星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議
2011年全国総会 総括と運動方針
2011・6・24、25
〔1〕私たちをとりまく情勢
(1)星野文昭さんを取り戻す情勢が来た
2011年の全国総会は、かつてない情勢の下で開かれています。星野文昭さんを本当に取り戻すことが可能な情勢が来たのです。
無実の罪で無期懲役を宣告され、36年もの獄中生活を強いられている星野文昭さんを今こそ取り戻そう。これ以上、1日たりとも星野さんの投獄を許すことはできません。
再審無罪・即時釈放へ総決起しよう。この総会は、そのための討議の場です。2日間の熱烈な論議で、星野さんを取り戻すための闘いについて徹底的に一致しよう。そして、明日から、いや今日から、全力で闘おう。
世界大恐慌下で発生した3・11大震災と原発事故から3ヶ月、労働者民衆の怒りが日本全土にあふれ出しています。反原発の怒りは、青年労働者を先頭に、反失業の怒りと一体で激しく燃え上がり、6月11日、全国200カ所100万人のデモとなって爆発するにいたりました。
6月19日、「怒りのフクシマ大行動」が1510人の結集で闘われました。「すべての原発を止めろ」「フクシマを返せ」、張り裂けんばかりの怒りが、福島県庁に設置された政府・東京電力の原子力災害現地対策本部にたたきつけられました。6・19は、国際階級闘争に、「フクシマの怒りを忘れるな」と刻みつけた歴史的闘いになりました。
日比谷公会堂を1780名の結集で埋めつくした6・5国鉄闘争全国運動大集会は、闘う労働組合が被災地の怒りと一体に、震災解雇・反原発を闘うことで、今日の情勢を根底的に突破する展望を切り開きました。
6・5−6・11−6・19は、星野文昭さんを本当に取り戻す情勢が来たことを示しています。2009年の全国総会で確立した「労働者階級の力で星野文昭さんを取り戻そう」という大方針を真に実現する情勢が来たのです。
全国にあふれる原発に対する怒り、震災解雇に対する怒りが階級的な闘いと結合した時、エジプト・中東の革命がこの日本で現実的なものとなります。
(2)労働者民衆の怒りで民主党・菅政権を打倒しよう
3月11日の東日本大震災による死者は1万5000人を越え、8000人以上が行方不明です。9万人近くの人々が避難所生活を続けています。
福島第1原発は、「収束」の見通しなどまったく立っていません。チェルノブイリをも越える人類史上最悪の事故が進行中であり、今この瞬間も、高濃度の放射性物質をまき散らしています。核分裂をコントロールすることなど不可能です。核と人類が相容れないことが、誰の目にも明白になりました。
そもそも日本における原発政策は、事実上の核武装として推進されてきました。原爆の材料であるウランとプルトニウムを入手することが、原発の隠された目標です。歴代自民党政府から、電力会社、電機会社、銀行、大学、マスコミ、官僚機構、裁判所等が一体になって、「絶対安全、安価、クリーン」と言い張り、世界有数の地震国に54基もの原発を建設してきました。
原発は、被曝労働なしに存立できません。特に、定期検査の際には、大量の被曝労働が不可避です。通常でも、年間6〜7000人の労働者(その大半が下請け・孫請けの非正規労働者)の命が使い捨てにされています。
東電と政府は、農業も漁業も破壊しています。「原発さえなければ」という声を残して、福島県の農家が次々に自殺に追い込まれています。政府と資本家は、自分たちの利益のためなら、人間の生命を奪っても平気なのです。
民主党・菅政権は、あくまで原発を維持し、いっさいの犠牲を労働者民衆に転嫁して、危機を乗り切ろうとしています。海江田経済産業相は停止中の原発の再稼働を宣言し、菅首相もこれを追認しています。
震災解雇、賃下げ、非正規職切りが横行し、医療、福祉、教育等が破壊されています。「復興財源」を口実に、10%への消費税アップ等の大増税が企まれています。日本経団連は、「震災特区」を認めるよう政府に迫っています。この機に乗じて、道州制やTPPへの道を開こうとしています。
1980年代以来の新自由主義政策によって地方自治は切り捨てられ、必ず来ることが分かっている地震と津波に対する安全策が放棄されて来ました。それがもたらした巨大な被害を、さらなる新自由主義政策の強行で乗り切ろうと言うのです。
本来なら、労働組合こそ労働者民衆の先頭で闘わなければならないのに、連合等の体制内指導部は闘うどころか、闘いを抑圧し、民主党政権と資本をどこまでも擁護しようとしています。連合の古賀会長は、中央メーデーで「オールジャパンの取り組み」を訴えました。公務員連絡会は、国家公務員の給与10%削減を、たった10日の交渉で受け入れました。JP労組は、郵政赤字を口実にした一時金年間1・3カ月分(約50万円)削減で妥結しました。
これらに対する根底的回答は、闘う労働組合の復活です。ここにこそ、今日の情勢を突破して行く展望があります。国鉄闘争全国運動6・5大集会で提起されたように、全国にあふれる怒りと結び付き、もう一度原点に立ち返って労働組合を組織していく闘いをやり抜くことが、勝利の道です。
全日建・関西生コン支部に対する13名不当逮捕・起訴、5・20三里塚反動判決と50名逮捕は、階級的な闘いをむき出しの暴力で叩きつぶそうとするものです。完黙・非転向の闘いがこれを打ち破って勝利しているのは、素晴らしいことです。
労働者民衆の怒りで、民主党・菅政権を打倒しよう。
(3)チュニジア・エジプト・中東の闘いに続こう
大震災と原発事故は、日本の資本主義を決定的に落ち込ませ、日本発の「震災恐慌」が世界大恐慌をさらに深化させています。
財務省の5月中下旬の貿易統計によれば、貿易収支は過去最大の1兆534億円の赤字で、前年同期の3・2倍に拡大しています。さらに経常黒字は、前年同期比で69・5%減の落ち込みです。自動車の輸出は67・0%減、アメリカ向けは23・3%減となっています。GDPの2倍を超える政府債務を抱える日本の破綻は、間違いなく世界恐慌の激化の震源地となります。
アメリカ経済は「二番底」に向かっています。世界大恐慌が、本格的にアメリカを飲み込むのです。重大なのは、5月雇用統計で、非農業部門の就業者がまったく停滞し、大失業が深刻化していることです。住宅危機もまた「二番底」であり、個人消費を減退させて不況を進行させると共に、アメリカ金融機関の不良債権を絶望的に膨らませます。
ギリシャ危機は早くも再燃し、「2012年4〜6月期には債務の借り換えができなくなる」(ドイツ財務相)といわれ、ユーロ分裂と大恐慌を促進させています。これに対して、ギリシャの労働者民衆は、労働者民衆に犠牲を転嫁することを許さず、ゼネストで闘っています。
中国では、インフレの爆発が労働者階級の生活苦への怒りに転化して、国内各地で闘いが激発しています。
チュニジア・エジプト、中東から発した革命の波は、まさに荒波となって世界に広がっています。数年どころか、ほんの数ヶ月前まで、誰も考えなかったように闘いがまき起こり、世界を飲み込もうとしているのです。
チュニジア・エジプト・中東の闘いに続き、日本での闘いをやり抜こう。
〔2〕星野文昭さんを今こそ取り戻そう
(1)星野文昭さん解放の根拠
今こそ星野文昭さんを取り戻す闘いに総決起し、必ず星野さんの解放をかちとりましょう。星野さんを取り戻すことができる根拠の第1は、星野文昭さん自身の闘いです。
星野文昭さんは、1971年11月14日、日米両政府が沖縄を基地の島として半永久的に固定・強化しようとしたことに対して、労働者・学生と共に決起しました。政府は11月初めに都内における集会・デモをいっさい禁止しました。機動隊を前面に立て、闘いを封殺しようとしたのです。これを突き破らない限り、反対の声一つあげられない状況でした。星野文昭さんは、71年の春から夏、三里塚に常駐して農地強奪を許さない闘いを続け、2件の指名手配を受けながら、闘いの先頭に立ったのです。
佐藤政権・国家権力は、この星野さんに憎しみを集中し、「殺人罪」をでっち上げて死刑を求刑しました。後の最高裁長官・草葉良八が一審判決(懲役20年)を破棄して、星野さんに無期懲役を宣告しました。
星野さんは、無期懲役の獄で36年間、不屈・非転向で闘い続けています。国家の総力を上げた攻撃と真っ向から闘い、日々、打ち破っているのです。70年安保・沖縄闘争の偉大な地平を獄中で守り抜き、大恐慌、3・11情勢下で労働者階級人民と一体で闘いぬいています。
星野さんの不屈さを支えているのは、労働者階級は必ず勝利するという思想的確信です。政府・権力の攻撃は、最も根深い地点で打ち破られたのです。
(2)70年の地平を守り新自由主義攻撃と対決
星野さんを取り戻すことができる根拠の第2は、70年安保・沖縄闘争の地平を守り、新自由主義攻撃と対決する闘いが不屈に続けられていることです。
破防法、民間反革命の襲撃、星野さんへの無期懲役が一体となって、70年安保・沖縄闘争の地平を破壊しようと襲いかかって来ました。これを打ち破って70年の闘いを発展させ、労働者階級の闘いを前進させる闘いが展開されて来ました。
1980年代には、新自由主義攻撃が始まります。中曽根政権による国鉄分割・民営化攻撃が襲いかかりました。この攻撃と軌を一にして労働者派遣法が成立し、今や労働者の3分の1が非正規職に追い込まれています。また、原発建設が一気に進んだのもこの時です。総評は解散し、連合が結成されました。
このような状況に対して、動労千葉は国鉄分割・民営化攻撃に絶対反対を貫き2度のストライキを闘いぬき、日本労働運動の根幹を守り抜きました。
昨年、国鉄闘争全国運動が立ち上げられ、労働者階級・人民結集の軸となって、3・11情勢下でおきている全事態に立ち向かっています。
これらの闘いと星野さんの闘いが、一つになって闘う情勢が到来しています。
(3)沖縄・三里塚闘争
星野さんを取り戻すことができる第3の根拠は、沖縄と三里塚の闘いが、その階級的地平を守りぬき、さらに前進していることです。
沖縄は、70年も今も、政府・国家権力のあらゆる攻撃を打ち破る「日本革命の火薬庫」そのものです。その沖縄闘争の基軸に、労働者階級を根底から組織する力強い労働運動が座っています。
三里塚闘争は、政府・国家権力、空港会社のあらゆる攻撃を打ち破り、成田空港の破産を突き出し続けています。70年闘争の偉大な地平を守り、今や「フクシマ」の怒りと結びついています。このことに恐怖した権力は5・20に反動判決を出し、50名逮捕という弾圧を仕掛けてきました。
沖縄闘争と三里塚闘争は、労働者民衆の階級的結集軸となり、勝利の道を切り開いています。同時に、星野さん解放の展望を明々と照らし出しています。
(4)国際連帯の前進
第4は、国際連帯の飛躍的前進です。
動労千葉の国鉄分割・民営化反対の闘いは、世界の労働者人民に限りない勇気を与えています。労働者が職場で団結して闘えば、たとえそれが国家の総力をあげた攻撃でも打ち破ることができるという実証だからです。
チュニジア、エジプトでは、労働組合を組織し、職場の労働者の団結を打ち固める闘いが革命を準備しました。圧倒的多数の労働者が団結して闘えば、資本・国家の物質力を打ち破ることは可能なのです。労働組合を武器にして闘うことこそ、社会を人間的な社会に変えていく原動力です。
労働者階級に国境はありません。共に闘う一つの階級です。この国際性、国際的団結を自覚した時、労働者階級は巨大な力を発揮します。
星野闘争は、この7月、訪米します。これは、動労千葉が切り開いた地平と一体での闘いです。アメリカの闘う労働者・労働組合との連帯・団結を実現することが、星野闘争の前進、星野さん解放の展望を大きく開くことは間違いありません。
(5)全国に多数の星野救援会を
第5は、全国に次々、救援会が結成されていることです。
星野再審闘争は、現在、全国に23の救援会が結成され、それぞれが独自性を発揮して奮闘しています。この力が、徳島刑務所、法務省、国家権力を恐れさせています。
全国に多数の救援会を組織して、さらに全国的な陣形を縦横無尽に作り上げていきましょう。松川闘争は、労働者階級を中軸にして全人民の中に深く入り込んで組織化したところで勝利しました。私たちも松川闘争に学び、救援会を全国に拡大して、星野さんを絶対奪還しましょう。
〔3〕この1年間の闘い
(1)再審開始へ、東京高裁を追い詰める第2次再審闘争
1 第2次再審請求書の提出
2008年7月14日、最高裁は、特別抗告を棄却しました。第1次再審闘争の切り開いた地平によって、Kr供述における服装の色の違いを認めざるを得なかったにもかかわらず、最高裁は「再審を開始しない」と居直ったのです。もはや、裁判とは言えない、国家意志を貫くための決定でした。全国の原発訴訟において、危険性を指摘し建設の中止を求める地域住民の訴えを、「原発は絶対安全」とウソとペテンでことごとく退け、原発推進の国家意志を貫く先兵となってきた裁判所の姿を、星野再審闘争においてもさらけ出すものでした。
星野さんと再審弁護団は、この腐りきった裁判所の姿に怒りをたぎらせ、2009年11月27日、27点の新証拠と共に第2次再審請求書を提出しました。それ以来今日まで、東京高裁と東京高検に対して「間断なき闘い」(鈴木弁護団長)をやり抜いてきました。
2 証拠開示請求と3者協議の成果(新証拠「一郎丸写真」の出現)
昨年3月24日、34点の証拠開示を請求しました。検察官は、いまだに星野さん無実の証拠を隠し持っているのです。5回にわたる「3者協議」(弁護人、裁判官、検察官)を実現し、ついに昨年8月、証拠開示を勝ち取りました。1971年11月14日、闘争現場を撮影した159枚の写真です。
弁護団はその中に、星野さんの無実を示す決定的な1枚を発見しました。「一郎丸写真」の出現です。殴打現場を過ぎた東急本店前で写された星野さんが手にする鉄パイプは真っ直ぐで、巻かれた紙は純白のままです。紙の破損も汚れも一切無く、殴打の痕跡は全くありません。
星野さんと弁護団の執念がつかみ取った無実の決定的証拠です。
3 補充書(1)(2)の提出
弁護団は昨年9月30日、第2次再審請求書の補充書(1)を提出しました。新証拠「厳島鑑定書(その1)」と一体になって、確定判決(1987年、草場良八裁判長)が唯一の証拠とした6人の供述調書、その中でも核心的証拠とされたKr、Ao、Ar各氏の供述が、真実の記憶に基づくものではなく、検察官によってでっち上げられたものであることを、「記憶の心理学」や「目撃証言の心理学」に踏まえて科学的に明らかにしたのです。
「一郎丸写真」とその「鑑定書」「意見書」は、星野さんの無実を決定的に証明しました。まさに言い逃れの余地のない物的証拠による証明です。
厳島行雄教授は、世界的にもほとんど例のない、20人以上の被験者による心理学的実験を行いました。その結果、最も良く記憶している人で、わずかに300字程度の記憶再現しかできない事が分かりました。「鑑定書」は、実験結果に踏まえて、Kr、Ao、Ar各氏らの「殴打場面」の実に詳細な供述が、検察官・警察官によるでっち上げであることを具体的・実証的に明らかにしたのです。
4 早期棄却攻撃を許すな! 検察官「意見書」弾劾
第2次再審請求書と補充書(1)(2)、数々の新証拠は、星野さんの無実を完全に明らかにしました。東京高裁は直ちに再審を開始しなければなりません。
これに追い詰められた東京高検は、本年3月24日、「速やかに請求を棄却」せよという「意見書」を東京高裁に提出しました。検察官は、一審において、星野さんの無実を百も承知で「死刑」を求刑しながら、この「意見書」では、それを「無期求刑」と述べています。「死刑」求刑が何を意味しているのか、人の命をもてあそぶ検察官を許すことができません。
3・11情勢下、国家権力は、権力と闘う者や非妥協の闘いを容認することができず、焦りにかられて、このような「意見書」を提出したのです。星野さんと弁護団は猛然たる怒りを燃やして、これを完膚無きまでに打ち破る「意見書」を準備中です。
5 ビデオ国賠始まるー運動の新たな結集軸
警視庁公安部は、1971年11月14日の沖縄返還協定批准阻止闘争を伝えるテレビニュースを録画したビデオテープ2巻を「紛失」しました。東京高裁から保管委託されていた重要な「証拠」物です。これは単なる「紛失」とは言えません。
4月4日、星野文昭さんを原告に、国家賠償を求める訴訟を東京地裁に提訴しました。被告は国(東京高裁)と都(警視庁公安部)です。訴状は、「故意の証拠隠滅又はこれに準じる重大な過失」の責任を徹底的に追求しています。星野さんが、ビデオテープの紛失により被った損失は、決して金銭で替えることはできないものですが、星野さんの精神的損害を慰謝するための損害額は少なくとも、1000万円を下まわらないのであり、その賠償を求めるものです。
6月7日、第1回期日が行われました。傍聴席は、若い学生を含め40人で埋め尽くされました。星野さんの「陳述書」と、弁護団の「意見陳述」は法廷を圧し、被告の警視庁公安部と東京高裁を徹底的に弾劾しました。
私たちはついに、再審開始を切り開く運動の重大な結集軸を手にしました。第2回期日は8月30日(火)です。東京高裁と警視庁公安部への怒りをたぎらせ、全力で結集することを訴えます。
ビデオ国賠訴訟を勝利的に闘い抜くことを通して、検察官の隠し持つ全ての証拠開示を勝ち取りましょう。
6 新たな弁護人が加わり、弁護団の圧倒的強化を実現
再審弁護団はこの一年で、新たに若い2名の弁護人の参加を得ました。沖縄闘争をたたかい獄中36年、非転向を貫く、無実の星野文昭さんの再審無罪・釈放を求めるたたかいが、若手弁護人の心を捉えたことに、再審無罪−釈放へ、裁判闘争それ自体の飛躍的な前進と共に、運動の全人民的拡大の展望を強く感じるものです。
星野文昭さんは、5月16日の藤田城治弁護人との面会について、「ものすごく感動した」と語っています。 (2)星野さんを解放する時が来た
1 星野さんを解放するための闘いと攻防の激化
星野さんをめぐるこの1年間の攻防は、かつてなく激しいものでした。「3・11」以降は、一変した情勢の中で攻撃が一段と激化しました。昨年4月9日以降、労働運動そのものを根絶しようとする攻撃に踏み切った政府・国家権力は、「3・11」に直面して、今や、国家意志に逆らう者、資本・国家と非妥協に闘う者の存在を許容できなくなっています。
36年間非転向を貫く星野さんを取り戻す闘いは、今や政府・権力と労働者民衆の闘いの最前線に立っています。そのことを実感し、最先頭で闘っているのは星野文昭さん自身です。
星野暁子さんの面会報告によると、星野文昭さんはかつてない程元気で、明るい表情です。いよいよ勝利の時代が来たと確信しているのです。そして、獄中でできるすべてのことをやっています。
星野さんは、動労千葉と全国労組交流センターが発足させた「救援対策本部」に5000円のカンパを送りました。震災に関する「特別発信」を利用して、福島の仲間に手紙を届けました。6・5国鉄闘争全国運動大集会を始め、3・11以降開かれる集会に渾身の力で書いたメッセージを送っています。
星野さんは無期懲役の獄中にありながら、36年間、不屈・非転向で闘っています。昨年までに面会した多くの人が、「励ますつもりが、逆に励まされてしまった」「36年間も獄中に閉じ込められていて、どうしてあんなに明るいのか」と言います。
政府権力が星野さん無期懲役にかけた攻撃を、星野さんは最も根底的な地点で打ち破っているのです。労働者解放の魂を体現する星野さんの闘いが、労働者民衆、とりわけ青年労働者の怒りと結合する時がついに来ました。
2 2010年全国総会と全国集会
昨年6月25日、全国から集まった120名は東京高裁包囲デモを闘いました。前年11月27日の第2次再審請求書提出と一体に、「ただちに再審を開始しろ」「星野さんを釈放せよ」という怒りを東京高裁にたたき付けたのです。
25、26の両日、全国総会を行いました。2日間にわたって、星野闘争の飛躍を実現しよう、そのために労働者に働きかけよう、労働組合に入って行こうという熱い論議が交わされました。
11・27全国集会は、これまで最高の450名が全国から参加しました。この集会で特徴的なことは、「一郎丸写真」の出現を見て、全参加者が星野さんの無実に確信を持ったことです。そして、何としても星野さんを取り戻そうと心の底から決意したことです。11・7労働者総決起集会と一体のものとして成功したこの全国集会から、私たちは、2011年に進撃しました。
3 労働者階級、労働組合の闘いの開始
8・6ヒロシマに向けて、広島高陽病院労組による星野絵画展が行われました。労働組合として星野絵画展に組織的に取り組み、地域住民にビラ入れ、組織化を行うという画期的な闘いでした。何より重要なことは、この闘いを通して、組合としての団結が固まり、強化されたということです。
8月26日には、自治労大会に集まった自治体労働者30名が徳島刑務所に行き、星野さんへの差し入れ行動を行いました。これも、労働者の組織的取り組みとして、かつてない地平を切り開きました。
全国労組交流センターは、昨年に続き本年も、定期総会において、「無実の星野さんを取り戻す特別決議」を上げました。労働組合としての取り組みに心から感謝します。階級的労働運動を最先端で実践している労働組合が、「星野奪還決議」を上げたことの中に、36年間非転向を貫く星野さんの闘いが、労働者階級民衆の心を捉えずにはおかないことを、改めて確信するものです。
4 被災地労働者との団結
5月4日、5日、私たちは、星野再審会議として被災地を訪問しました。福島・みやぎの仲間にお見舞いと激励を伝え、第2次救援カンパを手渡しました。
被災地で見たのは、360度見渡す限りガレキという、言葉を失うような光景でした。放射線量がずっと高い中で、福島の仲間は怒りに燃えて、しかし、「ここを逃げないで闘う」と高らかに宣言しました。
宮城の仲間は、最も人手が必要な3月末で雇い止めに合いながら、これを許さず、震災解雇と真っ向から闘っています。
動労千葉と全国労組交流センターは「救援対策本部」を立ち上げ、労働者民衆の団結をもって震災の現実と立ち向かっています。
家も家族も地域も職場も一切を奪われた被災人民の苦悩と怒りはいかばかりでしょうか。東電福島第1原発のメルトダウンと、大量の放射性物質放出で、農地も漁場も故郷も未来も人生も一切を奪われた福島の被災人民の、国家と資本に対する満身の怒りに、徹底的に肉迫し、学び、救援活動に全力で取り組むことで、被災人民との団結をうち固めていく決意です。
私たちはその立場で、星野闘争として救援運動に取り組むことを決定し、全国に救援カンパを訴えました。50万円を越える救援カンパが集まり、被災地の仲間に送りました。
6月19日には、6・19怒りのフクシマ大行動に参加し、代表の清野和彦さんに第3次救援カンパを手渡しました。
このような形で、星野闘争が心を一つに闘ったことは、画期的な前進です。
また5月の被災地訪問の際に、福島大学「松川資料室」を訪ねました。貴重な資料を拝見し、事件現場まで案内していただきました。私たちは、労働運動・労働組合運動の力を軸に全人民的運動を作りあげ勝利した松川闘争に学び、松川闘争を何としても継承して行こうと決意しました。
5 5月沖縄闘争に決起しました
3・11大震災に際して、アメリカ軍は2万人を動員する「トモダチ作戦」を行いました。自衛隊も10万人を動員し、戦後半世紀にわたって核戦争をも想定して準備されてきた日米軍事同盟の具体的発動が行われました。
日米政府は、辺野古V字滑走路建設を強行し、普天間基地にオスプレイを配備して、沖縄の労働者民衆の闘いを圧殺しようとしています。連合は、政府の「挙国一致」攻撃に屈服し、3・11を口実に現地闘争を「自粛」するというとんでもない裏切りを行いました。
この情勢下で、今年の5・15沖縄現地闘争は闘われました。労働運動も反戦運動も根絶し、沖縄と本土の労働者人民を分断して、沖縄闘争を一挙に解体しようとする攻撃に対して、沖縄の怒りと一体になって闘いました。
1971年11月14日、星野文昭さんは、「沖縄の永久核基地化反対、本土復帰・基地撤去」を掲げ、目前に迫った沖縄返還協定の批准を阻止するために立ち上がりました。日米安保は、在日米軍基地、とりわけ沖縄の米軍基地を実体とすることで成り立っています。沖縄米軍基地は、核基地そのものです。
沖縄闘争にとって、核の問題は決定的に重要な位置を占めています。3・11情勢下で闘われた沖縄現地闘争は、「ヒロシマ・ナガサキ・オキナワ(ビキニ)を繰り返すな」という反戦、反核、反基地、反安保の闘いが、フクシマの闘いと結びつき、沖縄を資本主義体制打倒の拠点として打ち固めたのです。
6 星野闘争の組織的前進
「無実の星野文昭さんを取り戻そう! 東京北部の会」が、5月28日、全国23番目の会として発足しました。
東京・首都圏の会が力を合わせ、統一街宣や共同の企画などを闘って来ました。その中でかちとられた大きな前進です。
昨年の特筆すべき闘いは、新事務所の開設・移転です。
これまでの約3倍になった明るい部屋で、事務局は活動しています。毎月開かれる運営委員会も、事務所で行っています。さまざまなお客さんが訪れるようになりました。
事務所開設のために、緊急の呼びかけにもかかわらず、全国から200万円を超えるカンパが寄せられました。心からお礼を申し上げます。
(3)獄中処遇をめぐる攻防が激化しています
昨年来、友人面会拒否と手紙の一部抹消など、激しい攻防が続いています。
連続5回、7人の友人面会が拒否されました。徳島刑務所は、友人面会を2人に制限した上、その2人を勝手に指名するという攻撃を加えて来ました。これまで94人が面会してきた実績を、破壊しようとする攻撃です。
9月17日、星野暁子さんの面会が拒否されました。この日は、二人の24回目の結婚記念日でした。9月10日に行われた岩井信主任弁護人の接見を「一般面会」扱いし、「9月分の2回は終了した」と言うのです。
星野暁子さんが発信した5通の手紙が、墨塗りで一部抹消されました。二人が文通を始めて26年以上経ちますが、これまで一度も無かったことです。
5月16日、新たに再審弁護団に加わった藤田城治弁護人の接見に対して、看守の立会い、30分の時間制限という暴挙を、徳島刑務所は行いました。
4月7日、徳島刑務所は、星野さんの処遇区分を4類に降格しました。工場での「不正交談」とか、机に乗って掃除したとかを口実にした、絶対に許せない攻撃です。その結果、面会が1ヶ月3回から2回に減らされています。
こんな攻撃を絶対に許すことはできません。徳島刑務所に怒りの声を集中し、全国の力ではね返そう。
(4)奥深山さんに対する裁判再開の攻撃を許すな
星野さんと共に闘い一審で懲役15年の判決を受けた奥深山幸男さんは、81年1月に公判が停止し、30年間、生きるための闘病生活を続けています。「奥深山さんの免訴を実現する会」は、94年12月、「奥深山さんの公訴を棄却せよ」という申し立てを東京高裁に行いました。
2002年3月、東京高検は「裁判を再開せよ」という申立書を提出しました。山上晧(当時東京医科歯科大教授)の「鑑定書」(2008年7月)、村松太郎(慶応大学医学部准教授)の「鑑定書」(2010年1月)が、「訴訟能力あり」というでたらめな結論を出しましたが、弁護団、主治医、友人、「免訴の会」の反撃で打ち破ってきました。
行き詰まった裁判所は、病気の奥深山さんを直接「模擬法廷」に近い場に引き出そうと、「7月に病院を訪問するか本人に裁判所に来てもらう」などと言い出したのです。主治医が病状報告を提出し、弁護団と「免訴の会」は奥深山さんの生きる権利を守り抜くために全力で闘っています。裁判再開を許さず、奥深山さんの免訴を実現しよう。
〔4〕星野さんの奪還をかちとる闘いの課題
(1)反原発・反失業を全力で闘い、労働者階級の広大な怒りと結びつこう
星野さんの36年に及ぶ不屈の闘い、これと一体となった全国における星野救援・奪還運動のたゆまぬ前進が、この7月ついに「世界の星野」として、大きくはばたこうとしています。
国家権力と闘い続けてきた星野さんが、全世界の労働者階級に歓呼の声で迎えられ、労働者階級の怒りと結合する情勢が到来しています。星野さんを必ず奪還しよう。奪還することを皆で誓って、そのためのたたかいに思い切って打って出よう。
資本主義が行き詰まり、世界金融恐慌が爆発し、大国間の争闘戦が激化する情勢下、3・11大震災と原発大事故が発生しました。日本経済は大打撃を受け、一切の犠牲を労働者階級に集中させ、震災解雇、賃下げ、強労働、非正規化の攻撃がふきあれてきています。
連合などの労働組合は、「挙国一致」「労使協調で復興を」と叫んで、労働者階級のたたかいを圧殺し、菅政権の原発推進の先兵となっています。本当に怒りに堪えません。
この情勢の中で、被災地の労働者や青年労働者を先頭に、連合などの制動を打ち破り、反原発・反失業の怒りの決起が始まりました。6・11には、全国200カ所で100万人が反原発デモに起ち、6・19フクシマでは、1510人が集会・デモをたたかい「国家と東電は責任をとれ! 生きさせろ!」の怒りの声をあげました。
6月5日の国鉄闘争全国運動の大集会は、被災地の怒りと国鉄1047名解雇撤回闘争が結合し、3・11情勢と対決する労働組合、労働運動を甦えらせることを中心に据えて、力強く勝ち取られました。
反原発・反失業の闘いを全面的に発展させよう。国鉄闘争全国運動を基軸に、労働組合、労働運動をなんとしても甦えらせよう。
私たちは、2009年の全国総会で松川闘争の教訓を徹底的に学び、労働者階級の前進の中に、星野さん奪還の展望があることをつかみました。
労働者階級と一体となって、反原発・反失業闘争と、国鉄闘争全国運動を全力で闘い、闘う労働組合を甦えらせるために決起しよう。
(2)労働者の闘いを基軸に、あらゆる人達の中へ星野救援・奪還運動を 拡大し、11・27全国集会の大結集を闘いとろう
09年の総会で「労働者階級の力で星野さんをとりもどそう」という大方針を確立することによって、星野さんをとりもどす運動は大きな前進をかちとってきました。その上で今日、3・11情勢という、これまで経験したことがない激しい階級攻防(資本主義の危機の深刻化、「生きさせろ」という根底的で全人民的な闘いの開始)の中で、さらなる大飛躍をとげていかなければならないと思います。ここで勝利することが星野さんの奪還に絶対につながります。
3・11大震災と原発大事故によって、多くの人が命をなくし、今も命の危険にさらされています。仕事を、自然を、古里を、未来を奪われてしまいました。これは、資本主義社会が行き着いた最悪の事態であり、国家と東電・大企業による許しがたい犯罪です。
菅政権は、この現実を前に右往左往して政治危機を深めながら、なお原発推進を叫び、労働者人民へ一切の犠牲を強制することで延命を策しています。労働者の首を切り、賃下げ、強労働、非正規化を強制する一方で、増税・社会保障の一層の切り捨てによって、人々が生きて行けない現実を作り出しています。
こういう中で、被災地の労働者人民が、「生きさせろ」「原発をとめろ」「社会をかえよう」「労働運動を甦えらせよう」と心底からの怒りを解き放って決起しています。6月19日のフクシマでの集会で、教育労働者、国鉄労働者、郵政労働者、合同労組の仲間を中心に、農民が、母親が、福島大生や高校生が、「菅政権たおせ」「社会を変えよう」と声の限りに訴えました。
星野さんの救援・奪還運動も、被災地の闘いに学び、被災地の怒りと一体となることで、大飛躍をとげることができます。労働者階級を基軸にし、あらゆる階層・階級の中に星野救援・奪還を訴えて、全国津々浦々から全人民的な大運動を作り出すことです。
「無実の星野さんを36年も獄中に閉じ込める国家と裁判所」への怒りを、被災地の人達の怒り、原発に怒る青年労働者や学生の怒りと一体化・結合させて闘おう。「星野さんを36年も獄中に入れないと成り立たないような国家は打ち倒そう」「原発を推進し、無実の星野さんを無期の獄中に閉じ込めている裁判所は責任をとれ」「社会を変えよう。星野さんを奪還しよう」と、根底からの怒りを解き放ち、労働者階級の中へ、全人民の中へ、星野救援・奪還運動を拡大していこう。
星野さん救援・奪還運動は、労働者人民の闘いに火をつける役割を果たします。星野さんの36年という超長期の不屈の闘いがある。「正義と真実」を武器に、国家の反人民性、不正義を糾弾して、身体をはって闘いぬいている星野さんがいる。自らの解放と労働者階級の解放を重ねあわせ、36年間も獄中でがんばり続けている星野さんが、全人民の魂を揺り動かすものであることは明白です。ここに不動の確信をもって、星野救援・奪還運動に労働者人民を圧倒的に組織しよう。
11月には全国労働者総決起集会が行われます。
この勝利と固く一体で、11・27全国集会の大結集を目指していこう。
(3)7月訪米−国際連帯を成功させよう
動労千葉が2003年以来積み重ねてきた国際連帯の地平で、星野闘争として初めて訪米します。毎年7月サンフランシスコで開かれるレイバーフェスタで、星野文昭絵画展とホシノ・ムミア集会を行います。
星野さんが、大変な制約が強いられる獄中で描く絵は、穏やかな情景や静物が大半です。しかし、それをじっと見ていると、その中に36年間不屈・非転向で闘う魂が感じられます。それは、アメリカの労働者の心を必ずつかみます。
ILWUは、1999年、ムミア死刑阻止のためにストライキで闘った労働組合です。動労千葉と心の底からの信頼で結ばれている組合です。その組合員が、絵画展と集会に参加します。星野さんの絵の持つ力と星野暁子さんの訴えが国際連帯を促進し、国境を超えた団結をつくり出します。
今回の訪米は、ムミア解放闘争とホシノ解放闘争の歴史的合流であり、「世界のホシノ」に飛躍する闘いです。
(4)再審闘争を戦闘的にうちぬき、再審開始・即時釈放をかちとろう
1)腐敗を極め、労働者人民の怒りの的になっている裁判所を攻め続けよう。
原発の危険を訴えた住民などの差し止め訴訟に対して、裁判所は「危険はない。安全」と言って、ことごとく退けてきました。うその判決を出し続けた裁判所は責任をとるべきです。
国民の8割が反対している裁判員制度を、しゃにむに強行する裁判所。その結果、裁判員裁判の破綻をきたしています。
5月20日には、三里塚現闘本部の強制収容をみとめた高裁判決に抗議し、仮執行の差し止めを求め、その決定を東京高裁で待っていた人達50人を逮捕。機動隊・私服100名以上を裁判所構内に招き入れ、暴力をふるって逮捕させました。裁判所は、国家の番犬と化しました。恥を知れ!
腐敗と崩壊を深める裁判所へ、労働者人民の怒りが吹きあれています。
星野さんの無実が鮮明であるにもかかわらず、星野さんの再審を拒み続け、星野さんを解放しようとしない裁判所を、正義と真実と階級性を武器に攻めぬくことが大事です。あらゆる怒りと一体となって、攻勢につぐ、攻勢をかけ、裁判所を追い詰めよう。
2)証拠(ビデオ)の紛失を徹底弾劾し、全証拠開示をかちとろう
星野さんへのでっち上げを暴いて再審請求をしているにもかかわらず、東京高裁は証拠のビデオを「紛失」したと言うのです。紛失などとんでもありません。東京高裁と警視庁公安部が結託して、証拠隠滅をはかったのです。
星野さんと弁護団は、これを弾劾して国家賠償請求訴訟を起こしました。次の期日は8月30日です。大結集して、裁判所を徹底的に追及しよう。
星野さんは「機動隊を殴打した」と、事実と全く違うことをでっち上げられています。検察官が隠し持つ全証拠を開示させれば、必ず星野さんの無実が明らかになります。証拠隠しに汲々とする検察官と裁判所を攻めぬき、全証拠の開示をかちとろう。
3)学習会・現地調査
「補充書(2)」、「鑑定書その2」提出を受け、全国で学習会を進めよう。
現地調査に行きましょう。事務局は、要請に積極的に応えます。
(5)獄中弾圧打ち破り、星野文昭さん・家族との団結を強化しよう。
自由な友人面会をかちとろう。
1)昨年の懲罰攻撃に続き、徳島刑務所は、理由にもならない理由をこじつけて、星野さんの「処遇区分」を降格し、面会回数を減らしてきました。藤田城治弁護人の面会を、30分に制限した上、看守の立会までつけてきました。断じて許せない攻撃です。
36年間も獄壁で分断し、自由を奪い、非人間的処遇を強制するばかりか、さらに獄中弾圧まで加えて、星野さんの生き抜く闘いに攻撃を加える、法務省・徳島刑務所に激しい怒りをたたきつけよう
2)星野さんとの友人面会は94人に及んでいます。ところが、2008年に続き、2010年5月に突然、友人面会を拒否してきました。拒否する合理的理由などどこにもありません。国家権力は、星野さんと労働者人民との生きた交流である友人面会が、星野さん奪還運動のテコとなり、階級的労働運動の前進を作り出すことに恐怖したのです。
私たちは、友人面会拒否に対する国賠裁判に決起します。
徳島刑務所を弾劾しぬき、自由な友人面会をかちとろう。
〔5〕結語
星野さんと家族の36年間という並々ならぬ闘いに心から敬意を表すと同時に、こんな理不尽、非人間的な弾圧を、これ以上許しておくことは断じてできないと、固く決意しています。今日の情勢の中で星野文昭さんを、絶対にとりもどそう。眼前には、私たちの闘い如何によって、星野さんの奪還が全く可能な情勢が到来しているのです。
杉並と徳島で「救う会」が結成されてから23年が経過しました。今年の全国総会には23の救援会が結集しているように、わたしたちは、困難を乗り越えながら、着実な前進を闘いとってきました。しかし、星野さん奪還の情勢が到来している今こそ、本気で、石にかじりついても大きな前進・飛躍を闘いとりたいと思っています。
資本主義体制の矛盾と破綻が露呈し、ついに崩壊を開始しました。エジプトでチュニジアで青年労働者が立ちあがり、抑圧からの解放をかちとりました。大震災と原発への怒りが、広大に激しく燃え盛り初めています。労働者人民が、国家の支配を打ち砕き、人間らしく生きられる社会を求めて、根底からの動きを始めました。星野さんへの抑圧、弾圧を打ち破る時が到来したのです。
今こそわたしたちは、力を合わせ、声をあげ、行動をおこし、組織と運動を全力で拡大し、星野さんをとり戻すために闘おう。11・27全国集会を大成功させよう。
必ず星野さん解放をかちとる決意を明らかにし、提起を終わります。