その未来をかけて、星野闘争、星野再審・釈放闘争に必ず勝利しましょう。
 そのためのあらゆる困難をのりこえることを糧に、未来を開く内容・力を合わせ獲得し、未来を開き、勝利しましょう。 

 
星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議
2012年全国総会 総括と運動方針
                                                                       
2012・6・30、7・1
〔1〕−新たな時代が来た−
  星野文昭さんを取り戻す力ある運動を開始しよう
(1)星野さんをとりもどすための運動は、第2次再審請求以降飛躍的に発展してきました。 2・5徳島刑務所包囲デモは、全国労組交流センターの労働者と私たち星野救援運動とが合流する歴史的闘いでした。非正規の青年労働者が権利も未来も奪われていることに怒り、星野さんと共に未来を取り戻そうと先頭にたちました。被災地や福島の労働者市民が、「生きさせろ」という根底からの叫びを、「星野さんを返せ。自由に生きさせろ」と結合させました。すべての人の心底からの叫びが一つに糾合し、徳島刑務所包囲デモとなりました。
 3・11一周年において、「鎮魂」「復興」の一色で染めあげようとした野田政権の攻撃を打ち破り、郡山に「反原発」の闘いを労働者市民は打ち立てました。
 こうした中で、3月30日に星野さんへの再審棄却決定が下されました。棄却決定は、闘いの前進に追い詰められて出されたもので、国家のむきだしの暴力そのものです。正義と真実を踏みにじり、団結破壊をねらった悪辣極まるものです。
 4月3日、星野さんと再審弁護団は直ちに異議を申し立てました。私たちは怒りに燃えて全国で反撃のたたかいにたちました。徳島、福島、広島、岡山、京滋・ユニオン自立、大阪、愛媛、千葉、新潟、みやぎ、神奈川、東京東部、東京連絡会・杉並・西部交流センター、三多摩等の会が、街宣、集会、学習会を行いました。裁判所前でのビラまきや岩井信弁護士の講演会を行い、4月20日には東京高裁包囲デモを110人の参加で行いました。新潟労組交流センター、神奈川労組交流センターが抗議の決議をあげました。
 
(2)今日、人の生活・生命よりも、真実・正義・人権よりも、金儲けを優先する国家・社会に対して、労働者民衆の激しい怒りが爆発し始めました。時代が変わろうとしています。
 6月22日には4万5000人が首相官邸を包囲しました。「原発再稼働反対」の声が延々と続く巨大な波となって、首相官邸をとりまいたのです。次は29日です。        
 さらに、7・16代々木公園10万人集会、7・29国会包囲行動、8・6ヒロシマへと闘いは続きます。
 「首相官邸前で進む紫陽花(あじさい)革命」と言われています。広瀬隆氏も「国民の手で政策を変える時代だ。われわれ国民が変化を待っていてはいけない。自宅のテレビに向かって罵詈雑言を投げつけても効果はない。さあ、家から外に出て、行動する時がきた。この怒りの群衆の数を見せてやろう」と訴えています。
 エジプト−中東革命、ヨーロッパのゼネスト・大デモ、アメリカのオキュパイ運動が、日本の地でも始まったのです。
 福島の現実は何も変わっていないのに、大飯原発再稼働を強行する野田政権、消費税増税、沖縄へのオスプレイの配備、改憲を強行する野田政権に対して、そんな国家はいらないという労働者人民の怒りがついに爆発し始めたのです。
 6月10日には、国鉄闘争全国運動が、1800名を結集してすばらしい集会を開催しました。国鉄分割・民営化を起点とする新自由主義の外注化・非正規化攻撃、労働組合破壊攻撃に、既成の労働運動はすべて屈服しました。これを乗り越えて、「国鉄闘争を拡大しよう」「労働組合を甦えらせよう」「団結して闘えば勝てる」という隊列が形成されたことは、大きな力です。
 さらに、学生戦線では、学生運動つぶしの大弾圧とたたかい続けた法大学生運動において、「暴処法」弾圧を打ち破って無罪判決をかちとりました(5月31日)。6月には京都大学において同学会再建が闘う学生の手によって実現されました。
 5月24日、八尾北医療センター明け渡し訴訟で完全勝利判決をかちとりました。
 6月7日、ゴビンダさんの再審開始決定、即日釈放も、大きな勝利です。危機にあるのは資本・国家権力の側です。労働者民衆が闘えば勝てる時代が到来したのです。
 
(3)新たな時代の到来は、「ついに星野さんをとりもどす時が来た」と確信させます。
 闘えば、絶対に勝てます。本全国総会をもって、新たな闘いに打って出よう。全証拠開示大運動の全人民的拡大へ乗り出し、「勝利する星野」へと大転換、大飛躍しましょう。
 星野さんの37年に及ぶ闘いと一体となり、6・10集会に結集した新自由主義と不屈に闘う労働者や、反原発を闘う巨万の人民と結びつけば、それは全く可能です。
 すでに、家族、弁護団、共同代表が署名の呼びかけを発して、闘いの先頭にたっています。これと一体となって、力強く、激しく前進しよう。
 
〔2〕この1年間の闘い
  昨年の全国総会は、世界大恐慌下で発生した3・11東日本大震災と福島原発事故というかつてない情勢の中で開かれました。被災地の仲間たちの生存が脅かされる中で、被災地支援運動に立ちあがりました。
 総会では、星野暁子さんから「あと2〜3年で出るつもりで闘っている」という星野さんの衝撃的な言葉が伝えられました。これに応え、全国総会のすべての参加者が、何としても星野さんを取り戻そうと決意したのです。
 その上に、7月訪米、ヒロシマ・ナガサキ、9月反原発、11・6全国労働者集会を闘い、11・27全国集会には600人が集まりました。この全国集会で、全国労働組合交流センターと一体で2・5徳島刑務所包囲デモに決起することを決定しました。
 2月5日、私たちは全国から徳島に集まり、刑務所包囲デモを行いました。600人の仲間が「星野さんは無実だ」「星野さんを返せ」と声を限りに叫びました。星野さんは、翌日、面会した暁子さんに「完全に聞こえた。集団面会を実現したようだ」と語りました。全国の闘いで、獄壁を事実上打ち破るような闘いを実現したのです。
 2009年の全国総会において、私たちは「労働者階級の力で星野さんを取り戻そう」という方針を決定しました。闘う労働組合を甦らせるための闘いは大きく前進し、昨年秋、労組交流センターは第19回定期総会を徳島で開催することを決定しました。総会は、「星野奪還を階級的労働運動の正面課題」に据えました。徳島に集まった一人一人が、「この道を進めば、必ず星野さんを取り戻せる」と確信しました。
 徳島刑務所は、2・5闘争に恐怖して、友人面会不許可、手紙墨塗り、禁止処分等を連続してかけてきました。現在、分かっているだけで墨塗りが27通、禁止処分が5名です。再審弁護人の接見を、「面会回数にカウントする」という不当な攻撃も続いています。今年4月、懸命の闘いの中で徳島刑務所長が代わりました。星野さんは、4月から3類に復帰しました。
 6月22日には、徳島弁護士会が、面会不許可、手紙の墨塗りに対して、「勧告書」「意見書」を徳島刑務所に送りました。
 野田政権は、昨年12月に福島原発事故の「収束宣言」を行い、6月17日には、大飯原発の再稼働を宣言しました。3・11郡山に1万6000人が声をあげたフクシマの怒りは、これを必ず打ち破ります。
 今年、私たちは、フクシマの訴えに応えて、診療所建設カンパに取り組んでいます。 
  昨年の11・6全国労働者集会は、闘う労働運動を甦えらせることを世界の労働者の課題とする歴史的な集会としてかちとられました。
 動労千葉は、今年4月1日の全面外注化を阻止し、10月1日の外注化阻止に向けて、総力で闘っています。
  動労水戸は、被曝労働絶対反対の闘いを貫いています。
 大阪市長橋下と絶対反対で闘う労働者の決起が展開されています。
  5月12〜14日、「復帰40年」5・15沖縄闘争を闘いました。この闘いの中で、オキナワとフクシマの怒りが一つになり、団結強化の基盤が職場における闘いの前進にあることが強力に確認されました。
  昨年7月、レイバー・フェスタの企画として「星野文昭絵画展」と「フリー・ホシノ・ムミア集会」が行われました。星野暁子さん始め6人で参加し、成功を共にかちとりました。
  11・6労働者集会においてILWUローカル21委員長のダン・コフマンさんが「フリー・ホシノ」と訴えました。
 11月8日、スティーブ・ゼルツァーさん、鳥居和美さんが星野さんとの面会を要求し、徳島刑務所は拒否しました。ゼルツァーさんたちは「USホシノ解放委員会」の名をもって、サンフランシスコで11・28「フリー・ホシノ」行動を行いました。 
 星野さんは10・9三里塚闘争にメッセージを送り、暁子さんが読み上げてアピールしました。 星野さんの闘いは、三里塚と共にあります。
  昨年、東京高裁第11刑事部によるによる裁判再開の攻撃を打ち破りました。奥深山幸男さんを裁判から解放し、生きる権利を守ろう。
 
〔3〕星野闘争の勝利へ
(1)今、情勢は激しく動いています。野田政権の原発再稼働と消費税増税攻撃の強行に対して、労働者人民の怒りの声は連日国会と首相官邸に押し寄せています。再稼働反対、全ての原発を止めろと、6月22日にはついに4万5000人が首相官邸を包囲しました。
 29日夜は、文字通り10万のデモ隊が首相官邸前と国会周辺を埋め尽くし、あくまでも大飯原発再稼働に突き進む野田政権に対する怒りの声が制圧しました。国会西通りの幅数十メートル道路は、機動隊の規制を無力化したデモ隊によって占拠され、誰もが解放感に溢れて「再稼働反対、すべての原発を廃止せよ」と高らかに叫んでいました。本当に新しい時代が始まったのです。
 大恐慌下の3・11福島原発大事故という現実に対して、福島の子供たちの命を守れと起ちあがったお母さんたちを先頭とする労働者、農民、漁民、全人民の生きるための闘いと、金儲けのために社会がなり立たなくなるところまで労働者の生命と生活を破壊・蹂躙してきた新自由主義に対する労働者人民の生きるための闘いがついに一つのに合流を開始したのです。国鉄闘争と反原発闘争を2大基軸に、両者が相呼応し融合することで、戦後革命期の闘いや60年〜70年闘争をもその根幹においてのりこえるような闘いの渦中に突入したのです。何よりも、膨大な青年労働者、非正規職労働者の根源的な怒りの決起がついに本格的に始まりました。
 星野再審闘争の勝利の展望は、この闘いの発展の中にあります。この爆発を開始した階級の奔流の中にこそが星野さんの無期を覆し、再審無罪・釈放を勝ちとっていく力があるのです。
 世界大恐慌は、ますます深化し、激化しています。戦後世界体制の基軸国であったアメリカの危機は、激しく進行しています。EU−ヨーロッパの危機も進み、ユーロ解体が眼前に迫っています。世界経済は「二番底」から底無しの危機に落ち込み、いかなる展望も失っています。
 中国のバブルも崩壊し、全土で闘いや暴動が爆発しています。
 その中で、日本は世界の列強からの脱落的な危機に陥っています。野田政権の絶望的な攻撃は、労働者人民の怒りを闘いに転化するものです。
  1980年代から激化する新自由主義は、資本主義の最後の延命策としてあります。資本に対する一切の規制をとりはらい、利潤追求のために、労働者人民を犠牲にする自由を与えてきました。その核心は、労働組合を解体し、労働者の団結を解体することにあります。しかし、国鉄闘争を先頭とする闘いは強固に続けられ、闘う労働組合を甦えらせる闘いがそれを根底から打ち破っています。
 今、全世界で闘いが燃え上がっています。アメリカで始まった「われわれは99%だ」というの闘いが、全米から全世界に広がっています。「オキュパイ運動」は、ウォールストリートから全世界に拡大しています。
 ギリシアでは、「超緊縮策」によって一切の犠牲を労働者民衆に転嫁する攻撃に対して怒りが爆発しています。スペイン、イタリアでも、次々に労働者人民が決起しています。
 エジプト−中東の闘いも、本物の革命を求める闘いへ発展しています。
 韓国の闘いは、日本の労働者との固い連帯のもとに前進しています。
 新自由主義は、社会そのものの崩壊をもたらしています。
 生きていけない現実を前に、闘うしかない、闘えば勝てる情勢が訪れています。
 星野文昭さんの闘いは、70年安保・沖縄闘争の頂点をなす闘いです。沖縄と本土労働者の分断を打ち破る決起を貫き、37年間、不屈・非転向で闘っています。
 国家権力の攻撃は70年の地平を解体するものとして、破防法、民間反革命、そして星野無期が一体でかけられました。
 これを根底的なところで打ち破る星野さんの闘いは、新自由主義の破綻によって生活のすべてを破壊された労働者、とりわけ青年に希望を与える存在になっています。
 
(2)国鉄闘争と反原発闘争は新自由主義を打ち破り社会を変える闘い 
 分割民営化以来25年、外注化阻止闘争を10年以上にわたって貫いてきた動労千葉の闘いは、労働組合の屈服・転向をその内部に取り込み、労働組合の名においてそれを推進するという新自由主義の構造を、階級的労働運動と労働組合の必死の実践を通して暴き出してきました。新自由主義との闘いは、労働組合の存在そのものをめぐる死闘であり、ここでの攻防が全情勢を決定づけるものになるのです。
 6・10国鉄闘争全国集会に結集した1800人の労働者は「国鉄闘争の火をさらに大きく燃え上がらせよう。闘う労働組合が今こそその中心に躍り出、原発再稼働絶対阻止、野田政権打倒へ全力で突き進む時だ。」と力強く宣言しました。
 民営化・外注化・非正規職化という最先端の新自由主義攻撃との闘いは、世界の労働者が今日直面している最大の決戦課題です。これに対し動労千葉、動労水戸を先頭とする闘う国鉄労働者は、この攻撃を核心において打ち破る闘いの方向を指し示しています。
 民営化の核心は外注化にあり、外注化とは非正規職化です。しかもそこにはほとんどすべて偽装請負の構造が貫かれています。正規職を排除し無権利で超低賃金の非正規職に追い込む外注化は、資本が最小の賃金コストで最大の利潤を獲得することを目的としています。だがこれは同時に、資本にとって最大の弱点をなすものです。労働組合がこれと真正面から対決し、外注先の労働者とともに団結して決起するなら、偽装請負の不当性、違法性は明白となり、外注化など不可能にするのです。
 動労千葉は検修外注化を3年連続で阻止し、動労千葉組合員のみならず国労やJR総連東労組の組合員をも巻き込んだ階級的団結の力をもって、新自由主義攻撃を打ち破ってきました。
 動労千葉が切り開いてきた外注化攻撃粉砕の闘いは、同時に非正規職化をその根幹で阻止し打ち砕く闘いとして、非正規職撤廃闘争の大爆発への巨大な突破口を開いたのです。
 この十数年、資本は新自由主義の柱として偽装請負を全面化することで延命してきました。偽装請負とは、生産量に合わせて労働者を増減させ、労働法もオール無視で、一切の雇用責任から逃れ、ただひたすら低賃金で労働者をこき使う最悪の雇用の仕組みなのです。だから、業務外注化は不可避的に偽装請負の蔓延を生みます。動労千葉の外注化阻止の闘いは、労働者の団結した力でこの新自由主義攻撃と真っ向から対決し粉砕する闘いです。
 大恐慌の深まりの中で、ブルジョアジーは今や公然と偽装請負合法化を要求しています。偽装請負は資本の弱点です。偽装請負告発を武器に、外注化・非正規職撤廃を掲げて闘う労働者の中に飛び込み、共に奮闘しよう。
 
(3)星野闘争と沖縄闘争は一つの闘い
 「復帰」から40年を迎えた沖縄労働者人民は、「革命の火薬庫・沖縄」に新たな闘い火を点じました。5月12日、青年労働者を先頭に「死すべきは基地だ。労働者は死んではならない」というデモコールが国際通りにとどろき、「怒・福島隊」ののぼりが掲げられ、オキナワとフクシマの怒りが一つになりました。
 米新軍事戦略による対北朝鮮・中国侵略戦争の攻撃が激化し、ますます強化される米軍基地と日米安保のもとで自衛隊は南西拠点化に突き進んでいます。その中で、危険きわまりないオスプレイの配備を強行しようとしています。
 沖縄の労働者の現実は、全国平均の2倍の失業率と43・1%(全国最高)もの非正規雇用労働者の存在に示されています。この基地依存経済によって生み出された沖縄の現実を逆手にとって、いっそう悪どい搾取と収奪攻撃を強めているのが新自由主義なのです。これへの怒りが国鉄闘争を水路に福島の怒りと一つに結合して闘いとして解き放たれようとしています。
 星野闘争は、同時に沖縄闘争です。この沖縄の現実の中で、沖縄労働者人民の解放と星野解放を一つの闘いとして推し進めよう。
 
(4)巨大な学生運動は社会を動かす力
 日本における戦闘的学生運動と全学連運動のすべての歴史を継承し、新自由主義をうち破る21世紀の学生運動がついに本格的に登場しました。
 京都大学における同学会再建の闘いは、「大学奪還」=「学生が団結すれば大学を変えられる! 大学を学生の手に取り戻せ!」、「総長団交」=「@原発の再稼働阻止! 原発御用大学を変えよう! A学生の生活を守れ! 学生自治寮の発展、防衛を! B国立大学法人化反対! 大学を金もうけの道具にするな!」を掲げて闘われました。全学連に結集する学生たちは「星野さんのように闘おう」と大恐慌下の闘いの先頭に躍り出たのです。
 国立大学法人化が「教育の民営化」攻撃を加速させてきました。それは、大学を文部科学省と独占資本が全一的に支配する新自由主義攻撃そのものです。そのなれの果てが、東大・京大に象徴される原発御用大学です。
 119人の逮捕―33人の起訴という弾圧を打ち破って前進してきた法大学生運動闘争が新自由主義による団結破壊攻撃を打ち破り、「暴処法」弾圧に完全勝利した地平において、同学会再建が実現されました。同学会選挙の勝利と京大生の団結の復権は、法人化体制の先兵である松本総長体制を打倒するとともに、1974−75年世界同時恐慌以来の30年余の新自由主義攻撃のすべてを、大学の中心部からうち砕いていく決定的な力を持っています。
 学生運動の爆発こそ、社会を根底から変革する荒々しい力であり、星野闘争の勝利の巨大な展望押し開く力です。全学連運動の発展・爆発をと共に闘い星野さんの奪還を実現しよう。
 
(5)国家権力との闘いに勝利しよう
 3・30棄却決定は、星野闘争が労働者階級の魂をとらえて発展を開始していることに対する国家権力の恐怖の現れです。2・5徳島刑務所包囲デモは、労働者階級と星野さんの闘いが一つになったときに解き放たれる階級の迫力の前に徳島刑務所と国家権力を震撼させました。
 公安警察を先頭に星野闘争の発展に恐怖し圧殺しようとしている国家権力に対して、私たちは星野無期への根底からの怒りで全国の救援会を強化して跳ね返そう。運動と組織を拡大することが、この攻撃に対する私たちの回答です。
 労働者人民への限りない信頼と権力に対する原則的な立場で、全国の救援会を強化発展させましょう。
 
〔4〕全証拠開示の大運動を開始しよう
(1)再審請求棄却決定を打ち破ろう
 3月30日、東京高裁第11刑事部は第2次再審請求に対して、断じて許せない棄却決定を行いました。この棄却決定を絶対に打ち破り、星野さんを取り戻そう。
 1983年、星野さんを無期懲役とした確定判決が依拠する証拠は、デモに参加した学生たちの「供述調書」だけです。物的証拠はいっさいありません。6人の「供述調書」、その中でも重要な3人の「供述調書」の信用性が崩れれば、確定判決は崩壊するのです。
 再審弁護団は、「第2次再審請求書」、「補充書(1)(2)(3)」と「厳島鑑定書」をもってその信用性を完全に否定しました。また、2010年8月に検察官が開示した159枚の中から、星野さんの「殴打行為」を否定する「一郎丸写真」を発見しました。これまでに提出した証拠だけで星野さんの無実は明白であり、再審開始決定以外にないのです。
 これに追い詰められた東京高裁は、核心的な部分はレトリックによってごまかし、棄却決定を強行しました。そこには、証拠による事実認定などありません。新証拠で突き出した事実から逃げ回り、推論と可能性論で切り捨てているのです。
 東京高裁の第2次再審請求棄却決定は、まさに新自由主義の攻撃そのものです。獄中37年、非転向を貫き、今日、「生命よりも金儲け」の社会の根底的な変革を訴えてやまない星野さんと、福島の怒り、沖縄の怒り、失業と非正規雇用労働を強いれている青年労働者の怒りが結合することを恐れての、団結破壊の攻撃です。
 しかし、それは真っ向から科学を否定し、検察官と同じ立場ででっち上げを容認するなど、脆弱極まりないものです。
 こんなもので、星野さんに無期懲役を強い続けようとする攻撃に腹の底からの怒りを沸き立たせ、全人民に「棄却決定」の内実を暴露し、その怒りで粉砕しよう。
 
@棄却決定は、「厳島鑑定書」を否定し、供述調書は信用できると強弁しています。
  Krは、闘争から3ヶ月以上も過ぎてから、「星野さんが鉄パイプで機動隊員を殴打するのを見た」と、27項目にもわたる供述をしました。
 日本大学の厳島行雄教授は、学生たちに「風船割り」のゲームを行ってもらい、2ヶ月後に、どの程度記憶を再現できるかという実験を行いました。その結果は、厳島教授も驚くものでした。学生たちは、誰がどのような道具で風船を叩いたか、メンバーの位置、何回叩いたかなど、ほとんど記憶を再現できませんでした。
 「厳島鑑定書」は、これまで蓄積されてきた心理学の研究と実験結果を基に、Kr供述が捜査官によってでっち上げられたものであることを科学的に証明したのです。
 これに対して、棄却決定は「Krが目撃した出来事と本件実験との間の社会現象としての性質や目撃後の心理状態等の点で大きな差異がある」から、Kr供述は実験結果よりも詳細に正しい記憶が喚起できたのだと主張し、「看過できない難点がある」とまで「厳島鑑定書」を非難します。
 しかし、全く逆です。心理学的知見に基づけば、目撃時の「情動性(怒り、恐怖、驚き、悲しみ、喜びなど)」が激しいほど、記憶は残りにくいのです。これは、心理学の基本のキです。厳島教授は、Krが体験した闘争場面より記憶に残りやすい条件を設定して実験を行ったのです。非難され、否定されるのは、棄却決定なのです。
 棄却決定は、「厳島鑑定書」から逃げるために、「捜査官による誘導もそれが不当なものでない限り有効な記憶喚起の方法になる」という暴論を展開しています。ここまであからさまにでっち上げを賛美した裁判所があるでしょうか。
 Krの調べは、朝食を食べて直ぐに開始され、夜の9時、10時まで続きました。昼食も夕食も取調室で、取調官と一緒でした。食事時間は15分か20分位で、食後の休憩もなく、検事調べのときは夜11時か12時まで(1日におよそ14時間!)続けられたと、Krは法廷で証言しています。
 棄却決定は、これを「不当なものでない」と言い、「有効な記憶喚起の方法」と言うのです。
 
A棄却決定は、「Krが声で星野さんを特定した」と主張します。
 2008年、最高裁の特別抗告棄却決定は、第1次再審で提出された新証拠により、闘争当日の星野さんの服装を「薄青色」と認めざるを得ないところに追い込まれました。にもかかわらず、最高裁は、Krは星野さんを「声で分かった」、「後ろ姿で分かった」と主張したのです。
 棄却決定は、「後ろ姿による特定」はあまりにもでたらめだと判断して採用せず、「声による特定」を持ち出してきました。しかし、Krは闘争当日初めて星野さんと会い、顔も知らなかったのです。混乱し、みんなが大声を出している闘争現場で、声で特定することなどまったく不可能です。
 Krは服装の色で星野さんを特定させられたのであり、法廷証言でも最後まで色の問題にこだわっています。
 「この顔を覆っている手を、うすいクリーム色の背広の人が鉄パイプでしきりに殴ぐりつけていました。この時、この様な服装の人は星野さんしか居ないので、顔は見ていませんが、この殴っていた人は星野さんだったと思います」(2・16警察官調書)
 服装の色が違っていることは、Krの人物特定が間違っていることを示しているのです。
 
B棄却決定は、「一郎丸写真」が不鮮明なのを良いことに、「損傷らしき痕跡」があると主張します。
 2010年3月、再審弁護団は34点の証拠開示を請求しました。その後、3者折衝を重ね、159枚の写真の開示をかちとりました。その中の1枚が「一郎丸写真」です。
  棄却決定は、「写真の鉄パイプには不鮮明ながら損傷らしき痕跡が確認される」と言います。しかし、星野さんが右手に持つ鉄パイプには曲がりもなく、巻かれた白い紙もまったく乱れていません。一郎丸写真は弁護団の粘り強い証拠開示請求の闘いで勝ち取った、星野さん無実の”物証”なのです。
 しかし、「一郎丸写真」は遠方のビルの屋上から望遠レンズで隠し撮りされたもので、ピントが正確に合っていないため、少し鮮明さに欠けます。これを悪用して、昨年3月、検察官が「損傷らしき痕跡」などという「意見書」を出しました。棄却決定は、これに寄り掛かっているのです。
 再審弁護団は、写真を鮮明化するために、繰り返しネガの鑑定を要求してきました。にもかかわらず、検察官はこれに応じず、裁判長も検察官にネガの複写を認めるように命令はおろか、意見すら述べなかったのです。その裁判長が、「不鮮明」などと、どうして言えるのでしょうか。
 星野さんは、「鉄パイプの写真を徹底的に鑑定して欲しい、そうすれば、殴打の痕跡など一ミリもないことが明らかになり、自分の無実が立証される」と訴えています。
 
C棄却決定は、星野さんが十字路にいたことを否定します。
 星野さんが十字路に立ち、NHK方向の車のフロントが光って見えたというのは、機動隊員殴打現場にはいなかったことを示す重要な事実です。現場に行き、星野さんか指摘した通り車のフロントが光って見える写真を、新証拠として提出しました。
 棄却決定は、渋谷方向に向かって交差点を通過するわずかな時間でも、「NHK放送センターの方向を見ることもできた」とでたらめなことを主張します。
 しかし、星野さんが見たのは、十字路を通過するほんの2〜3秒で見られるような情景ではありません。しかも、その時すでに、別の機動隊がNHK下の交差点にいたのです。とても、その後ろの状況を見分けられるような状況ではありません。
 
D棄却決定は、Ao、Arの「声による特定」でもでたらめな主張をしています。
 世界の心理学的知見は、「耳撃(みみげき)」による人物特定がどれほど危険なものかを明らかにしてきました。ところが、棄却決定は、Ao、Arが声によって「星野さんが火炎ビンを投げるように指示した」ことを立証できると主張します。
 闘争現場にはたくさんのリーダーがいて、それぞれが大声で、指示や号令を出していました。Aoも、Arも、星野さんが指示するところを見たとは言っていません。「声を聞いて分かった」と言うだけです。こんなことは不可能です。
  棄却決定は、2人は、中野駅で演説を聞いたから星野さんの声を聞き分けられたと主張します。これは科学を踏みにじる暴挙です。
 しかも、「確定判決がその信用性を慎重に検討」したから、2人の「供述調書」が信用できると逆転した事を主張します。再審請求は、その確定判決が真実かどうかを問うものです。
 
(2)全証拠開示を求める大運動へ
 東京高裁の、3・30再審請求棄却決定への怒りをバネに、何としても異議審で星野文昭さんの再審無罪・釈放を勝ち取りましょう。その突破口は、「全証拠を開示せよ!」の大運動を総力で展開し、労働者・労働組合をはじめ、救援運動、市民運動等、文字通りあらゆる階層の人々を、この一点で獲得することにあります。「全証拠の開示」を求める署名運動は、必ず全人民的に広がる内容を持っています。
 何よりも第1に、星野さんは無実です。機動隊員への攻撃には加わっていないし、「火炎ビンを投げろ」とも言っていません。全証拠が開示されれば、必ず無実は証明されるのです。ところが、星野さんの無実を証明する証拠をいまだに検察官が隠し持っています。こんなことは絶対に認められません。
 「総括捜査報告書」には現場目撃者8名の名前が明記してあります。さらに、別の「捜査報告書」には、4名の名前が記載されています。しかし、そのうちの2名しか法廷で証拠調べを受けていません。それ以外は、いまだに検察官が隠し持っているのです。
 第2に、捜査官が集めた証拠は断じて検察官の独占物ではないということです。本来、証拠は真実を求める全人民のものなのです。全人民から徴収した税金を使い、公権力を動員して集められた証拠が、検察官に独占されて良い訳がありません。
 第3に、検察官に対して被告人は圧倒的に不利な条件にあることです。
 刑事裁判は当事者主義をとっていると言われています。訴追側と被告人側が対等の立場で、法廷に各々自己に有利な証拠を提出し、裁判官は白紙の状態で臨み判断するという建前です。しかし、検察官が国家機関としての実力と権威を持って被告人に対することを見れば、被告人は、いかに弁護人制度があるといっても、比較にならないほど不利な条件にあります。この圧倒的な不平等な点からも、捜査官の収集した全証拠は開示されなければなりません。
 第4に、再審開始のためには、「新規」かつ「明白」な証拠が必要です。
 法学者の指宿信教授は、再審制度の目的は「無辜(無実の人)の不処罰」にあると指摘し、そのためには、通常の裁判以上に証拠の開示を重視すべきだと主張しています。
 最近の事例だけでも、「足利事件」、「布川事件」で証拠開示が再審無罪に直結しました。ゴビンダさんが釈放かちとった「東電OL殺人事件」でも、証拠開示が再審開始に直結しました。すなわち、検察官が証拠を隠していたことが明らかになっているわけです。
 当日の闘争現場とその周辺の客観的な事実の一切は、星野さん無実を示す証拠です。
  星野さんの怒りを胸に、全国どこにでも突撃しよう。私たちの訴えは、必ず労働者人民の心をつかみます。
 
(3)星野さんと家族を守り連帯する闘い
 星野さんは国家権力の攻撃を一身に受けながら、37年間、不屈・非転向の闘いを続けています。70年安保・沖縄闘争のような闘いを二度とさせない、労働者人民の団結を解体するという、政府が無期懲役にかけた攻撃を、最も根底的な地点で打ち破っているのです。
 2・5闘争に恐怖した徳島刑務所は、星野さんと獄外の団結を破壊するために、友人面会不許可、手紙の墨塗り、禁止処分を連続してかけてきました。星野さんは、国家の攻撃に対して仁王立ちになって闘っています。家族の皆さんは、星野さんと一心同体で闘っています。
 星野さんと家族を守り連帯する闘いは、星野再審闘争にとって絶対的な課題です。
  星野さんの健康を守り、不当な処遇・弾圧を許さない闘いを全国の力でやり抜こう。
 昨年、徳島刑務所は、星野さんの健康状態を問い合わせる「弁護士会照会」に対して回答を拒否しました。絶対に許す事ができません。
 6月22日、徳島弁護士会は、面会不許可と手紙墨塗りを違法行為と認める「勧告書」と「意見書」を徳島刑務所に送りました。
 面会・手紙国賠裁判を全力でやり抜こう。星野さんへの弾圧を全面的に居直る、被告=国の「準備書面(1)」を弾劾して、打ち破ろう。
 弾圧を上回る手紙を徳島刑務所に送ろう。
 徳島刑務所の妨害を打ち破り、星野さんとの自由な面会をかちとろう。
 
(4)全国で救援運動を進めよう
@フクシマ・被災地と連帯した闘い
 昨年の3・11東日本大震災と原発大事故によって、未だに16万人が避難生活を送っています。フクシマ・被災地では、でたらめな「収束宣言」を突き破って、「生きる事は社会を変える事だ」という闘いが強力に展開されています。
 震災直後、政府は被災した人々の救援よりも治安管理を優先させました。自衛隊を出動させて現地の交通を封鎖し、米軍も「トモダチ作戦」を行いました。労働者階級の力による救援活動を圧殺したのです。大量の放射能飛散が分かっていながら、住民には知らせず、多くの老若男女を被曝させました。そればかりか、長崎大学の山下俊一を福島に呼び寄せ、「100ミリシーベルト未満は安全」と吹聴させ、労働者人民の生命・健康よりも国家統治と資本の利潤を優先させてきたのです。
 労働者は被曝してはなりません。にもかかわらず、原発労働者は日々、被曝の中で労働している現実があります。原発をこの社会の中に組み込んでしまっている現実を根底から覆す闘いが始まっています。原発と人類は共存出来ないのです。
 原発再稼働は絶対に許せません。「国民の生命を守るために再稼働を」などと言う野田政権を打倒する闘いが、全土に拡大しています。この闘いは、「生きるための闘い」であり、この国の政治を変えるための闘いです。フクシマ・被災地の子どもを守る闘いであり、世界の子どもの未来を開く闘いです。
 野田政権の「復興特区」は、フクシマ・被災地の団結を破壊し、資本のエジキとするための政策です。この攻撃の中に、ハゲタカのような新自由主義の本質があります。
 2000万人もの非正規労働者を生み出した新自由主義に対して、非正規職撤廃を掲げた労働者の闘いが登場しています。鈴木コンクリート分会の闘い、郵政非正規ユニオンの闘いは労働者の希望の星です。青年労働者、学生の団結で新自由主義を打ち破っていこう。星野再審闘争はそのような青年労働者、学生とともに断固闘い、新自由主義・資本主義を打ち破っていく闘いとしてあります。
 10・1全面外注化の攻撃を絶対に打ち破ろう。
 11・4全国労働者集会1万人結集を全力でかちとろう。
 
A全国に星野救援会を作ろう
 今、全国に24の星野救援会が存在しています。この力が星野さんを限りなく激励し、徳島刑務所や法務省を追い詰めています。
 この力をもっともっと拡大しよう。まず、24の会が、それぞれの闘いを強化することが求められています。毎月の例会、街宣、学習会等を行い、会員の定着と拡大を実現しよう。
 星野さんを取り戻すために、労働者、学生、市民、農民、宗教者等々、あらゆる人々が、心を一つにして闘おう。
 さらにその上に、全国津々浦々に星野救援会を立ち上げ、拡大しよう。この力で全証拠開示の大運動を巻き起こすのです。全国24の会が、あらゆる所に突撃しよう。地域にある労働組合に訴えよう。救援運動、市民運動、あらゆる運動に訴えよう。
 
B全証拠開示を求める陣形を
 全証拠開示を求める大運動は、星野再審闘争の勝利にとって決定的に重要な闘いです。同時に、不当な裁判と闘うすべての人にとって重要な闘いです。
 日本の刑事裁判では、検察官はでっち上げに都合の良い証拠だけを法廷に提出し、他の証拠を隠す事が、当たり前のように続いてきました。こんな現実を打ち破ろうという闘いが、さまざまに展開されています。全証拠の開示は、あらゆる怒りを組織する決定的な契機にもなっていくものです。
 この闘いを大きく進めて、全国に松川闘争を越えるような運動をつくることは可能です。新自由主義がもたらした社会そのものの崩壊は、司法権力を労働者人民支配の前面に立たせています。全証拠の開示を求め、裁判のあり方を弾劾する闘いは、社会を根本から変えるところまで行き着く闘いです。
 私たち自身が、自分の力で、あらゆる所、あらゆる人々に訴えよう。自分の闘いで、文化人、市民運動、労働運動、宗教者、学生、地域を組織するのです。
 あらゆる所で、あらゆる人々に賛同を訴えよう。
 賛同した人が、自分自身で動くように訴えよう。
 全証拠開示を求める署名を全国でやり抜こう。
 
C署名運動と波状的な高裁闘争を
 3・30棄却決定は、東京高裁の反動性、不正義性、腐敗を余すところなく示しています。私たちは、東京高裁を徹底的に弾劾します。
 まず全国で署名運動を進めます。全国どこでも、誰にでも、全証拠開示を訴え、署名を集めよう。全証拠開示を求める署名は、労働者人民に司法への怒り、新自由主義への怒りを組織する闘いです。この署名活動の優位性をどこまでも駆使し、それで培った力をもって東京高裁に攻め上ろう。
 東京高裁に対して、何度でも、波状的に弾劾行動を叩きつけよう。あんな棄却決定が通用すると思っているのか! 東京高裁に私たちの怒りをたたきつけよう。波状的な闘いで、東京高裁を徹底的に追い詰めよう。
 
D国際連帯
 昨年の星野訪米闘争は、星野さんの闘いが、世界に通用することを実証しました。
 7月14日、サンフランシスコで行われるレイバー・フェスタの一環として、「労働運動、ムミア、ホシノ、現在への教訓」集会が開かれます。ムミア・アブ−ジャマル、ケビン・クーパー、リン・スチュアートさんらとの連帯をさらに強化しよう。
 フリー・ホシノの闘いを、アメリカから更に全世界に広げよう。
 韓国の民主労総にも、ハングル版の署名用紙を送りました。
 全世界の労働者の団結で、新自由主義司法を打ち破ろう。
 
E全国集会
  2012本全国集会は、11月23日(金−祝)、赤羽会館で行います。
 11月に行われる全国労働者総決起集会、国際労働者連帯集会と一体で、星野闘争のいっさいを集約する集会として成功をかちとろう。
 
〔むすび〕今こそ星野文昭さんを取り戻そう
 星野文昭さんは、6月の面会で「少し遅くなったが、あと2〜3年で出る決意は変わらない」と、暁子さんに語りました。これこそ、私たちすべての決意です。
 無実の星野さんを1日たりとも無期懲役獄に置く事はできません。
 全証拠の開示を求める大運動を全国で進め、星野文昭さんを私たちの手に取り戻そう。
                                                                                   以上